子育てをしていると、「同年代の他の子ができるのにうちの子はできていない!」
なんて、親としては心配になることがありますよね?
私たち親としては、できるようになって欲しいという一心で何度も挑戦させようと思います。
ですが、なぜできないか考えたことはありますか?
ひょっとしたら、「感覚過敏」が影響しているかもしれません。
感覚過敏ってなに?
読んで字のごとくなんですが、感覚が他の人達よりも過敏な状態で産まれてきたというです。
実は、発達障害に分類されています。
発達障害は、医学的には脳機能障害の一種とされています。
例えば、夜間寝ているときに暴走族がバイクで走り回ればほとんどの人が騒音だと思います。
ですが、学校の「教室の声」が気になりすぎてグッタリするということはあまりないでしょう。
私は視線が怖いので、それでグッタリすることはあっても声の音量そのものにはそれほど疲れることはありません。
感じ方は人それぞれといってしまえばそれまでですが、感覚過敏は社会生活をする上で他の人にはない不都合な状態になってしまう症状があらわれます。
感覚過敏は一種の個性!?
個性といったのは、例えばおなじ感覚過敏であっても感じ方は人それぞれで自分の感覚過敏を説明するとしてもイメージが違います。感覚にまつわる何らかの不快感がとても強いことから、その人の産まれる前からのこだわりと言えるかもしれません。
味覚過敏
- 子どもの好き嫌いをなくさせようとするが、どんな調理をしても気付いてしまい食べない。
- アルミホイルの匂いが嫌いで、アルミホイルで包まれた食べ物が食べられない。また、アルミホイルで包んだ物(お箸やスプーンなど)も使えない。
触覚過敏
- 握手されると、ナメクジが這っているような感触がして気持ち悪い。
- 鎖骨付近や首周りに何かが当たるのが不快でシートベルトをするときは、ブランケットを当てる。
- レンジ後のお皿はだれもが熱いですが、普通なら少し我慢すれば持てる物でさえ熱すぎてもてない。また、熱い物が食べられない。
- 手が乾く感覚が嫌で、1日中ローションをつける。
→とにかく触られるのが苦手!(私の息子は手をつなぐことを極端に嫌います)
→熱さに敏感!
など。
聴覚過敏
黒板を引っ掻く音が嫌いな方はたくさんいらっしゃると思います。ですが、なぜその音が嫌なのか具体的にどんなふうに嫌なのか気にならない人に理解してもらえるように説明できますか?
- 電車にイヤホンや耳栓なしで乗ると音の取捨選択ができなくなってしまう。
- 子どもの声、スーパーのレジでスキャンする音「ピッ!」、金属がこすれる音、風鈴の音など。
- 怒鳴り声、花火といった大きな音など。
→ありとあらゆる音域の高い音や大きな音が対象になりえる。
→車内など、複数の音が重なると会話の声が聞き取れない。
など症状はさまざま。
嗅覚過敏
- 苦手な匂いのする部屋に入れない。(香水、排気ガス、たばこ)→飲食店では我慢できずに逃げるように店を出る。
- オムツ交換だけでなく、ウンチを見ただけで吐き気。また、体臭のきつい人の側に寄って呼吸困難。
- 油絵の具の匂いで失神。
視覚過敏
- 太陽の光がまぶしすぎる。逃げ場所がないと毛布にくるまって避難。
- 蛍光灯や電灯のチカチカに誰よりも早く気づく。
- 脳波検査の光刺激反応検査中にたびたび過呼吸。
感覚過敏は逃げ出すレベル!
症状を見ていると、私にも当てはまることがたくさんありました。
例えば、今でもそうですが私の場合は車の排気ガスを嗅ぐと吐き気がします。子どもの頃はよく嘔吐していました。バスやタクシーは匂いが無理で今もできる限り乗りません。ただ、我慢すればなんとか乗れています。
ですが、感覚過敏の場合は不快感が強すぎて我慢が難しい状態。つまり、その場にいることで心や体に大きなダメージを受けてしまいます。また、複数の感覚過敏が合わさっているなど、まったく同じ感じ方の人はいないと言えるでしょう。ただ、共感できる部分があるということだと思います。
しかし、うまく説明できずに親にまで「ふざけている」「我慢がたりない」など心ないことを言われることが日常茶飯事のようです。
感覚過敏の対処は?
対処療法が基本になっています。
光がまぶしいならサングラスをかける。
音がうるさいならイヤホンを付ける。
こういった対策が早い段階でできるかということになります。
~この「対策」には、周りの理解も含まれます~
例えば、電車の車内で親が子どもにヘッドホンを付けさせていたらどう思いますか?また、学校にヘッドホンを付けて登校してきたら先生はどうするでしょう?周りの子ども達の反応は?
そういった周りの人への理解が必要になってきます。
対策として、「聴覚過敏保護用シンボルマーク」という物ができました。統一のマークではないですが、子どもがしているヘッドホンにこのマークがあれば伝わる可能性が広がります。
詳しくは、こちらの記事で紹介されています。
→おたくま経済新聞:http://otakei.otakuma.net/archives/2018031605.html
まとめ
自分が意識せずにできていることは誰もができて当然と考えてしまいます。それが日常生活レベルならなおさらですよね。私も香水の匂いは苦手ですが我慢できます。電車の音がうるさくても、どんな所でも寝れてしまいます(バスやタクシー以外なら)。ここまでくると逆に鈍感なんだと思います。
現代人は我慢することが多すぎて、麻痺してるだけなのかもしれませんね。
発達障害は、先天性の障害とされています。
また、病気でもありません。脳機能の障害です。
発達障害の定義は、発達障害者支援法においてこのように定義づけされています。
- 第2条 この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。
- 2 この法律において「発達障害者」とは、発達障害がある者であって発達障害及び社会的障壁により日常生活又は社会生活に制限を受けるものをいい、「発達障害児」とは、発達障害者のうち十八歳未満のものをいう。
- 3 この法律において「社会的障壁」とは、発達障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。
つまり、脳機能の障害によりでてくる症状が影響して社会生活が制限されていれば「発達障害」となります。
また、身体障害とは違い目に見えない個人の感覚に由来するため、例え当事者同士であっても感覚の共有が非常に難しいのが感覚過敏の特徴だといえるでしょう。
参考
発達障害プロジェクト
→http://www1.nhk.or.jp/asaichi/hattatsu/torisetsu/cat_touch.html
みんなの感覚過敏
→https://kidsinfost.net/2015/12/29/hyperreactivity-10/
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