働いていると、さまざまなことが起こりますよね。
身体的・精神的に辛くなってしまうこともあります。
また、急な体調不良や家族の事情など、どうしても仕事に行けない緊急事態が起こることもあります。
そういったとき、会社に連絡できず、無断欠勤をしてしまったらどうなるのでしょうか?
今回は、正社員と派遣社員を比較しながら「無断欠勤をもしもしてしまったら?」についてご紹介します。
そもそも「無断欠勤」って違法?
私たちは正社員でも派遣社員でも、基本的に雇用契約を結んで働いています。
そのため、決められた勤務日に正当な理由なく無断で休むと、労働契約上の義務に違反する可能性があります。
結論としては、「無断欠勤そのものが法律で犯罪・違法とされているわけではありません」。
極端な話、「明日は仕事に行きたくないから、何も連絡せず休む」という行為をしたからといって、直ちに犯罪になるわけではありません。
ただし、会社と労働契約を結んでいる以上、「決められた日に働く」という義務があります。
労働契約について詳しくは厚生労働省の資料をご確認ください。
そのため、正当な理由がないのに出勤せず、会社への連絡もしない場合は、「雇用契約上の義務に違反した」と評価される可能性があります。
それでは、無断欠勤に関連して別の犯罪行為をした場合はどうなるのでしょうか?
「無断欠勤に別の行為が組み合わさる」と話は別
例えば、無断欠勤するために、
- 診断書などを偽造する
- 虚偽の事故をでっち上げる
- 他人になりすまして連絡する
- 会社からお金をだまし取る
など、別の違法行為をすれば、その行為について犯罪が成立する可能性があります。
つまり、
無断欠勤そのもの → 通常は犯罪ではない
無断欠勤+別の犯罪行為 → 犯罪になる可能性がある
ということになります。
ちなみに「無断欠勤したら損害賠償を請求される」ことと「犯罪になる」ことも別問題です。
損害賠償は基本的に民事上の問題で、犯罪とは違います。
無断欠勤について契約書に書かれていない?
例えば、私の場合は雇用契約を結ぶ際に時給や有給、退職金などの契約書を交わしました。
その中には、休む場合の規定などさまざまなことが書かれていました。
ただ、「無断欠勤をしてはいけない」とか「無断欠勤をしたらどうなるか」といった文言はなかったと記憶しています。
当たり前すぎて、書く必要はないようにも思いますが契約ですからそういうわけにも本来はいかないですよね。
実は、会社のルールは雇用契約書だけですべて決まっているわけではありません。
例えば、
- 就業規則
- 勤務規程
- 派遣会社の規則
- 派遣先での勤務上のルール
などに、欠勤時の連絡方法が定められている場合があります。
実際、私の場合も会社のルールとして社内規定が定められていますし、長期連休の前には事故や不幸など「必ず何かあれば連絡するように」とミーティングでも言われます。
つまり、雇用契約書だけでなく社内規定もしっかり確認する必要があります。
派遣社員の場合は、次の順番で確認すると分かりやすいです。
- 雇用契約書・労働条件通知書
-
- 契約期間
- 勤務日・勤務時間
- 休日
- 賃金
- 勤務場所
- その他の労働条件
-
- 派遣会社の就業規則・社内規定
-
- 欠勤・遅刻の連絡方法
- 無断欠勤に対する扱い
- 懲戒処分
- 退職・解雇に関する規定
- 有給休暇の申請方法など
-
- 派遣先の勤務ルール
- 出勤・退勤方法
- 欠勤時の連絡先
- 遅刻した場合の連絡方法
- 工場などの場合の入場ルール
特に注意したいのが、派遣先の社内規定と派遣会社の就業規則は別物という点です。
派遣先と派遣会社のどちらに相談すればいいのかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶️派遣で困ったら相談先はどこ?派遣元・派遣先の使い分けを解説
さて、ここまでで・・・
- 無断欠勤そのものは犯罪ではないですが、無断欠勤に関連して別の犯罪行為をすれば、犯罪になる可能性がある。
- 無断欠勤は雇用契約上の義務違反になる可能性がある
この2つを改めて再認識できたのではないでしょうか?
それでは、無断欠勤は労働者にとって実際にどういった影響があるのでしょうか?
無断欠勤をやってしまったら?
どんな働き方であれ、無断欠勤をしてしまうと問題になることは同じですが、雇用形態によってその後の扱いや影響が変わります。
大きな違いは「誰に雇われているか」
正社員の場合は・・・
会社と雇用契約を結ぶ
↓
その会社で働く
↓
無断欠勤すると会社との雇用関係に影響
というシンプルな関係です。
派遣社員は・・・
派遣会社と雇用契約を結ぶ
↓
派遣会社から派遣される
↓
派遣先で働く
↓
無断欠勤すると派遣会社・派遣先の双方に影響
となります。
そのため、派遣社員の場合は「無断欠勤したことで派遣先から今後の就業を断られる」というリスクがあります。
つまり、基本は同じですが派遣には、「派遣先で働けなくなる」という独特のリスクがあります。
| 派遣社員 | 正社員 | |
|---|---|---|
| 雇用主 | 派遣会社 | 勤務先の会社 |
| 無断欠勤 | 契約・就業規則違反などになる可能性 | 契約・就業規則違反などになる可能性 |
| 給料 | 欠勤した日の賃金は原則なし | 同じ |
| 会社からの注意 | 派遣会社から受ける | 勤務先から受ける |
| 職場への影響 | 派遣先から交代を求められる可能性 | 所属部署・会社に影響 |
| 契約更新 | 派遣先での就業継続や、派遣会社との雇用契約の更新に影響する可能性 | 通常は「契約更新」という問題はない |
| 繰り返した場合 | 派遣先での就業終了や契約更新なしなどにつながる可能性 | 懲戒処分や解雇が問題になる可能性 |
| 損害賠償 | 条件によって可能性あり | 条件によって可能性あり |
無断欠勤による具体的な影響は?
かなり簡単に言うと・・・
正社員
→ 注意・始末書など
→ 繰り返すと懲戒
→ 場合によっては解雇
派遣社員
→ 派遣先から派遣会社へ連絡
→ 派遣会社から本人へ確認
→ 派遣先から「交代してほしい」と言われる可能性
→ 契約更新されない可能性
→ 場合によっては派遣会社との雇用関係にも影響
という違いがあります。
つまり、「派遣社員は無断欠勤したら即クビ」というのは正確ではありません。
むしろ派遣の場合は、「派遣先との関係が一気に悪化して、その職場で働けなくなる」ことが現実的な一番大きなリスクと言えるでしょう。
派遣社員が無断欠勤した場合に考えられる主なリスク
- その日の給料が出ない
-
- 働いていないので、その日の賃金は原則として発生しません。
- また、無断欠勤した後に、本人の判断だけで有給休暇に変更できるとは限りません。会社や派遣会社のルールを確認しましょう。
-
- 派遣会社から連絡・注意を受ける
-
- 派遣先から「今日来ていない」と派遣会社に連絡が入ります。
- 派遣会社から本人に電話やメールで確認が入るでしょう。
- 理由によっては始末書などを求められることもあります。
-
- 派遣先から「もう来させないで」と言われる可能性
-
- これが派遣社員にとってかなり現実的なリスクです。
- 派遣先は「この人に今後も任せて大丈夫なのか」と判断します。
- 1回だけなら事情によっては問題にならないこともありますが、繰り返すとかなり厳しくなります。
-
- 契約更新に影響する
-
- 例えば3か月契約なら、次回の更新をしないという判断につながる可能性があります。
- 「無断欠勤したから即解雇」という話とは別ですが、契約満了後に更新されないという形は十分あり得ます。
-
- 派遣会社から別の仕事を紹介されにくくなる
-
- 派遣会社からすると、派遣先に紹介した人が無断欠勤すると信用問題になります。
- そのため、今後の派遣先紹介に影響する可能性があります。
-
- 懲戒処分の可能性
-
- 就業規則などに基づいて、戒告・減給などの懲戒処分が問題になる場合があります。
- ただし、1回無断欠勤しただけで当然に重い処分ができるわけではありません。
-
- 解雇の可能性
-
- 無断欠勤を繰り返す、長期間連絡が取れない、正当な理由がない、といった事情が重なると、雇用関係そのものに影響する可能性があります。
- ただし、解雇には法律上の制限があります。
-
- 損害賠償を請求される可能性
- 法律上、労働者の無断欠勤によって会社に具体的な損害が発生し、労働者に故意・過失などが認められれば、損害賠償が問題になる可能性はあります。
- ただ、「1日無断欠勤した=会社から高額な損害賠償を請求される」というものではありません。
- 実際には、まず注意や契約更新への影響などのほうが現実的です。
このように、無断欠勤を1回することと、繰り返すことは全く意味合いが異なります。
無断欠勤を繰り返せば、「今後も同じことが起こるのではないか」と派遣先や派遣会社から勤務態度を問題視される可能性があります。
派遣社員の有給休暇について詳しくはこちら
まとめ
無断欠勤は、派遣社員でも正社員でも基本的に認められるものではありません。
どちらも雇用契約に基づいて働く義務があるため、正当な理由なく無断で欠勤すれば、注意や懲戒処分などの対象になる可能性があります。
ただし、派遣社員の場合は、雇用主である派遣会社と実際に働く派遣先が異なります。
そのため、無断欠勤によって派遣先から交代を求められたり、契約更新に影響したりするなど、正社員とは異なるリスクがあります。
大事なことなのでまとめると「休むこと」と「無断で休むこと」は別です。
正当な理由があって休むこと自体は、必ずしも問題ではありません。
例えば、
- 体調不良
- 家族の急病
- 事故
- その他やむを得ない事情
などです。
問題になりやすいのは、「休むこと」+「会社への連絡をしないこと」です。
もし、仕事を休まなければならない状況になった場合は、できるだけ早く会社や派遣会社に連絡するようにしましょう。



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