使い捨てマスクが底を付いてしばらく経ちますが、買い物のために外出すると当たり前のようにマスクをされている方が大勢います。
さて、そんなマスクですが防塵マスクまでなくなってしまいましたよね・・・
今回は、「普段使いには難しい防護マスク・防塵マスク」についてご紹介します。
そもそもマスクはそれぞれ役割が違う!
まずはじめに、マスク=感染予防ではあります。
これは、「間違った使い方をしたから・・・」とか、そういうことではなく、そもそもマスクはそれぞれ役割(機能)が違うためです。
例えば、「防毒マスク」と「一般的な使い捨てマスク」の機能が同じだと思う人はいないと思います。防毒マスクと言えば、その名の通り有毒ガスから呼吸を保護してくれるマスクですよね。
一見、防毒マスクは完全防備に見えますが、実は防塵機能が付いていない防毒マスクもあります。
つまり、確かに防毒マスクは有毒ガスからは呼吸を守れるかもしれませんが、粉塵には効果がない場合があります。
このように、なんのためにマスクを着用するのかによって選択するマスクは変わっていきます。
それでは、ウイルスに効果があるマスクはどういったマスクがあるのでしょうか?
ウイルスに効果のあるマスク?
ウイルスに効果のあるマスクとして、「防護マスク」や「防塵マスク」を思い浮かべる人がいたのでしょう。
そのため、「本当に仕事で必要な方が利用できない!?」なんて、冗談にもならないことが引き起こされました。
それでは、ウイルスに「防護マスク」や「防塵マスク」は効果があるのでしょうか?
答え:効果があるかないかだけで答えを先に言ってしまえば、かなり高い効果があります。
実は、PM2.5やウイルスなどの微粒子状物質をできる限り体内に吸い込まないようにするためには、「N95などの防護マスク」や「防塵マスク」が必要になります。
ちなみに、防塵マスクは厚生労働省が定める国家検定に合格したマスクのことです。
ただし、防塵マスクは12区分に分類され「N95防護マスク」と同等の効果を得られるのは「DS2」(取り替え式は「RS2」)と呼ばれる防塵マスクだけのようです。
つまり、「N95(防護マスク)」と「RS2(防塵マスク)」の性能はほぼ同じと言うことになります。
付け加えると、「N95」というのはN95規格のことで、アメリカ合衆国が定めた9種類の基準の中で最も低いものです。
- N=「耐油性がない」ことを表わす。
- 95=「試験粒子を95%以上補修できる」ことを表わす。
効果のあるマスク「N95」と「RS2」
マスクを正しく装着し、顔にフィットさせることで・・・
- PM2.5
- ウイルス
- 放射性粉塵
といった吸入リスクを低減する目的としては、どちらのマスクでも有効です。
実際、2013年1月14付「北京市等の大気汚染について」において、在中国日本大使館は、外出する場合に着用するマスクの種類に「N95」を挙げています。
それでは、「防塵マスク・防護マスク」と「家庭用マスク」の違いを確認していきましょう。
マスクの使用目的が違う!
防塵マスク・防護マスク
そもそも、防塵マスク・防護マスクは「空気中に浮遊している有害な粒子状物質の吸入をおさえる」ために設計されています。
そのため、顔に密着するように設計されていて、正しく装着すれば花粉や微粒子を体内に吸い込むリスクを大幅に減らすことができます。
→もともとは、製造・建設現場などでのマスクとして使用されていましたが、結核・SARSといった感染症防止にも効果を上げたことから、医療関係でも用いられるようなりました。
*つまり、現在はそもそも医療用マスクとしても使われている。
家庭用マスク
一方、家庭用マスクは「口からの唾や雑菌などの飛散をおさえるために使用」します。そのため、そもそも顔に密着する設計ではありません。
つまり、通常は鼻やあご部分の隙間から花粉や微粒子が入り込みます。例えば、マスクの隙間から微粒子が入り込む現象を「漏れ込み(もれこみ)」と言います。
- 鼻の隙間
- 頬の隙間
- アゴの隙間
このように、家庭用マスクではどうしても隙間ができてしまうため、微粒子を直接吸い込んでしまうことになります。
それでは、「一般の私達も防塵マスク・防護マスクが必要なのか?」と言えば、残念ながら違います!
一般には家庭用マスク!
矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、答えは防塵マスクや防護マスクはよく言えば、性能が良すぎるからです。
外務省 海外安全ホームページで、このように結論づけられています。
N95とかN100 といわれるマスクが話題になっております。医療用マスクとして高度なもので、これは 0.1~0.3 μ、コロナウィルスだとちょっとひっかかるくらいの粒子を 100%近くカットできるものがN100 です。N95は、それを95%カットできるということで、かなり信頼度が高いもので、医療関係者にとっては必要なマスクです。
しかし、目が細かいことと、かなりぴたっとつけなければいけないために息苦しさが感じられます。ちょっと外すということでは意味がありません。ですから、これをつけて日常生活を続けることはかなり無理が生じますので、一般の方が心配だからとN95のマスクをつけることは意味がないだろうと申し上げておきます。
つまり、「日常生活で使うものではなく、仕事の中で利用するマスク」だと言うことです。さらに言えば、誰もが簡単に付けられるマスクではなく、慣れが必要になります。
そもそも、一般用のマスクでも粒子を防ぐ効果があるため、飛沫感染を予防することにはある程度の効果があることが指摘されています。
このように、良いマスクを装着すればいいのではなく、実際に日常生活で装着し続けることができるマスクを使用する必要があります。
最後に
マスクと言えば、「サージカルマスク(一般のマスク)」を普段私達は利用しているのではないでしょうか?
さて、このサージカルマスクというのは、「外科用のマスク」という意味で、本来、手術の時などに医師の口から唾液や殺菌などが患者の手術部位に付着しないように開発されたマスクです。
そのため、先程紹介したようにウイルスの吸入を防ぐためのものではありません。
だ・か・ら、「ウイルスを吸入しないために!」と考えた人がいた結果、「防護マスク」や「防塵マスク」が商品棚から消えることになったのでしょう。
ただ、「それを装着して日常生活をおくれるか?」までは考えなかったのでしょう・・・
ですが、外科手術用のマスクとはいえ、5µ程度以上の粒子であればかなり防ぐことができます。つまり、飛沫感染予防に期待できます。
だからこそ「一般の市販マスク」は、「咳やくしゃみなど症状が出ている人が優先的に装着する必要がある」と言われます。
「そのマスクはどんな機能があるのか?」
「そして、普段使いとして使うことができるのか?」
マスクの選択は、目的によってかわります。くれぐれも、機能だけをみて高いマスクを選択しないようにご注意下さい。
参考
3M Science.Applied to life
→https://www.3mcompany.jp/3M/ja_JP/worker-health-safety-jp/safety-equipment/respiratory-protection-program/
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