住宅手当はなぜ会社によって違う?支給対象や派遣社員の待遇を解説

 

前回の記事では、賃貸と持ち家で住宅手当がどう違うのかについてお伝えしました。

では、そもそも、なぜ会社によって住宅手当の支給対象が違うのでしょうか。

賃貸住宅に住む社員だけが対象になる会社もあれば、持ち家の社員にも支給する会社があります。

また、住宅手当そのものを設けていない会社もあります。

今回は、そんな住宅手当の支給対象が会社によって異なる理由と、派遣社員の場合について解説します。

 

なぜ、住宅手当は賃貸向けだと思われやすい?

① 家賃という分かりやすい支出があるから

賃貸住宅では、毎月家賃を支払う必要があります。

そのため、会社が住居費を補助する制度を設けるときに、家賃の一部を負担する仕組みが採用されることがあります。

 

② 「家賃補助」と「住宅手当」が混同されやすいから

一般的に「家賃補助」は家賃の負担を軽減する制度を指し、「住宅手当」は住居に関連して会社が支給する手当を指す言葉として使われます。

ただし、法律で全国一律に定められた区分ではなく、会社によって名称や支給条件は異なります。

 

③ 会社独自の支給条件があるから

住宅手当を賃貸住宅に住む社員に限定している会社もあれば、持ち家の社員にも支給する会社もあります。

実際に自分の会社で賃貸の社員だけが対象になっていれば、「住宅手当は賃貸向け」という印象を持ちやすいのも無理はありません。

では、なぜ住宅手当の支給対象に違いがあるのでしょうか。

 

住宅手当の支給対象が会社によって違うのはなぜ?

結論から言えば、住宅手当の支給対象が違うのは、会社によって住宅手当の目的や制度設計が異なるためです。

そもそも、会社が支給する手当には、法律上の支払い義務が生じるものと、会社が独自に設けるものがあります。

例えば、時間外労働の割増賃金は、法律上の条件を満たした場合に支払いが必要です。

一方、住宅手当は、すべての企業に一律の支給が義務づけられているものではありません。

そのため、住宅手当を設けるかどうか、誰を対象にするか、いくら支給するかは、会社の制度によって異なります。

 

どんな場合があるの?

例えば、次のような違いがあります。

  • 賃貸住宅を主な対象とする会社: 家賃負担の軽減を目的に、賃貸住宅に住む社員を対象とする。
  • 持ち家も対象とする会社: 持ち家に住む社員にも、一定の条件で手当を支給する。
  • 住宅手当を設けていない会社: 住宅に関する支援を別の福利厚生で行う場合もあれば、制度自体がない場合もある。

このように、住宅手当の制度は会社によって異なります。

また、会社によっては、住宅手当などの各種手当よりも基本給を重視した給与体系を採用している場合もあります。

 

派遣社員の場合はどうなる?

派遣社員の住宅手当についても、支給の有無や条件は派遣会社によって異なります。

派遣先の正社員に住宅手当が支給されていても、派遣社員に同じ手当が支給されるとは限りません。

ただし、派遣社員の待遇についても、労働者派遣法に基づく「同一労働同一賃金」のルールがあります。

この制度では、派遣先の労働者との均等・均衡待遇を図る方式と、一定の要件を満たす労使協定に基づく方式が設けられています。

そのため、派遣社員という理由だけで待遇の違いがすべて認められるわけではありません。

▶️派遣社員の同一労働同一賃金の仕組みや、不合理な待遇差の考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

 

派遣社員の場合は、派遣会社の就業規則や労働条件通知書などで、住宅手当の有無や支給条件を確認することが大切です。

例えば、同じ職場で働いていても、正社員と派遣社員では雇用主や適用される給与制度などが異なるため、待遇に違いが生じる場合があります。

→詳しくは、厚生労働省の「同一労働同一賃金」も参考にしてください。

 

例えば、私自身、派遣社員として働いていたときと正社員になってからでは、給与体系が大きく変わりました。

派遣社員のときは時給制で、住宅手当やボーナスはありませんでした。

一方、正社員になってからは基本給に加えて賞与も支給されるようになり、年収には倍ほどの差が生じました。

ただし、これは雇用形態や契約内容、給与制度の違いによるものであり、単純にどちらが良い・悪いという話ではありません。

このように、同じ職場で働いていても、雇用形態や給与体系によって収入が大きく変わる場合があります。

 

まとめ

住宅手当は、賃貸住宅の家賃を補助する目的で設けられることがあり、賃貸住宅に住む従業員だけを対象とする会社もあります。

一方、持ち家の従業員にも支給する会社や、住宅手当そのものを設けていない会社もあります。

こうした違いは、会社がどのような目的で住宅手当を設け、誰を支給対象としているかによって生じます。

また、住宅手当がない会社でも、基本給などを含めた給与体系が異なる場合があります。ただし、住宅手当がないからといって、必ずしも基本給が高いとは限りません。

住宅手当の有無だけで判断するのではなく、基本給や賞与、ほかの福利厚生も含めて、会社ごとの制度を確認することが大切です。

 

 

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元派遣社員としての経験や実際の給与・労働環境をもとに、派遣・正社員・労働制度についてわかりやすく解説しています。制度の仕組みだけでなく、実際に働く人の目線で役立つ情報発信を心がけています。