正社員はなぜ解雇されにくい?派遣社員との違いを企業視点で解説

 

様々な働き方ができるようになりました。

それぞれの働き方には、メリットもデメリットもあります。

それでは、企業視点で正社員と派遣社員とではどちらが辞めさせやすいと思いますか?

結論から言うと、企業視点では正社員よりも派遣社員の方が、「契約終了」という形で雇用を終了しやすいと言われています。

今回は、正社員と派遣社員のリストラについてご紹介していきます。

*今回の記事は、企業の視点からリストラはどちらがやりやすいのかを伝える記事で、正社員と派遣社員の優劣を決めるものではありません。

 

なぜ正社員は解雇されにくいのか?

日本では「解雇権濫用法理」という考え方があり、企業は自由に社員を解雇できない仕組みになっています。

これが、日本の雇用制度の大前提となっています。

さて、派遣社員を経験した私からすれば、やはり「正社員は最強!」と実感しました。

私の体験は、1事例でしかありませんが・・・

私の場合は、派遣元の派遣社員から派遣先の正社員になったのですが、仕事内容も労働時間も全く変わらないのに、手取りが大きく増えました。

ここには、ボーナスの有無や手当ての充実など「ここまで違うのか!?」という現実がありました。

ただし、派遣社員は雇用主が派遣会社になるため、会社自体が異なります。

それでは、本当に正社員は最強なのでしょうか?

 

「正社員が守られている」と言われる所以とは?

アルバイト・パート・派遣などさまざまな働き方がありますが、その中で「正社員が一番守られている」と答える人が多いのではないでしょうか?

それには、以下の理由があります。

  1. 客観的に合理的な理由+社会通念上の相当性: 解雇するには、「誰が見ても納得できる合理的な理由」があり、さらに「社会的に見ても解雇が妥当」と認められる必要がある。
  2. 整理解雇の4要件: 経営危機時のリストラでも、
    ①人員削減の必要性
    ②解雇回避努力(配置転換・希望退職募集など)
    ③人選の合理性
    ④手続きの妥当性(労働組合等との協議)
    が必要とされています。
  3. 解雇予告義務(労働基準法20条) : 30日前に解雇予告をするか、30日分の解雇予告手当を支払う必要がある。
  4. 禁止期間の休業制限(労働基準法19条) : 労災・業務傷病休業中+後30日、産前産後休業中+後30日、育休・介護休中は原則不可能。
  5. 就業規則の厳格な運用: 解雇理由を明確にし、指導・警告・弁明の機会などの手順を守る必要があります。これを無視すると解雇が無効になるリスクがあります。
  6. 裁判リスク: 解雇を巡って裁判になるケースも多く、企業側が敗訴することもあります。その場合、未払い賃金の支払い命令や復職命令が出る可能性があります。

 

もう少し、分かりやすく説明すると・・・

  • 辞めさせる理由が超厳しい: 「能力不足」など、誰が見ても納得できる明確な理由+証拠が必要。適当な理由だと裁判で負けます。

  • リストラの4つの条件(整理解雇の4要件)

①人員削減が必要 

②希望退職を先に頑張る 

③人を公平に選ぶ 

④組合と話し合う

→全部クリアしないとダメ。

  • 30日前の予告必須: 突然の解雇はNG。事前通知か1ヶ月分の解雇予告手当を支払う必要があります。

  • 休業中の解雇は禁止: 労災や業務上の病気による休業中、産前産後休業中などは原則として解雇できません。

  • ルール厳守: 会社は事前に理由を明確に定める。警告 → 指導 → 弁明の機会などの手順を踏む必要があります。
    これらを無視すると解雇が無効になる可能性があります。

  • 相当リスク大: 争うと裁判で負けやすく、給料の支払い命令や復職命令。時間とお金がかかる。

一言で言うと、問題のない「普通に勤務している正社員(遅刻が少なく、業務をこなし、ルールを守っている社員)」は、解雇理由が通過せず、

企業が法的手続きをクリアするのはかなり困難になります。

つまり、当たり前のことを当たり前に行っている正社員を退職させることは、非常に難しいと言われています。


とはいえ、以下のようなことはありえます。

  • 退職勧奨面談: 1対1で丁寧に話す。 「会社状況が厳しい、配置が難しい。退職金を乗せてサポートする」と社員にとっての有利提案。

  • 退職希望の募集: 退職金増額再就職支援を条件に募集します。応募なければ終了。

  • 配置転換・業務調整: 別部署や軽作業などへ配置転換を行う場合もあります(嫌がらせ目的はNG)。

  • 最終手段の懲戒解雇: 重大な非行(横領・暴力)が証明できる、事前指導・弁明機会必須。普通の正社員には使えず無効化リスク大。

時折ニュースで、「大規模なリストラがおこなわれ・・・・」なんて流れてきますよね。

あれは、希望退職+退職金上乗せで8〜9割応募を集め、残りは配置転換で対応など、「手厚く対応している」という意味で、正社員を不当解雇しているわけではありません。

→強制解雇ではなく自主応募形式だから成立します。

それでは、派遣社員の場合はどうなるのでしょうか?

 

派遣の場合は、状況が変わる!?

派遣社員の場合は、本当に簡単に辞めさせることができるのでしょうか?

実は、正社員とは仕組みが大きく異なります。

まず、大前提として・・・

整理解雇の4要件は、雇用主である派遣会社には適用される可能性があります。
ただし派遣先企業には直接適用されません。

 

他にもいくつか理由がありますが、代表的なものを紹介します。

 

派遣社員を辞めさせやすい理由

  • 契約期間満了で契約が終了するケース: 派遣には「同一組織単位で原則3年」というルールがあり、同じ部署で働ける期間に制限があります。

  • 派遣先の判断が即座に反映: 派遣先が「不要」と派遣会社に伝える→契約打ち切り。 派遣会社は次の派遣先を探すだけ。

  • 派遣先企業は、派遣契約を終了することで受け入れを停止できます。一方で、派遣社員との雇用関係は派遣会社にあるため、派遣会社側には労働法が適用されます。

項目 正社員 派遣社員
終了方法 4要件クリア必須 契約満了でOK
法的な手続き 非常に厳しい(裁判リスクあり) 比較的低い
企業負担 重い(手当・補償など) 軽い(派遣会社任せ)

 

 

企業側から見た 「リストラのしやすさ」を、派遣社員と正社員で分かりやすくまとめるとこうなります。

項目 派遣社員 正社員
雇用関係 派遣会社と雇用契約 会社と直接雇用
仕事を止める方法 派遣契約終了(更新しない) 解雇・退職勧奨
会社の手続き 派遣会社に「契約終了」を伝える 法的条件が必要
法的ハードル 低い 非常に高い
解雇理由 基本不要(契約満了) 合理的理由必須
手続き 比較的簡単 就業規則・説明・指導など必要
裁判リスク 低い 高い(解雇無効の可能性)
よく使う方法 契約更新しない 退職勧奨・配置転換

つまり、企業から見ると、派遣社員のリストラはそもそも・・・

契約期間が終われば、更新しないという形で契約が終了するケースが多いと言えます。

まとめ

派遣を選ぶパターンは、私と同じ理由の場合もあればそうでない場合もあります。

  • 正社員の採用枠が少ない

  • 年齢で採用が厳しくなる

  • 非正規雇用が増えた

そのため、「選んだ」というより「そこしかなかった」というのが私の場合でした。

これは、いわば構造的な理由と言えるでしょう。


ですが、他にも・・・

・家庭事情
子育て・介護などでフルタイム正社員が難しい人。

・働き方を限定したい
責任の重い仕事を避けたい人。

など、あえて派遣社員を選ぶ人たちもいます。

どちらがいいかというより、自分がどちらの働き方でも生活できる地盤を作ることが大事なのではないでしょうか?

あなたの今の働き方が、年金をもらえる年まで生活を維持できるのか?

もし、無理そうならNISAの活用や副業などを検討するときが来ているのかもしれません。

極論、年収が1000万円越えでも借金まみれの人がいることも現実です。

正社員か派遣かというよりは、今の働き方で生活が維持できるのかが重要になるのではないでしょうか。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です