赤ちゃんの痣「蒙古斑」10歳前後まで残ることも

 

子どもが産まれてもうすぐ2歳になりますが、産まれたときから「お尻から背中にかけて青あざ」が広がっていました。

ほとんどの方がご存じかと思いますがこれは「蒙古斑」です。

学校の授業でも習ったような・・・

今回は、知っているようでしらない「蒙古斑」について紹介します。

 

蒙古斑(もうこはん)ってなに?

メラノサイト(色素細胞)が表皮に向かって出て行く途中で、真皮にとどまったため消えずに出生時に青あざ(蒙古斑)として現れると考えられています。

美容について知っている方なら、疑問に思ったのではないでしょうか?

そもそも、真皮にメラノサイトは存在しないことが普通です。真皮とは、いわば肌の本丸です。その真皮を守るために表皮があります。

例えば、真皮まで美容成分を届かせることが難しいため化粧品選びに苦労することになります。

ですが、胎児の場合はそもそも皮膚も含めてからだが形成されていく段階です。そのため、メラニンが真皮に残っていてもおかしくないということになります。

→メラニンにより、髪の毛や肌の色・目の色などが決まっていきます。

蒙古斑のイメージ

蒙古斑のイメージといえば、お尻のあたりにできる青あざというイメージではないでしょうか?

確かに、部分的に出現していることもありますが息子のように背中にまで出現する場合もあります。

また、産まれる前からだけでなく生後1~2週間(1か月の場合もある)ほど経過してから見られることもあります。

このように、蒙古斑は現れ方も出現する場所も違うことがりますが、黄色人種の中ではほとんどの赤ちゃんにみられます。

5・6歳頃には自然に消失します。→10歳前後まで残るなど、個人差はあります。

*基本的には、お尻が中心ですがそこから背中に広がることもあります。

 

異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)

「蒙古斑はお尻や背中に現れる」とお伝えしましたが、まれに他の部位(四肢・顔面・腹部など)に出現することがあります。

この場合、普通とは違う場所にできた蒙古斑。つまり、「異所性蒙古斑」と呼びます。

→大半は、学童期までに自然に消えるので問題ありません。(3~4%は成人になっても残る場合があります)

 

蒙古斑の特徴は「青あざ」

小学生の頃に、例えばプールの時間水着を着るのでどうしても目立ってしまいます。

蒙古斑が残っている子どもが、「赤ちゃんの肌!」「気持ち悪い!」なんていじめる場合があります。

子どもは、すぐに見た目をいじってしまうものですよね。

Anemone123 / Pixabay

蒙古斑は、基本的には身体的な影響はありませんがこのように消失が遅いと精神的な苦痛を伴うことがあります。

また、消えるのが遅い場合、虐待を疑われる可能性もあるので注意が必要です。

*基本的にと伝えたのは、蒙古斑が病気のサインになっていることがあるためです。病気については、最後に紹介しています。

 

治療

蒙古斑は、96~97%という高確率で自然消失するのですが色が濃い物や異所性蒙古斑の場合は消失しにくいため治療の適応になります。つまり、保険適応となります。

EME / Pixabay

治療方法は?

レーザー治療による治療がおこなわれます。

費用は、治療範囲により異なります。

ただ、自治体にもよりますが子どもの場合は治療費が無料になることが多いようです。(小児科などで無料になっている場合は保険のきくレーザー治療は無料となります)

*小児科での定期検診で、全身チェック(パンツ一丁)になるので治療の必要があれば医師から説明があるでしょう。

 

蒙古斑の原因になる病気

可能性は低いですが、蒙古斑が現れる病気があるので紹介します。

 

ムコ多糖症(ムコ多糖代謝異常症)

「ムコ多糖」とは、水分(体液)をしっかりと蓄えている物質です。この水分のおかげで、細胞に栄養を運んだり老廃物を取り出したりと「循環と代謝」を繰り返すことができます。

・「ムコ」とはラテン語で「MUCUS=動物の粘膜」のことをいいます。

・多糖とは、多くの種類の糖が組み合わさって作られているという意味です。

ムコ多糖がうまく働かないと、体内の水分の保水率が落ちてしまい身体が乾燥してしまい老化の一因にもなります。

 

~ムコ多糖症は、先天的(生まれつき)の病気~

排出されるはずのムコ多糖の切れ端が体内に蓄積し、臓器や組織が次第に損なわれる進行性の病気です。

症状は、著しい骨の変化・短い首・関節が固いくなる・粗い顔つき・角膜混濁・難聴・肝肥腫・低身長などさまざま特徴が見られます。そのため、蒙古斑だけで判断されるわけではありません。

まずは、小児科での定期検診で医師からの診断(説明)をしっかり聞くことが大事になります。

 

まとめ

  • 蒙古斑は、基本的にお尻を中心に腰や背中に現れる。
  • 異所性蒙古斑やアザが濃い場合は、消えにくいため治療の適応になる。(子どもの場合は無料になることが多い)
  • 確率は低いが、蒙古斑が病気のサインになっている場合がある。

参考

はなふさ皮膚科
https://mitakahifu.com/disease_pt/bruising/etropic-mongolian-spot/

Medical Note:ムコ多糖症とは?全身に症状が現れるライソゾーム病の一種
https://medicalnote.jp/contents/170829-006-OR

 

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