子どもの花粉症が増加していることを皆さんご存じでしょうか?
実は、花粉症になる植物はスギやヒノキだけではなく1年中どのタイミングで発症してもおかしくありません。
「季節外れの花粉症」なんて聞いたことありませんか?
イネ科・キク科など種類もさまざま・・・
今回は、東京都がおこなった『「H28年度の花粉症患者実態調査報告書」から花粉症のなかでも一般的なスギ花粉症の現状』を紹介します。
そもそも花粉症ってなに?
ご存じの方も多いかと思いますが、花粉症はいわゆる過剰な免疫作用で起こるアレルギーです。
同じアレルギーでも、ダニやハウスダストによるアレルギー性鼻炎は一年中症状が出ることが多く「通年性アレルギー性鼻炎」といわれます。
それに対して、花粉症は花粉が飛ぶ季節だけ症状があらわれるため、「季節性アレルギー性鼻炎」ともいわれます。
これまでは20~30歳代で発症することが多いと考えられていましたが、花粉の飛散量の増加や、子どもの体質の変化などによる子どもが花粉症になることが増えています。
どんな調査報告だったの?
東京都で行われた「H28年度の花粉症患者実態調査報告書」は今回(H28年)の調査報告で4回目。
地域:都内3区市(あきる野市・調布市・大田区)。→4回とも同じ地域
対象者:各地域1200人ずつで合計3600人。(有効回答:2116人)
どんな治療法が一番多い?
→医療機関を受診したと回答したのは565人
- 点眼薬・飲み薬等の処方のみ・・・90%
- 皮下注射による免疫療法・・・5.7%
- レーザーなどによる手術・・・1.4%
- 舌下投与による免疫療法・・・0.9%
*治療方法は、ほとんどの人が点眼薬や飲み薬。
一方で、医療機関を受診していないと回答したのは810人。
- 我慢できるレベル・・・45.3%
- セルフケヤ(市販薬やマスクの着用など)・・・44.1%
花粉症の症状がある人は1375人。そのうち、約60%が自分で対応しているという結果でした。
*症状があってもなにも対処していない人は全体の約30%という結果に。
調査結果
- 第一回調査:昭和60(1985)年前後
- 第二回調査:平成8(1996)年度
- 第三回調査:平成18(2006)年度
第1回~第3回を比較。
都内のスギ花粉症推定有病率
第1回:10% →第2回:19.4% →第3回:28.2%
つまり、10年ごとに約1割ずつ花粉症になる人が増えていることが分かります。
最初(1985年頃)は、10人中一人だったのに対して20年程(平成8年)で3.5人中一人になりました。
このうち、0歳~14歳では・・・
第一回:5%以下 →第2回:8.7% →第三回:26.3%と一気に増加しています。
4回目(H28年度)の調査でのスギ花粉症推定有病率は?
都内のスギ花粉症推定有病率はなんと48.8%となりました。
つまり、第3回の28.2%から約1.7倍になっています。
このうち0~14歳では・・・
第4回:40.3%
前回の26.3%と比較すると約1.5倍に増加しています。
少なくとも、東京都内の3都市でのスギ花粉症推定有病率は、30年間で10人1人→5人に1人にまで増加していることが分かりました。
今回の調査では、子どもだけでなく全体的にスギ花粉症推定有病率が増加しているという結果が示されました。また、低年齢化も指摘されています。
対処方法は?
花粉症は、アレルギー反応です。基本的な対策は、そもそも花粉(抗原)に近づかないこと。つまり、花粉情報を確認して花粉が多い日は外出しないことがもっとも効果的です。
ですが、現実的ではありません・・・
①花粉を身体に取り込まない。
→外出時はマスク・衣類などにリセッシュを使用・部屋はこまめに掃除など。
②体質改善
→緑茶・緑黄色野菜
→最近では、乳酸菌が含まれるヨーグルトに注目が集まっています。
*キムチやぬか漬けなどにも乳酸菌が含まれているので日常的に食べるとアレルギーを和らげる効果が期待できるのだとか!
まとめ
- 東京都内で30年にわたって行われている調査結果から、都内で花粉症になる人が爆発的に増えている。
- 子どもに対しても例外ではなく、低年齢化もしている。
- 対処法は、花粉を近づけない・体質改善。
参考
花粉症ナビ
→https://www.kyowakirin.co.jp/kahun/kids/children.html
花粉症患者実態調査報告書(平成 28 年度)
→http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/12/18/documents/14_02.pdf
ニチレイ
→https://www.nichireifoods.co.jp/media/1601/
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