「KN95マスク」は「N95マスク」と同じ? 実は、問題が多発中・・・

「N95マスク」について、言葉ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?

以前、N95マスクについては記事でも取り上げましたが、それでは医療機関にN95マスクの代わりに配布されている「KN95マスク」についてご存じでしょうか?

今回は、「医療現場で使えない? KN95マスク」についてご紹介します。

 

N95マスクについてはこちらの記事で紹介しています。

防塵・防護マスクは性能が良すぎる!? サージカルマスクという選択肢

 

そもそも「KN95マスク」ってなに?

「N95マスク」といえば、直径0.3μmの微粒子を95%以上防いでくれる高性能なマスクです。装着すれば、誰もが息苦しさを感じることになるでしょう。

一方、「KN95マスク」は、診療場面での使用が推奨されているアメリカのN95規格に合せて、中国で開発されたマスクのことです。

さて、そんなKN95マスクは、FDA(アメリカ食品医薬品局)に認証された「高品質なマスク」として認められています。

日本でもN95マスクの品薄状態が続いているため、厚生労働省は2020年4月10日に「N95マスクの例外的取扱いについて」において、KN95マスクについてこのように示しています。

KN95 マスクなどの医療用マスクのうち、米国 FDA で緊急使用承認(EUA)が与えられているもの(※3)については、N95 マスクに相当するものとして取り扱うこと。

つまり、日本ではFDAに認められているKN95マスクに限って、N95マスク相当のマスクとして認められています。

そもそも、N95マスク規格に合せて作られているわけですから、認められるのは当然だといえるでしょう。

ところが、様々な問題が引き起こされています。

 

何が起こっているの?

NIOSHにより、2020年4月28日にKN95マスクを中心とした中国製品の性能評価に対してこのような報告が出されました。

*NIOSH(ナイオッシュ):労働災害の予防を目的とした研究・勧告を行う米国連邦政府の研究機関。

→CDC(米国疾病予防管理センター)の下部組織でもある。

 

NIOSHの報告

  • そもそも、中国の正当メーカーですらその多くが偽造されている。
  • どの製品が偽造品か本物かを確認する方法がない。
  • 評価された製造元のリストはあるが、その一部が偽造製品であることがすでに通知されている。
  • 正当な製造業者名を持ついくつかの製品は、フィルター浸透の結果が悪い(95%未満)→偽造製品

結論から言ってしまえば、KN95マスクは「散々たる結果」の性能しかない物がたくさんある状況が、示される結果となりました。

さらに、この性能が不確かなマスクは、6月2日時点でも国内に流通しており業者からの売り込みまであるようです。

一番の問題は、「善意」まで台無しにしてしまうことでしょう。

 

#SAVE YOUR LIFE

「#SAVE YOUR LIFE」は、新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、株式会社ピアラが開始したプロジェクトです。

目的は、「不足する衛生用品等を適切な価格で、できるだけ多くの消費者や医療機関などに届ける」こと。

すでに第1弾として、エタノール75%のハンドクリームジェルの販売が実施。

→本品の収益の一部は、医療機関などに寄付される。

そして、このプロジェクトで取り扱われている「不足する衛生用品」には、KN95マスクも含まれています。


どちらにしても、医療機関としては使えないマスクを「購入」や「寄付」などにより、手に入れることになります。

NIOSHでテストが実施されたKN95マスクは、「耳かけ式」がほとんどですが、そもそも耳かけ式はフィットが難しいとされています。

そもそも、医療用マスクではフィットテストが求められます。

例えば、どんなに高性能なマスクであっても、マスクと顔の間から空気が漏れてくるようなマスクでは、普段使いならともかく、医療従事者が使用するマスクとしては適さないですよね。

また、N95マスクの場合ならフィルターの表面を手で覆ってゆっくり息を吐いた時に、マスクと顔の間から空気が漏れていないか確認する必要があります。

このように、N95マスクはそもそも空気が漏れないことが大前提のマスクです。

それでは最後に、日経メディカルで取り上げられていた「KN95マスクを使用した医療機関関係者からの問題提起」について紹介します。

 

KN95マスクはなぜ使われない?

使い物にならない理由とは?

  • 両耳にかけても空気が横から漏れてくる。
  • 耳が痛く、さらに取れてくる。
  • 息苦しくなることがない。(高性能マスクとして機能していない)
  • 自分の息がフィルターを通り越していく。
  • 頬の隙間から指が一本入る。

こういった問題が医療機関から指摘されています。

つまり、「N95マスク」とは似ても似つかない粗悪品が、N95マスクがなくて困っている医療機関に届いている現状があるようです。

 

最後に

KN95マスクの全てが、粗悪品ではありません。

このことは、先程紹介したようにNIOSHの報告でも評価された製品リストがあることからも分かります。

ただ、「中国製だから・・・?」なのか、本物と偽物が混在しているため簡単には見分けがつかない状態になってしまっています。

100円均一の物ならすぐに壊れても「仕方がない」とあきらめてしまいますが、医療品は命をあきらめることになりかねません。

ましてや、品薄で困っている状態で粗悪品が届けられれば、「交換」や「新しく発注」している間に打つ手がなくなってしまいます。

そもそも、「粗悪品がくるかもしれない」と懸念しながらマスクの到着を待つわけにもいきません。

すでに国内でも「サプライチェーン改革」が進められていますが、一刻も早く国内での生産を進めていくしか方法がないのかもしれません。

新型コロナウイルスの影響で、多くの国が自国中心になっている今だからこそ、日本も気兼ねなく国内生産や研究などを進展させていくことができるのではないでしょうか。

 

「サプライチェーン改革」については、こちらの記事で紹介しています。

中国依存の打開策!? 「国内回帰」と「多元化」とは?

 

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