「ボーナスとは?仕組みや決め方を解説|月給との違い・税金や社会保険への影響も紹介」

 

皆さんの会社には、ボーナスがあるでしょうか?

年収が同じなら、ボーナスがある会社とない会社どちらがいいですか?

結論から言えば、年収が同じなら税金や社会保険料に大きな差はありません。

しかし、病気やケガで休職したときの給付金や、失業給付、住宅ローン審査などでは差が出る場合があります。

今回は、そんな「ボーナスの正体」について深掘りしていきます。

 

そもそも「ボーナス」ってなに?

基本的な話になりますが、ボーナスは「賞与」と呼ばれ会社の書類や法律関係では、「ボーナス」より「賞与」が使われます。

今回の記事では、わかりやすくボーナスで統一します。

法律上の位置付けとしては、「臨時に支払われる賃金」です。

項目 毎月給与 ボーナス
毎月固定 ×
必ず必要 ×
業績影響
減額しやすさ 難しい 比較的容易

このように、毎月の給与とは違い決まったものではありません。

そもそも、必ず必要ではなく毎月の給与と比較すれば簡単に減額できてしまう性質もあります。

これは、ボーナスの支払いは法律上の義務ではないためです。

ただし、企業がボーナスを自由に扱っていいわけではありません。

 

ボーナスカットは合法ではないの?

ここまでの話で、そもそもボーナスは法律で義務ではないことを説明しました。

また、業績に影響しやすいため減額も比較的に容易です。

ただし、「ボーナスカットは容易=企業が好きにできる」ではありません。

 

結論から先に言えば・・・

「企業は、ボーナスを月給ほど自由にはできませんが、月給よりは減額・不支給にしやすい」です。

どういうことかといえば、ボーナスの位置付けを企業がどのように扱っているか3パターンを紹介します。

 

ケース① 最も企業が強いパターン

就業規則や労働契約に、「賞与は会社の業績等を勘案して支給する」と書かれている場合。

この場合・・・

  • 業績悪化
  • 赤字
  • 経営危機

を理由に・・・

  • 減額
  • 不支給

になることがあります。

とはいえ、この場合でも企業側が好き勝手にできるわけではありません。

  • 黒字で業績好調なのに特定社員だけ嫌がらせでゼロ
  • 合理的理由なく一部社員だけ極端に減額
  • 既に支給額を決定・通知した後に撤回

などは問題になる可能性があります。


ケース②  慣例的に毎年出ている

例えば・・・

→20年間ずっと年4か月を支給していたのに、突然ゼロになると、労使トラブルになる可能性があります。

特に理由の説明がない場合は、問題になりやすいです。


ケース③  契約で明確に約束されている

例えば、「年2回、基本給2か月分を支給する」など契約で明記されている場合。

この場合は、会社が勝手にゼロにするのは難しくなります。

つまり、「ボーナスは毎月の給与ほど強く保護されていないが、会社が完全に好き勝手にできるわけでもない。」ということになります。

それでは、ボーナスはどうやって決まるのでしょうか?

 

ボーナスの決め方

会社によって違いますが、大きく分けて3つあります。

基本給連動型

「基本給○か月分」

  • 基本給25万円
  • 夏2か月
  • 冬2か月

→ 年100万円


評価連動型

  • A評価:多い
  • B評価:普通
  • C評価:少ない

同じ部署でも差が出ます。

私の会社でも、この方式が採用されています。

私自身も評価によってボーナス額が変わるため、賞与の時期になると評価結果が気になる一人です。


業績連動型

会社の利益によって変動します。

  • 業績好調:6か月分
  • 普通:3か月分
  • 赤字:0~1か月分

このように、会社によって「業績によって変動」・「普段の評価」・「最初から決まっている」など評価方法は様々です。

それでは、例えば年収が400万円あったとしてボーナス有り無しで、どちらが有利になるか考えたことはありますか?

 

ボーナスの有無でなにが変わるの?

普通に考えれば、ボーナスがもらえると嬉しいですよね。

多くの会社では・・・

  • 夏(6~7月)
  • 冬(12月)

の年2回になる場合が多いのではないでしょうか?

それでは、例えば年収400万円のAさんがボーナスの有無で税金関係でどちらが有利だと思いますか?

 

年収400万円で・・・

  • A:月給33.3万円・ボーナスなし
  • B:月給25万円・ボーナス100万円

を比較した場合の税金・社会保険の違いを一覧表にするとこんなイメージです。

項目 月給高い・ボーナス少ない 月給低い・ボーナス多い
所得税 ほぼ同じ ほぼ同じ ★ ほぼなし
住民税 ほぼ同じ ほぼ同じ ★ ほぼなし
健康保険料 ほぼ同じ ほぼ同じ △ 少し差が出ることあり
厚生年金保険料 ほぼ同じ ほぼ同じ △ 少し差が出ることあり
雇用保険料 ほぼ同じ ほぼ同じ ★ ほぼなし
将来の厚生年金 ほぼ同じ ほぼ同じ ★ ほぼなし

この表から分かるように、税金や社会保険料にはほとんど影響がないことがわかります。

つまり、年収が同じであれば税金や社会保険料による手取りの差は大きくないと言えるでしょう。


ただし、社会保険料は「標準報酬月額」や「標準賞与額」という仕組みで計算するため・・・

  • 月給が高い人
  • ボーナスが高い人

→年間数千円~数万円程度の差が出ることはあります。

昔なら、ボーナスには社会保険料がほとんどかからない時代(ボーナスがほぼ手取り)があったそうですが、2003年に「総報酬制」が導入されました。

これにより、月給でもボーナスでも同じように社会保険料がかかるようになりました。

標準報酬月額についてはこちらの記事で紹介しています。

▶️ 社会保険料が上がるメリットとは?標準報酬月額と将来の給付をわかりやすく解説

 

ただし、それ以外の部分でボーナスの有無で差が出てきます。

項目 月給高い・ボーナス少ない 月給低い・ボーナス多い
傷病手当金 やや有利 やや不利 ○ 差が出ることあり
出産手当金 やや有利 やや不利 ○ 差が出ることあり
失業給付(基本手当) 有利なことが多い 不利なことが多い ◎ 差が出ることあり
住宅ローン審査 やや有利 やや不利 ○ 差が出ることあり

このように、社会保障給付や信用審査では、月給が高くボーナスが少ない給与体系の方が有利になる場合があります。

 

まとめると、「社会保障・公的給付・信用審査」で差が出るということになります。

項目 結論
税金・社会保険料 ほぼ差なし
社会保障給付(傷病手当金・出産手当金・失業給付) 差が出ることあり
住宅ローンなどの信用審査 差が出ることあり

つまり、自分になにかあったときの保障に差がでます。

  1. 病気になった
  2. 怪我をした
  3. 出産した
  4. 失業した
  5. 住宅ローンを組んだなど

といったことがあると・・・

「普段はほぼ同じだけど、自分に何かあったときの保障面では月給が高い方が有利になりやすい」

ということになります。

さらにいうなら、注意点としてボーナスは月収ほど保障されていない点です。

 

ボーナスが多いということは?

ボーナスが仮に年間120万円の企業があったとして、それが先ほど説明したような理由で減額になり半分の60万円になることもあります。

当然、それ以下や不支給になることもあります。

このように、ボーナスは削られやすい影響が出てきます。

項目 月給 ボーナス
安定性 高い 低い
会社が減額しやすい 低い 高い
毎月の生活費への使いやすさ 高い 低い
一度に大金が入る 低い 高い

ただ、日本の大企業ではボーナス制度がしっかりしていて・・・

  • 年5〜6か月分
  • 業績が悪くてもゼロにはなりにくい

という会社もあります。

そのため、「ボーナスが多い=不安定」ではありません。

より正確に言えば・・・

ボーナスが多いということは「年収が不安定」というより、「年収のうち会社が調整しやすい部分が大きい」ということになります。

このように、ボーナスは企業にとって人件費を調整しやすい仕組みであり、一方で私たちにとっては生活や家計に大きく影響する収入でもあります。

そのため、ボーナスの仕組みや特徴を理解しておくことは重要です。

さらに言えば、ボーナスはもともと支払われる給料を必ずしもそのまま出しているとは限りません。

 

ボーナスは、本来支払われる給料ではないの?

これまで説明してきたように、ボーナスは減額することができます。

逆に言えば、増額することもできます。

 

① 年収配分型

例えば会社が、「この社員には年収600万円を払う」と考えていたとします。

  • 月給35万円
  • ボーナス180万円

に分けているケースです。

この場合は、ボーナスも含めて年収600万円という考え方になります。

日本企業ではこちらの要素が比較的強い会社も多いです。

つまり、年収を毎月同額ではなくボーナスとして支給される形です。


② 利益還元型

例えば、

  • 基本給
  • 通常賞与

は決まっているけれど、

業績が良かったので

  • 決算賞与
  • 特別賞与

を追加で支給するケースです。

こちらは、本来予定していた給与に上乗せという意味合いが強いです。

つまり、本来決まっていた年収よりも収入が多くなります。


実際の企業は、完全な年収配分型でも、完全な利益還元型でもなく、その中間が多いです。

例えば、

  • 基本給30万円
  • ボーナス4か月分

これは、ほぼ固定だけど・・・

  • 業績が良い年は+1か月
  • 悪い年は-1か月

というような形になります。

このように、ボーナスは単純に「本来の給料を振り分けたもの」とも、「会社からの特別なご褒美」とも言い切れません。

年収の一部として支払われる側面と、業績や成果を還元する側面の両方を持っているのが実態です。

 

まとめ

確かに、ボーナスは「会社からのご褒美」のように考えられがちですが、実際には企業の給与制度の一部です。

業績や評価によって増減することがあり、年収の一部として支払われる側面と、成果を還元する側面の両方を持っています。

また、年収が同じであれば税金や社会保険料に大きな差はありませんが、社会保障給付や信用審査では月給が高い方が有利になる場合があります。

ボーナスは単なる臨時収入ではなく、企業の考え方や給与制度が反映された仕組みです。

その特徴を理解することで、自分の給与体系や会社の制度をより深く理解できるでしょう。

今回の記事が、給与明細や賞与の見方を考えるきっかけになれば幸いです。

 

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