派遣で働いていると、「休みたいけどどうすればいいの?」と悩むことがあります。
では、あなたは自分の有給休暇が何日残っているか把握していますか?
前回、派遣社員の有給休暇について実際の事例も含めて紹介しました。
今回は、さらに具体的な有給休暇の取得条件や付与日数など細かいところについて紹介します。
有給休暇の取得条件と実体験についてはこちらの記事で紹介しています。
そもそも有給休暇はどうしたらもらえるの?
前回の記事でもお伝えしましたが、大前提として派遣社員にも有給休暇はあります。
ただ、正社員や派遣社員などに限らず有給休暇が付与されるためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
① 雇い入れの日から6か月継続して勤務していること
派遣社員でも、同じ派遣元(派遣会社)との雇用が継続していれば、有給休暇が付与されます。
派遣先が変わっても、派遣元との雇用契約が継続している場合は、原則として勤続期間は引き継がれます。
※派遣会社との雇用契約が継続していることが前提。
(雇用契約がいったん終了し、継続性がない場合は、新たに数え直しになるケースもある)
例外として、私の一例を紹介します。
私の場合は、派遣社員から正社員になったため、正社員として入社した日だけを見ると、本来なら6か月後に法律上の年次有給休暇が付与されるタイミングでした。
ですが、正社員になった直後でしたがいきなり3日間の有給を取得していました。
実際、会社からも「6か月後までは我慢してね。その3日しかないから。」と言われていました。
当時は、当たり前だと思っていましたが調べてみると法律上(労働基準法)はこんな制度がないことがわかりました。
つまり、私の場合は、会社独自の制度として入社時に3日付与され、6か月経過後に法律上の年次有給休暇が付与される仕組みでした。
最初の3日は、「6か月間の空白期間」を補うための福利厚生のような制度だったといえます。
▶️私が派遣社員から正社員になった経緯や、働き方・給料の変化については「派遣から正社員へ」で詳しく紹介しています。
② 全労働日の8割以上出勤していること
有給休暇を取得するためには、出勤率が80%以上必要です。
例えば、
- 出勤予定日100日
-
実際に出勤した日(法律上出勤したものとみなされる日を含む)80日以上
であれば条件を満たします。
付け加えるなら、有給休暇の付与に必要な出勤率(8割)は、単純に「会社へ出勤した日数」だけで判断されるわけではありません。
- 労災による休業
- 産前産後休業
- 育児休業
- 介護休業
- 有給休暇を取得した日
こういった場合は、法律上、出勤したものとして扱われます。
ただし、誤解されやすい部分として、労働基準法では、私傷病(仕事とは関係のない病気やケガ)による欠勤は、原則として出勤したものとはみなしません。
とはいえ、こちらも会社独自の制度で出勤扱いとされる場合があります。
会社の就業規則や労使協定などで、
- 病気休職の一部を出勤扱いにする
- 特別休暇を出勤扱いにする
など、法律より有利な取り扱いをしている会社もあります。
法律上は、欠勤日は出勤扱いにはならないはずですが、会社の就業規則や制度で病気休暇や特別休暇が設けられており、それらを出勤率の計算で出勤扱いにしている会社では、結果として出勤したものとして扱われることがあります。
これも福利厚生の一つと言えるでしょう。
もちろん、こうした制度があるかどうかは、会社によって異なります。
それでは、具体的に有給休暇はどのように付与されるのでしょうか?
年次有給休暇の詳しい制度については、厚生労働省の資料でも確認できます。
有給休暇は何日もらえるの?
そもそもの話になりますが、有給の日数は正社員だからとか派遣だからといった雇用形態に関係なく
- 継続勤務期間(勤続年数)
- 週の所定労働日数(または年間の所定労働日数)
によって決まります。
フルタイムの場合
週5日勤務など一般的なフルタイム勤務の場合は、次のようになります。
| 継続勤務期間 | 付与日数 |
|---|---|
| 6か月 | 10日 |
| 1年6か月 | 11日 |
| 2年6か月 | 12日 |
| 3年6か月 | 14日 |
| 4年6か月 | 16日 |
| 5年6か月 | 18日 |
| 6年6か月以上 | 20日 |
このように、一般的なフルタイム勤務では、勤続年数によって有給休暇は増えていき、最終的に20日間になります。
短時間の場合
ちなみに、パートや短時間勤務の派遣社員は、勤務日数に応じて比例付与されます。
| 週の所定労働日数 | 6か月後 |
|---|---|
| 4日 | 7日 |
| 3日 | 5日 |
| 2日 | 3日 |
| 1日 | 1日 |
この表からもわかるように、仮に週1日だけの勤務だったとしても6ヶ月後には1日だけ有給休暇が取得できることがわかります。
*勤務日数が少ないほど、有給休暇の日数も少なくなる。
※週の勤務日数や年間の所定労働日数によって付与日数は変わる。
それでは、頑張って働いて権利としてもらった有給休暇をその年に使えなかったらどうなるのでしょうか?
使わなかった有給休暇はなくなるの?
まず、大前提として法律では、有給休暇の権利は付与された日から2年間有効です。
ただ、この「2年間」が勘違いされやすい点です。
私も勘違いしていたのですが、この2年間は付与されたその年が1年目となります。
つまり、翌年度までに使わなければ、付与日から2年経過した時点で消滅します。
例えば・・・
- 2026年4月1日に10日付与
- 2027年4月1日まで使わなかった日数は翌年度へ繰り越し
- 2028年3月31日までに使わなかった分は、原則として時効により消滅
という流れになります。
4月に付与されるため、年数だけ見ると「2026年〜2028年までの3年間?」と勘違いしやすいため注意が必要です。
ただ、ここにも会社の独自ルールがある場合があります。
会社によっては、法律よりも有利な制度として、失効した有給休暇を積み立てて、長期療養などに使える「積立有給休暇制度」を設けている場合もあります。
このように、福利厚生が充実している会社に入社できれば、給料以外の面でも様々な恩恵を受けることができるため、同じ仕事内容でも務める場所で処遇は大きく変わります。
それでは、有給休暇を全て来年に持ち越すことはできると思いますか?
有給休暇を全て来年に持ち越せる?
働く人によって様々な事情を持っている方々がいます。
子どもや親の介護、家族の通院で付き添いが必要など、突発で休まなくてはいけなくてはいけない事情がある人も少なくありません。
そんな事情がある場合、何事もなければできる限り有給を使わないように働くことは不思議ではないですよね?
それでは、結果的に1年間、何事もなく有給を使わなくても良かった年があったとします。
実は、2019年から、年10日以上の有給休暇が付与される労働者については、会社に毎年5日以上取得させる義務があります。
会社によっては、5日以上の取得を促すため、10日取得を目標としている場合もあります。
ちなみに、会社が取得させなかった場合、会社側に対して、労働基準法違反として罰則(30万円以下の罰金)の対象になる可能性があります。
そのため、対象となる労働者については、会社が5日取得できるよう管理する必要があります。
▶️派遣社員の仕組みや給料、社会保険などについては、「派遣で働く」の記事で詳しく紹介しています。
まとめ
誤解されやすいのは、有給休暇は労働者全体に共通する制度であり、派遣社員だけの特別なルールがあるわけではない点です。
確かに、派遣独自のルールはあります。
ですが、派遣社員に特有なのは・・・
- 有給休暇を誰に申請するか(基本は派遣元)
- 派遣先が変わった場合の扱い
- 派遣契約終了時の有給休暇の扱い
などであって、
取得条件や付与日数は、基本的に正社員などと同じ法律のルールです。
そのため、「派遣社員の有給は?」と考えると誤解が生じやすくなります。
また、勘違いしやすい原因としては、会社のルールによって変わることがありそれが派遣社員のルールとして混ざってしまうことも一因だと言えるでしょう。






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