これまで、自分が経験した派遣について書いてきました。
2026年現在、日本には約190万人の派遣労働者がいます。
これは中核市ひとつ分の人口に匹敵します。
それでは、そもそもどれぐらい派遣社員が増えていると思いますか?
今回の記事では、2026年時点で派遣社員がどれくらい増えてきたのかを紹介していきます。
派遣は増加中?
これまでなら、正社員・派遣・アルバイト・パートといった就業形態について語られることが多かったのではないでしょうか?
ところが、最近では就業形態だけでなく、「外国人労働者」や「高齢者雇用」の増加など就業形態以外の働き方の見方がされるようになりました。
他にも、個人事業主なんて働き方もありますよね。
それでは、実際に派遣として働く人たちは増えているのでしょうか?
派遣は一度は減ったが・・・
そもそも派遣社員制度が始まったのは、1986年7月1日。
労働者派遣法(正式名称:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)が施行されたのがスタートです。
つまり、2026年時点でまだ派遣社員制度の歴史は約40年ほどしかありません。
その間に、派遣切りが社会問題かしたり3年ルールが導入されたりと、さまざまな変遷をたどってきました。
細かい歴史はこれぐらいにして、結論から言えば派遣社員は増加しています。
ちなみに、派遣社員が一度減った原因はコロナが原因です。
コロナ禍では、派遣社員が減ったというよりも、「働く場所がかなり限定的になり全体の就業者数が減少した」というのが正直なところでしょう。
派遣労働者の変遷(制度・人数)
| 年 | 派遣労働者数(概数) | 制度・社会の主な出来事 | 主なデータ出典 |
|---|---|---|---|
| 1986年 | ― | 労働者派遣法施行 → 制度開始 | 法施行(制度設立基点) |
| 1995年頃 | 数十万人台 | 対象業務の拡大で増加傾向(行政・研究系推計) | 厚生労働省資料等(詳細不完全) |
| 2000年 | 約100万人 | 規制緩和の影響で増加局面 | 労働力調査系資料参照 |
| 2003年 | 約200万人前後 | 製造業派遣解禁により急増 | JILPT報告(約213万人) |
| 2008年 | 約200万人超 | リーマン前のピーク | 研究資料/統計推計 |
| 2009年 | 減少(〜150万前後) | リーマンショック影響で派遣労働者減少 | 統計系推計 |
| 2015年 | 約130〜140万人台 | 改正派遣法(業務区分廃止・3年ルール導入) | 厚生労働省報告系 |
| 2019年 | 約176万人 | 増加傾向(景気回復局面) | 労働者派遣事業報告(平成29年度:約176万人) |
| 2020年 | 約193万人 | コロナ禍でも高水準 | 令和2年度報告:約193万人 |
| 2021年 | 約169万人 | コロナ影響で減少傾向 | 令和3年6月1日現在:約169万人 |
| 2022年 | 約186万人 | 再び増加傾向 | 令和4年6月1日現在:約186万人 |
| 2023年 | 約192万人 | 増加続く | 令和5年6月1日現在:約192万人 |
| 2024〜2025年 | 約190万人前後 | 最新統計・四半期データあり | 日本人材派遣協会統計(実稼働数) |
派遣社員の40年間を一覧表にするとこんな感じになります。
表からわかるように、製造業派遣が解禁され一気に人数が倍近くになっています。
ですが、リーマンショックで約50万人も減少しています。
そして、厚生労働省「労働者派遣事業報告(令和5年度)」によると、2023年6月時点で約192万人と回復しています。
その時代の法律や時代背景がダイレクトに影響していることが見て取れますね・・・
そして、私もこの派遣社員として働いていた約190万人のうちの一人だったことになります。
*派遣労働者数は、主に 厚生労働省 の「労働者派遣事業報告」で毎年公表。
派遣社員という働き方
それでは、そもそも派遣社員として働いて生活できるのはどういった属性の人たちなのでしょうか?
私の経験を事例1とするなら、実体験ベースでは派遣で家族を支えるのは困難を極めます。(年収手取り200万程)
それでは、全体的に見るとどうなのでしょうか?
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」では、非正規(派遣含む)の平均賃金は正規より低い傾向があります。
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一般事務・軽作業:年収200〜300万円台が中心
-
専門職派遣:300〜450万円程度も可能
家族を支える場合、子どもの教育費などで最低でも年収400万円前後は欲しいケースが多いのではないでしょうか?
ですが、職種によっては届きにくいのが現実です。
また、確かに、専門職派遣は年収が高くなる傾向がありますが、一般的にわざわざ派遣を選択するメリットがあまり感じられません。
→自分たちのキャリアを積み上げていくなど、どこに行っても食べていける人が多く、そもそも会社にこだわる必要がない。
結局、派遣社員で食べていける人は?
これからもさまざまな働き方が出てくるかもしれません。
ただ、派遣社員として働く気持ちを持ったなら、一つだけ指標として持っておいた方がいいことがあります。
現実的なまとめ
| 属性 | 派遣で食べていける可能性 |
|---|---|
| 独身・都市部 | ◎(成立しやすい) |
| 既婚・共働き | ○ |
| 既婚・片働き・低単価 | △ |
| 子ども複数・低単価 | 難易度高 |
派遣で食べていけるかどうかはつまり・・・
→スキル水準 × 地域 × 家計構造
で決まってきます。
- スキルが高い → 年収上がる
- 都市部 → 年収上がる(ただし生活費も上がる)
- 扶養家族多い → 必要年収上がる
必ずしも、派遣社員は独身限定の働き方ではありません。
ただ、独身の方が生活が成立しやすいことは確かです。
本当に、専業主婦(夫)という選択肢が少なくなっていますね・・・
派遣社員として働くことはリスクもありますが、正社員雇用を目指すなど別の方法もあります。
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あなたの年収はいくらですか?
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生活費はいくらですか?
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3年後も同じ条件で働けますか?
派遣で働く時は、正社員雇用の有無や次の仕事につながるかなど、自分たちの生活を成り立たせられる条件を家族で話し合おうことをお勧めします。
では、なぜ企業はこれほど派遣を活用するようになったのでしょうか?
次回は、企業側の視点から「派遣増加の構造的理由」を掘り下げていきます。





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