先日、中耳炎についてお伝えしましたが、ちなみに「プールの水などが子どもの耳に入った・・・」という時に特に心配するのは外耳炎です。
「耳に水」といえば、毎日の赤ちゃんの入浴に奮闘されているママさん・パパさんも多いかと思います。
私の場合も、特に赤ちゃん(娘:0歳)のシャンプーは未だに神経を使います。さすがに2人目なので、一人目の時ほどは緊張しませんが、洗髪のためにシャワーをかけているときに動かれると「ドキッ!」とします。
さて、今回はそんな「耳に水が入ったときに起こるかもしれない病気!外耳炎」についてご紹介します。
*ちなみに、中耳炎もプールに入れないことがあります。
→急性期の熱や痛みがある場合。また、鼻からプールの水が入ると鼻の粘膜が悪くなるため滲出性中耳炎に悪影響が引き起こされることもあります。外耳炎や中耳炎でプールに入るには、まずは医師の診断が必要です。
そもそも外耳炎ってなに?
耳の構造の話になりますが、そもそも耳の一番外側にあるのが外耳です。
- 外耳→鼓膜よりも外側(外から見える耳と耳の穴)
- 中耳→鼓膜の奥:多くは鼻のウイルスや細菌が、中耳を通って内耳に入り炎症(内耳炎)を引き起こす。
- 内耳→中耳のさらに奥にある器官(蝸牛・前庭・三半規管に分かれている)
中耳炎については、こちらの記事で紹介しています。
さて、この外耳の炎症により引き起こされる病気が外耳炎です。
外耳炎の特徴は?
細菌や真菌(カビ)に感染することで発生することが原因となります。多くの場合、中耳炎は鼻からのウイルスにより間接的に引き起こされるのに対して、外耳炎は多くの場合、外耳の直接的な傷が原因として引き起こされます。
外耳に傷ができる原因
- 耳掃除により引っ掻き傷
- 耳垢がたまりすぎたことによる傷
- 耳を爪でかく。
つまり、耳かきをよくする人ほど外耳炎になりやすいというという特徴があります。つまり、耳かきの正しいやり方をしていないということになります。
耳かきの正しいやり方
耳垢が湿って柔らかくなった入浴後などに、耳から1㎝ぐらいまでを綿棒で優しく拭き取るようにして耳かきをします。耳に傷がつきやすい竹や金属などでできた耳かきは、注意が必要です。
ちなみに、傷ができてしまうとかゆいためさらに耳かきをしてさらに悪化するという悪循環に陥りやすいので、くれぐれもご注意下さい。
たまに、耳の奥まで耳かきする方がいらっしゃいますが「骨部外耳道」といって、皮膚が薄くとても傷付きやすい部分です。もし、耳かきの途中で浸出液が付着するようなことがあれば注意が必要です。
‘’耳かき→浸出液→浸出液が固まる→違和感・痒み→さらに耳かき‘’を繰り返すことになります。
- 頻回に耳かきをする
- 耳奥(耳穴の1㎝以上先)まで耳かきをする
といった間違ったやり方で、間違った道具を使って耳垢が固い状態でかき出すように耳かきをすると、外耳炎の危険性が高まります。
*綿棒でゴリゴリかき出そうとするのもNG!
→そもそも、耳に継続的な痒みや違和感があれば耳鼻科へ受診する必要があります。
→耳かきの頻度は、月に1回~2回です。つまり、耳かきをする頻度が多い人は、それだけ外耳炎の危険にさらされています。
→体質的に耳垢が多い場合などもありますが、どちらにしても耳かきの回数を増やせば外耳炎の危険性が高まります。まずは、受診して医師の診断を受けた方が安心です。
外耳炎の症状は?
- 耳の痒み
- 耳を押したりひっぱたりすると強く痛む
- 耳だれ
- 耳の中の腫れがひどいと、音が聞きづらい・耳鳴りがする
- 子どもの場合は、発熱
といった症状があります。
■治療は個人だけでは難しい・・・
そもそも、耳かきが習慣化していたり、すでに爪などで外耳に傷ができていることが考えられます。例えば、腕など見えるところならカサブタや傷があれば触らないようにすることができます。
ですが、自分の耳の中は普段見ることはありません。そのため、痒いからとつい耳かきで掻いてしまいます。しかし、それではいつまで経っても治らず悪化することさえあります。ということで、耳の痒みが継続するようなら、受診が必要になります。
■病院での処置
- 耳垢・耳だれをキレイに取り除く。
- 消毒後、薬を塗布。
- 治るまでは、できるだけ耳を触らない。
*耳の炎症や痛みが強い場合は、抗菌剤や鎮痛剤を服用することもあります。
このように、外耳炎の治療の基本は耳を触らないことです。
外耳炎になるもう一つの原因
耳に水が入る場合も、注意が必要です。
そもそもの話しなんですが、耳に入った水は鼓膜に穴が開いていない限りそれ以上奥にはいきません。つまり、外耳までしか水はいかないということです。
*ちなみに鼻を通して内耳に水が入るため、鼻から水が入った場合は内耳炎の注意が必要です。
プールや入浴時に入った水が外耳の傷から菌が増殖する可能性もあります。
英語では、‘’swimmer’s ear‘’→「スイマーの耳」とも呼ばれます。スイマーでなくても、先程お伝えしたように頻回に耳かきをするなど外耳に傷ができてしまえば外耳炎になる可能性が高くなります。
最後に
外耳炎と内耳炎は、同じようですが内耳炎は鼻から・外耳炎は耳からなど、その特徴に大きな違いがあります。つまり、対処法も変わってきます。
基本は、医師の診断の上で指示に従う必要があります。耳かきはほどほどにして下さいね・・・
*ちなみに、傷1つない清潔な耳(外耳)の中に清潔な水が入っても違和感があるだけで、放っておいても自然に蒸発して問題がありません。(水は、鼓膜より先にも入りません)
お風呂の水は昔ならともかく最近は清潔なので、耳鼻科によっては入浴を許可してくれる病院もあるほどです。ただし、例えば腕に傷口がある場合は濡れないように保護してお湯には付けないようにして湯船に浸かりませんか?
それは、傷口から細菌などがはいり化膿しないように対処をした方が安全だからです。ちなみに、腕などの傷は入浴後にシャワーで傷口をキレイに洗い流して入浴後に消毒します。
ですが、耳の場合はキレイな水で洗い流すことが難しく消毒も個人では難しいですよね。そのため、傷口があるなら許可がおりても入浴には注意が必要です。どちらにしても、医師の指示に従う必要があります。
参考
なかえ耳鼻咽頭科
→http://www.nakae-jibika.com/ear-symptom
スターキージャパン
→https://www.starkeyjp.com/blog/2017/08/what-is-swimmers-ear
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