皆さんは、高速道路を使われますか?
本当なら「夏休みで家族旅行!」と言いたい所ですが、そういうわけにもいかない状態が続いています。
せっかくのGO TOキャンペーンも散々ですよね・・・
とはいえ、2020年7月にも「高速道路の不正通行」で逮捕者が出ました。
今回は、「あなたも知らずにやってしまうかも・・・不正通行?」についてご紹介します。
普通に走行していれば、不正通行とは関係ない?
そもそも、「不正通行」というのは不正に通行料金の支払いを免れる行為のことです。例えば、通行料金を支払わなかったり、騙して料金を安くするような行為を言います。
それでは、なぜこんなことが起こるのでしょうか?
強行突破?
ないとは思いますが、もしもあなたが通行料金を払わないとするなら、どんな行為を思い浮かべますか?
私なら、シンプルに「通行料金を払わずに料金所を突っ切る」ことぐらいしか、思い浮かびませんでした。つまり、強行突破です・・・
もしも、本当にやってしまえばどうなるか分かっているため当然しないですが・・・
ただ、信じられないですがこの強行突破も実際に起こっているようです。
- ETC車線で、路側表示器が「STOP停車」を表示し、開閉バーが閉じているにも関わらず、故意に開閉バーを押し破って通行する。
- 一般車線で通行料金を払わずに、通行する。
ただ、不正通行はこの「料金所の強行突破」だけではありません。
ワンポイントアドバイス! ~もしも開閉バー開かない状態で通過してしまったら~
「ETCカードの差し忘れ」や「高速道路に慣れていない」など、故意に強行突破するとは限りません。人間ですから、こういったミスもあるかもしれません。
ただし、開閉バーが開いていないにも関わらず料金所を通過してしまった場合、料金を払っていない可能性があります。
そのため、料金所または管轄の道路会社に必ず連絡し通行料金の支払いを確認する必要があります。
もしも、通行料金未払いのまま放置すると、「不正通行」として取り扱われる可能性があります。
それでは、「通行料金を安くする」について見ていきましょう。
通行料金を安くする?
この方法は、知らずにあなたもやってしまうかもしれません。
そもそも、ETCの料金所でどうやって普通自動車や軽自動車などを判別しているかご存じでしょうか?
実は、「新規でETC車載器を取付けようと!」した場合、セットアップと呼ばれる作業をする必要があります。
ワンポイントアドバイス! ~セットアップってなに?~
車両番号を暗号化して、車載器本体に書き込む作業のことをいいます。
このセットアップにより、ETCシステムを利用する車を特定し、その車に合せた正しい通行料金が算出される
ことになります。
つまり、「ETC車載器を個人で取付けて終わり!」ではありません。
しかも、セットアップが行えるのは技術や信頼性の審査をパスした登録店だけです。つまり、個人ではもちろん未登録の店舗もセットアップ(有料)をすることができません。
ということは、そのシステムを悪用する人がでてくることになります。それでは、どういった犯罪行為が行われているのでしょうか?
バレてますよ!その行為・・・
単純に考えれば、軽車両など通行料金が安い自動車でセットアップすれば、通行料金は安くなりますよね。
つまり、通行料金の高い車に通行料金が低い車載器を載せ替え(普通自動車に軽自動車でセットアップをした車載器を搭載)すれば、本来の通行料金よりも安い料金で高速道路等を走ることができることになります。
とはいえ、例えば一般の人がやっているのなら、「それだけ高い車に乗っているのなら正規の通行料ぐらい払えよ・・・」
と、突っ込みたくなります。また、冷静に考えると、かなりセコイ行為ですよね・・・
さて、この方法で「バレない!」と考えているのは当事者だけで、ハイリスクでしかありません。というのも、例えばNEXCO西日本では、こんな不正通行対策が行われています。
-
不正通行者を明らかにするためのカメラを設置。
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料金所出口一般レーンへの不正通行対策開閉バーを設置。
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積極的な警察への通報、捜査への協力体制を強化。
その結果、令和2年度だけですでに3件の事例が発生しています。
令和2年
7月不正通行者の認定 名神高速道路(西宮料金所)において、障がい者割引制度を悪用し、本来支払うべき通行料金の一部を免れていた者を不正通行者と認定しました。 不法に免れた料金の3倍に相当する額を請求 令和2年
7月不正通行者の認定 高松自動車道(三豊鳥坂料金所)において、通行料金を支払うことなくETCレーンを強行突破した者を不正通行者と認定しました。 不法に免れた料金の3倍に相当する額を請求 令和2年
4月不正通行者の逮捕 奈良県警察は4月22日、第二阪奈道路(壱分料金所)において、通行料金を支払うことなく強行突破をした不正通行者を、道路整備特別措置法違反の容疑で逮捕しました。 不法に免れた料金の3倍に相当する額を請求
このように、障害者割引の悪用・ETCレーンの強行突破などがありましたが、逮捕者
まで出ています。そして、3倍相当の通行料金が請求されています。
当然、料金所での通行期間の虚偽申請(虚偽の申し出)も不正通行です。
自分が知らずにやっている可能性は?
例えば、親や友達などから車載器をもらったり、リサイクルショップで購入して自分で取付けたりした場合。また、新しく車を購入して古い車載器をそのまま使う場合も同様です。
さらに、引っ越しで管轄の陸運局から発行されているナンバープレートが変更になった場合や、車載器のついた車両を譲り受けた場合も、再セットアップが必要です。
→ただし、車検証の所有者や使用者情報のみに変更があった場合は、再セットアップは不要です。
と言うわけで、もしもコロナ禍で仕事場が変わったり、仕事を辞めて実家に帰ったりなどして住所が変わり、ナンバープレートを変更していれば車載器もセットアップしておく必要があります。
あなたは、当てはまっていませんか?
ちなみに、通行料金は高速道路だけでなく、例えば橋を通行するときにも発生します。ETCを使って車を運転するなら、セットアップはしておいて下さいね。
最後に
最後になりましたが、この「不正通行」は道路整備特別措置法と呼ばれる法律により罰せられます。
第二十六条 会社等は、料金を不法に免れた者から、その免れた額のほか、その免れた額の二倍に相当する額を割増金として徴収することができる。
第五十八条 第四十四条第三項において準用する道路法第六十七条の規定に違反して土地の立入り又は一時使用を拒み、又は妨げた者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
ちなみに、組織的な不払いであったとしても運転者自身が処罰の対象
になります。
ただし、NEXCO西日本の事例にあるように、実際は3倍相当の請求があるかもしれません。繰り返しになりますが、ETC車載器のセットアップは確実に実施して下さいね。
参考
茨城県道路公社:有料道路の不正通行は、法律により罰せられます。
→http://www.i-road.or.jp/data/tuukouhouhou.pdf
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