小中学校でスマホが認められたのは緊急事態のみ! 全ては親の責任!?

 

皆さんは、子どもに携帯電話を持たせていますか?

また、これから持たせようと考えていますか?

私が高校生の頃(約20年前)、ほとんどの生徒がもっていて当たり前の時代になりました。ただし、従業中に携帯電話が鳴ると先生から取り上げられることが日常茶飯時でした。

それから約20年の月日が流れました、令和となった今では高校生どころか小学生も当たり前に持っている時代となりました。

それでは、小学生や中学生の学校への携帯電話の持ち込みは、どういった対応がなされているのでしょうか?

今回は、『文部科学省が示した「小中学校における携帯電話の取扱いに関するガイドライン」』についてご紹介します。

学校における携帯電話の取扱い等に関する有識者会議(令和元年度第1回)配布資料より。

 

保護者の責任!

そもそも、子どもに携帯電話を持たせるかどうかは親の責任ですよね。そして、このガイドラインにも「親の責任」とはっきりと明記されています。

ただ、はっきり明記されているようで・・・

府教育庁としては、子どもが携帯電話を所持すること自体を推奨するものでも、否定するものでもありません。

と、書かれています。

そして、「学校との協力が必要不可欠」と言うことで、学校が示す校内や登下校時の取扱いルールに同意することが前提としてあります。

と言うわけで、「携帯を子どもに持たせるのも・持たせないのも親の責任!」ということになっています。

これが、大前提です。

それでは、なぜ「学校への持ち込み」が認められるようになったのでしょうか?

 

校内の携帯電話の持ち込みは、基本的には認められてこなかった!

実は、これまで府教育庁では、携帯電話の校内持ち込みは禁止の方針が出されてきました。

このことは、文部科学省のHPをみても確認することができます。

文部科学省では、平成21年1月に、学校の携帯電話の取扱いについて、小・中学校では、やむを得ない場合を除き原則持ち込み禁止、高等学校では校内での使用制限等を行うように、方針を明確に示しました。

つまり、2009年から約10年間にわたって、基本的には小・中学生は学校に携帯電話を持ってきてはいけない「不要な物」として扱われてきました。

→高校生になって、制限があるとはいえ、ようやく校内へ持ち込むことができるようになります。

こういった事情があり、今回のガイドラインは「大転換」とまで呼ばれているようです。

ただ、そもそも「携帯は学校に不要!」という考え方の背景にあったものは、「ネット上のいじめ」や「有害サイト」を通じて子供が犯罪に巻き込まれる危険性といった、社会的に深刻な問題があったためです。

この状態は今も変わっていませんし、さらに悪質化・巧妙化しています。

それではどうして今回、携帯電話の校内持ち込みが認められるようになったのでしょうか?

 

正確には、「一部解除」であって解禁ではない!

冒頭でお伝えしたように、子どもに携帯電を持たせるかどうかは、全て親の責任です。

ただし、その携帯電話の使用は登下校時に限られます。それではなぜ、「一部」とはいえ解除されることになったのでしょうか?

それは、以下のような理由がありました。

  1. 登下校中の子どもが犯罪被害にあう事案が全国で発生している。
  2. 2018年6月に発生した大阪府北部地震が、登校時間に発生し、登下校中の安全確保に不安が残った。

「治安悪化」と「震災などの不測の事態」に対応するために認められた!

 

ガイドラインの「目的」を確認してみると・・・

実際、小中学生の携帯電話の使い方としては、このようなことがガイドラインで求められています。

携帯電話のGPS機能や通信機器を、災害発生時や連れ去り・置換などの犯罪に巻き込まれた(あるいは巻き込まれそうな)際の緊急の連絡手段や犯罪の抑止力として活用する

このように、あくまでも「もしもの時の緊急対応」を目的として、保護者が持たせたいときは登下校に限り、子どもが所持できるよう、「持ち込み禁止」の方針から「一部解除」されることとなりました。

ただ、1つ疑問が残ります。

 

そもそも、「親の自己責任」で終わらせる問題ではない!

ただ、こういった理由であるならば、「そもそも自治体単位で学校専用の端末を配布した方がいいのではないか?」と考えます。

例えば、すでにタブレットを配布している学校までありますよね。タブレットのGPS機能やLINEを登録すればメッセージを送ったりもできるでしょう。

なにが言いたいかといえば、「緊急時の対応策にも関わらず、親の意向(親の責任)だけに依存するのはどうなの?」ということです。

ちなみに、このガイドラインの「携帯電話」とは・・・

  • 子ども向け携帯
  • フィーチャーフォン
  • スマートフォン

のことで、「タブレット」や「ゲーム機」などは含みません。

それでは最後に、緊急事態でしか使うことが想定していないことが分かる「保護者の皆様へ」について見ていきましょう。

 

「保護者の皆様へ」とは?

このガイドラインでは、「保護者の皆様へ」として家庭で確認・約束し、学校へ伝える5項目が示されています。

(1)携帯電話を登下校中に持つ目的は、防災・防犯に限定する。

(2)校内では、携帯電話を使わない。

(3)校内では、携帯電話の電源を切って、カバンにしまい、学校の指示があるとき以外は、決して出さない。

(4)登下校中は、携帯電話はかばんの中に入れ、災害時や犯罪に巻き込まれる等の緊急の場合以外では、携帯電話は使わない。手に取って操作しない。

(5)子どもが、ルールに従わずに、携帯電話をかばんから出したり、使ったりした場合は、学校が携帯電話を預かって保護者に直接返却し、学校と保護者が協力して指導する。

*災害等の緊急時以外で、保護者から子どもの携帯電話への連絡はしないでください。

上記の内容は、「子ども本人」や「市町村教育委員会・小中学校」に対しての注意事項でも共通しています。

そして、学校または市町村教育委員会は、「このガイドラインを参考に、原則2019年度中には登下校時や校内での携帯電話の取扱いに関するルールや方針を定め、児童生徒や保護者に周知」とあります。

つまり、すでに実施されています。

 

最後に

携帯電話は、持ていても・持っていなくてもいじめの対象になるときはなります。また、依存症や犯罪に巻き込まれることも社会問題になっています。

ただ、そもそも携帯電話が一部解除された理由は緊急事態に備えるためです。

このことから、「学校においても携帯電話が災害対策や犯罪防止に役立つことがやっと認められた!」ということがいえるでしょう。

にも関わらず、それを決定するのは全て親の責任であり、緊急事態に備えないのもまた親の責任ということになります。

私の子ども達は、今年(2020年)で2歳と4歳になりますが、できれば携帯は高校生ぐらいからと考えています。

ただ、この状態では小学生から持たせた方がいいのかもしれません。

結論としては、約20年前の私が高校生だった頃と今では、学校の体制としては「ほとんど昔と変わっていない」というほかないでしょう・・・

ちなみに、文部科学省では2020年6月24日にも、「学校における携帯電話の取扱い等に関する有識者会議」を開催し、まとめ案を示したようです。

こういったことから、今後も方針が変わっていくことが予想できますが、義務教育時の緊急事態の対応であるならなおさら、「全て親の責任(判断)」とされるのは、釈然としないところがあります。

 

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