SNS上の人権侵害は、後を絶ちません。
「指殺人」と呼ばれるほど、誰もが簡単にしかも無意識に加担している可能性まであります。
今回は、『SNS被害の光明になるか?「No Heart No SNS」』についてご紹介します。
「No Heart No SNS」ってなに?
これは、SNS事業者で作る団体が、総務省や法務省と共同でSNS上の誹謗中傷問題に関する啓発活動の一環として、適正な利用を呼びかける特設サイトのスローガンです。
→2020年7月21日に開設され、被害にあった際の対処法が紹介されています。
日本語に訳すと「ハートがなけりゃSNSじゃない!」という意味に訳されています。
それでは、具体的にどんな対策が紹介されているのか見ていきましょう。
「ブロック」と「ミュート」
「ブロック」や「ミュート」機能は、サービスによって名称や操作方法が異なるため、一概には言えませんが例えば「ライン」や「インスタグラム」を例にとって見ていきましょう。
LINEのブロック機能
ラインで、「友達になった相手とのつながりを拒否する方法」として、一番に思い付くのは「ブロック」ではないでしょうか?
ブロックをしても相手に通知されることはありませんが、相手からのトークや通話を受診することができなくなります。
問題点は?
Aさんが、Bさんをブロックしたとします。
ただ、このやり方の問題は「ブロックされたBさんも、ラインにブロック機能があることを知っている点」です。
そもそも、LINEには相手が見たかどうかがわかる既読機能がありますよね。
ですが、ブロックはあくまでも受信されなくなるだけで、相手は送信することができてしまいます。
つまり、ブロックされたBさんはこれまで通り送信はできますが、実際にはAさんには届いていないため、既読がつくことはありません。
いつまでもAさんに送ったメッセージが既読にならなければ、「ブロックされた!?」とBさんは近いうちに気付くことになります。
また、Bさんは無料通話の発信もできますが、Aさんには届かないためAさんがブロックを解除しない限り、永遠に繋がることもありません。
他にも、BさんがAさんを新しいグループに招待したとしても、Aさんは「招待中」のままになるなど、かなりまずいことになります。
少なくとも、定期的に顔を合せるなど現実的な関係がある相手に対して、「ブロック機能」は使わない方がいいでしょう・・・
それではインスタグラムではどうでしょうか?
インスタグラムの「ブロック」と「ミュート」
そもそも、「ミュート」というのは特定のユーザーをフォローした状態で、投稿やストーリーを非表示にする機能です。
それでは、「ブロック」となにが違うのでしょうか?
実は、ミュート機能を使えば「ブロックのように、フォロー・フォロワーの関係が解除されずにすむ」点です。
ちなみに、ブロックした場合はブロックされた相手のプロフィールも見ることができなくなるため、すぐにバレることになります。
簡単に言えば・・・
- ブロックは相手との関係を完全に絶つ行為。
- ミュートは、相手の投稿やストーリーを一時的に表示させないだけの機能で、相手にもミュートしたことが伝わることもない。
ただし、ミュートの状態にし続けると、相手との会話が繋がらなくなる可能性が高いため注意が必要です。
ミュートをする理由は人それぞれだと思いますが、相手の投稿頻度が多かったり、自分にとって不快な投稿をしているなど、時間をおくために必要な機能だと言えるでしょう。
名称なども違うため、それぞれが使うSNSの機能を確認してみてはいかがでしょうか?
削除依頼!
そもそも、不特定多数の人からなにかしらのメッセージが届くSNSにはルール違反(誹謗中傷など)が届くことが少なくありません。
こういった場合は、「通報」や「問い合わせ」からサービス運営者に伝えることで、そもそもその投稿自体の削除依頼をすることができます。
そして、最後に「法務省インターネット人権相談受付窓口」の案内があります。
人権相談は、「子ども」と「大人」で分かれている!?
相談フォームには・・・
- 氏名
- 住所
- 年齢
- 相談内容
などを入力することで、最寄りの法務局から後日、メールや電話で回答があるようです。
ただし、最初は案内メールを受け取るためにメールアドレスを入力し申し込む必要があります。
*メンテナンス作業のため、インターネット人権相談受付窓口は2020年8月17日:15時~19時は停止しているため、その時間帯は避ける必要がある。
→急ぎの人は、「子どもの人権110番」・「みんなの人権110番」・「女性の人権ホットライン」へ!
最後に
最近では、「リツイートしただけで名誉毀損が成立してしまう!?」そんな判決がすでに下されています。
そもそも、事実かどうかは関係なく、相手の悪口を広めてはいけません。これだけで、名誉毀損に当たります。
もしも、「友人の⚪⚪が大学生の時に飲酒運転をした」という事実に基づいたツイートがあったとします。そのツイートをあなたがリツイート。
つまり、拡散すればあなたも名誉毀損に加担したことになります。
リツイート(再投稿)は、そのツイートを拡散する行為ですので、それが名誉毀損を伴う内容であれば、普通に考えれば悪質ですよね・・・
ですが、ツイート以上にリツイートは気軽にできてしまうため、過去の犯罪が拡散されたその友人は、立場によっては、仕事や家族を失い、最後は命も失うことになりかねません。
「指殺人」とはよく言ったものですね・・・
SNSの問題は、まだまだこれからも続いていくでしょう。少しでも、人権侵害が起こりにくい仕組みに国策として対応していって欲しいですね。
→「名誉毀損」については、こちらの記事で紹介しています。
法務省:インターネットを悪用した人権侵害をなくしましょう
→http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken88.html
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