派遣会社のマージンは約30%?仕組みと内訳を元派遣社員がわかりやすく解説

 

皆さんは、派遣社員として働いたことはあるでしょうか?

私は、しばらく派遣社員として働いていましたが、ボーナスもなくあくまでも時間給しかありませんでした。

その一方で、皆さんの派遣会社のイメージは「派遣会社は私の紹介料や、毎月、給料から企業はお金をもらっている」と感じている人もいるのではないでしょうか?

実はこの感覚は、半分正解で半分間違っています。


この記事では、派遣会社の「マージンの仕組み」と「誤解されがちなポイント」を分かりやすく解説します。

※この記事は、派遣社員のマージン率や仕組みを知りたい方に向けて解説しています。

派遣会社のマージンは約30%?仕組みをわかりやすく解説

まず、最初に派遣会社に対する誤解を解いておきます。

結論から言うと、「派遣会社が派遣元の企業から毎月お金を受け取っている」という点は事実です。

ここは半分正解の部分ですね。

ですが、「給料から引かれている」というよりは・・・

「給料とは別に、派遣先企業が派遣会社へ手数料を支払っている」という仕組みになっています

*ただし、派遣料金の中から給与が決まるため、「結果的に差額がある」という意味では、間接的に影響しているとも言えます。

 

派遣会社の誤解!「給料から引かれている」は本当?

派遣先から派遣会社が「毎月お金をもらっている」の正体

派遣先企業(あなたが実際に働いてる会社)は、あなたに直接給与を支払うわけではありません。

実際は、「派遣料金」として派遣会社に毎月支払いを行います

例えば、派遣料金が時給2,000円、給与が1,400円の場合…

  • 派遣先企業が支払うお金: 派遣料金(時給 2,000円など)

  • あなたが受け取るお金: 給与(時給 1,400円など)

    差額:マージン(時給 600円分 = 約30%)

→この600円(マージン)の中から社会保険料や運営費などが差し引かれ、最終的な営業利益は1〜数%程度になります。

*派遣先が支払う料金(派遣料金)から、派遣社員に支払われる給料を引いた残りが「マージン」です。

一般的にマージン率は約20%〜35%程度と言われています(会社や職種によって差があります)

今回は、わかりやすくマージン率を30%で説明していきます。

それでは、このマージンの内訳を考えたことはありますか?

 

企業のマージンの内訳は?

確かに、この約30%が派遣会社への毎月の売り上げになることは事実です。

ただ、このマージンの内訳を見ると派遣会社の切実な事情も見えてきます。

項目 内容 割合の目安
社会保険料 会社側が負担する厚生年金・健康保険・雇用保険など。 約13.0%
有給休暇費用 派遣社員が有給を取った際、派遣先から料金は出ませんが給料は支払われます。 約4.5%
運営費 営業担当の給与、求人広告費、オフィス賃料、研修教育費など。 約11.5%
営業利益 会社としての純粋な儲け。 約1.0%〜2.0%

あくまでイメージしやすいように単純化した試算ですが、この表から、純粋な利益はなんと約1%〜2%ということがわかります。

*ただし、営業利益は1%〜数%程度とされることが多く、会社規模や運営状況によって大きく変動します。

今回は、分かりやすく営業利益を1%〜2%で説明していきます。

派遣会社であっても、当然のように(会社負担分の)社会保険料を支払い、運営費を賄っていかなければなりません。

当然、派遣社員にも労働者の権利として有給休暇のための費用もあります。

このように、マージンがそのまま会社の利益になるわけではありません。

結果、中身はかなり現実的な経費で占められています。

私の場合なら、毎月160時間働いていたため以下の計算で推測することができます。

*マージンの内訳(13%や1%〜2%といった数字)は、日本人材派遣協会などが公表している「業界平均」に近いものです。

→「会社によって多少の前後(プラスマイナス数%)はありますが、業界全体の平均的な内訳です。

 

私ひとりで派遣会社はいくらの利益があった?

私の例をかいつまんでいくと派遣会社の利益はそれほど多くない・・・というよりかなり少ないことがわかります。

3通りの時給を仮定してそれぞれ派遣会社の利益が1%と2%だった場合に分けて表にしてみました。

時給 月収(160h) 派遣会社の利益 (1%) 派遣会社の利益 (2%)
1,200円 192,000円 約2,740円 約5,480円
1,500円 240,000円 約3,420円 約6,840円
2,000円 320,000円 約4,570円 約9,140円

*現在は、各派遣会社に「マージン率の公開」が法律で義務付けられています。もし気になるなら、自分が登録している会社のサイトで「マージン率」をチェック!


仮に、あなたの時給が2000円あったとして、派遣会社の利益が2%であっても利益は毎月1万円にも満たないことがわかると思います。

私が働いた160時間分の対価のうち、派遣会社が手にする「マージン」のほとんどは・・・

  1. 社会保険料(約13.0%): 厚生年金や健康保険など、会社側が負担する分です

  2. 有給休暇の備え(約4.5%): あなたが有給を使った際に支払う給与の積み立てです

  3. 諸経費(約11.5%): 求人広告費や営業担当者の人件費、オフィスの維持費などです

先ほどもお伝えしたようにこれらにほとんどが消えてしまい、派遣会社の「手元に残る儲け」は月額3,000円〜9,000円程度というのが、この業界の一般的な「薄利多売」の構造となっています。

逆に言えば、どんどん派遣会社が人を雇ってどんどん派遣すれば企業としては儲かることになりますが・・・

 

派遣会社が薄利多売ということは・・・

極端な話し、あなたが派遣会社の運営を始めたとして、100人を雇い入れてそれぞれ派遣先に派遣したとします。

この場合の利益は、私と同じような条件で、月3000円〜9000円の利益だったのでその100倍ですよね。

つまり、うまくいけば30万〜90万ほどの利益を見込めます。

当然、派遣会社としては時給の高い派遣先の方が自分たちへのマージンが高くなるため、時給が少しでも高いところを選びたいでしょう。

ですが、もし・・・

  • 派遣先でトラブルが起きる
  • 派遣スタッフがすぐに辞めてしまう
  • 退職に伴い、新しい求人広告を出す

こういったことが起これば、一気に赤字になる可能性があります

つまり、「薄利」だからこそ、一人ひとりの管理をしっかり行い、長く働いてもらわないと、会社としての経営が成り立ちません。

そのため、最近は人材紹介として、 採用が決まった瞬間に、年収の約30%(例えば年収400万円なら120万円)が一括で入る方法も取られています。

企業側からすると、毎月手数料を払い続ける「派遣」よりも、一括で支払って自社社員にする「紹介」の方が長期的に安く済む場合があるため、ビジネスモデル自体が変化しています

このように、派遣会社も人材紹介をして生き残りをかけている状態になっています。

 

ここまでのまとめ

・派遣会社は企業から「派遣料金」を受け取っている
・給与との差額が「マージン」になる
・ただし、その大半は社会保険料や運営費で消える
・実際の利益はごくわずか

*もちろん、すべての派遣会社が同じとは限らず、会社や職種によってマージンや待遇に差がある点には注意が必要です。

ちなみに、この「紹介」には紹介予定派遣というものもあります。

 

紹介予定派遣って何?

紹介予定派遣とは、一言で言うと「将来的にその企業の正社員(または契約社員)になることを前提として、一定期間(最長6ヶ月)派遣社員として働く」仕組みのことです

通常の派遣とは異なり、自分と企業の双方が「ここでずっと働きたい/働いてほしい」と合意した場合に、直接雇用へと切り替わります

項目 通常の派遣 紹介予定派遣
目的 期間を決めて働く 直接雇用(正社員など)になる
事前の選考 法律で面接などは原則禁止 面接や履歴書による選考がある
派遣期間 制限はあるが更新可能 最長6ヶ月まで

逆に言えば、必ず正社員になれるわけではありません。

派遣期間終了時に、あなた側が「合わない」と断ることもできますが、同様に企業側から「採用を見送る」と判断されるケースもあります。

*「人材紹介」と「紹介予定派遣」は、どちらも「最終的にその企業の直接雇用(正社員など)になること」を目指す点では似ていますが、そのプロセスに大きな違いがあります。

→「いきなり入社する」のが人材紹介、「まず派遣として働いてから入社するか決める」のが紹介予定派遣です。

派遣会社からすると・・・

どちらのパターンでも、最終的にあなたが直接雇用されると、派遣会社には企業から「紹介料(年収の約30%など)」が入ります

  • 人材紹介: 入社が決まった時点で一括で支払われます

  • 紹介予定派遣: 派遣期間中の「毎月のマージン」に加え、直接雇用が決まった際の「紹介料」の両方が入るため、派遣会社にとっては非常に効率の良いビジネスと言えます

*紹介料は年収の20%〜35%程度が相場(例:年収400万円なら80万〜140万円程度)

 

派遣会社のイメージは否定的?

派遣会社のイメージは確かに否定的なものが多いかもしれません。

ですが、合法的に運用しているにすぎません。

例えば、いくら儲かるといっても、一人の人を二つの企業に派遣するいわゆる二重派遣は違法ですよね。

たくさんの縛りがある中で、当然、派遣会社は利益が大きい紹介をしていきたいですよね。

ですが、企業側としては

  • 正社員という固定費を増やしたくない。
  • そもそも必要な時だけ欲しい
  • 正社員になったとして、定年までいてくれるか?
  • リーダー候補になれるか?

などなど、正社員になるためのハードルは派遣社員を雇う時とは違い、はるかに高いハードルが求められます。

このように、派遣会社はマージンが大きい「紹介」をしたいと考えることが自然ですが、「正社員を雇う余裕や覚悟がない企業」と「厳しい選考を突破できる人材」のバランスをとるのが難しいため、結果として通常の派遣という形が多く残っているのが実情です。

結局、「紹介予定派遣」は「まずは派遣として働いてもらい、半年後に紹介料をもらう」という、派遣会社にとって「毎月の利益」と「一括の紹介料」の両方を狙える非常に効率の良いモデルとなっています

 

まとめ

私の場合は、派遣から入って正社員になりましたが、紹介予定派遣ではありません。

そもそも1年どころではない期間、派遣をしていましたし・・・

「結果的に正社員になれた」というだけなので、派遣としてはこちらの方が多いのかもしれませんね。

ようは、よくある引き抜きという形で正社員になりました。

皆さんも、派遣という働き方を選択するなら派遣会社の現状を知れば、「給料を搾取されている!?」という疑心暗鬼になることもなく仕事に注力できるようになるのではないでしょうか?

とはいえ、私の場合は派遣会社に恵まれたこともあるかも知れませんね。

少なくとも、紹介という形をとらなくても、私の事例から分かるように派遣から正社員になることは可能です。

まずは、仕事をこなせるように日々を過ごすことが最も大事なことだとおもいます。


正直に言えば、私自身も派遣社員として手取り年収200万円前後という、生活を経験しました。

「正社員だったら、もっと収入はあっただろう・・・」と思いながら働いていました。

何より、基本給がないのですから下手に休むこともできません。

ですが、この道を選んだのは自分ですし、家族もいます。

派遣会社の経営事情や仕組みを理解した今でも、当時の苦しさや、正社員と派遣の格差を切実に感じる毎日でした。

それでも、この記事を書いたのは、仕組みを知ることで『自分が搾取されているだけだ』という思い込みから抜け出し、次のステップへ進むきっかけになると感じたからです。

派遣はゴールではなく、あくまで一つの手段。

派遣から、正社員の道を勝ち取ることは可能です。

派遣がなければ、今の正社員もありませんでした。

これが私にとっての事実です。

まずは、現状を冷静に見つめ、自分にとって最善のキャリアを掴み取ってほしいと願っています。

派遣という働き方をどう活かすかは、自分次第です。

 

 

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