これまで、派遣社員になったらどんな働き方になるのかについてご紹介してきました。
それでは、考えたことはありませんか?
そもそも、どうして企業は正社員ではなく派遣社員を雇用するのか?
単純に考えれば、安い労働力だからですよね・・・・
そこで今回は、企業からの視点で派遣労働者についてお伝えしていきたいと思います。
正社員の歴史は100年以上!?
正社員の歴史を簡単におさらいしてみましょう。
まず、終身雇用ではありませんでしたが、そもそも正社員は明治〜戦前の頃にはすでにありました。
つまり、当時の三菱財閥や三井財閥といった近代的な企業が生まれたのは明治期でした。
ただし、正社員的な雇用といった方が正しく・・・
- 月給制
- 常用契約
- 昇進制度
を持つ従業員が存在したという意味になります。
*特に事務職・技術職はすでに“社員”扱い。
また、正社員については、当時は「身分秩序的な会社組織だった」という違いもあります。
とはいえ、この時期から正社員の前進としてすでにありました。
つまり、当時から考えると、正社員の歴史はすでに100年以上あることがわかります。
ワンポイントアドバイス!〜今の正社員の形になったのは?〜
今の正社員の形になったのは、戦後です。
この戦後の労働法制整備と高度経済成長の中で・・・
- 終身雇用
- 年功序列
- 企業別労働組合
が広く社会に浸透してきました。
ここで現在イメージされるいわゆる、「日本型正社員」として今の形になっていきました。
→正社員の原型は明治期に存在し、現在の日本型正社員は戦後に完成。
それでは、派遣という働き方はいつからあったのでしょうか?
派遣の歴史は始まったばかり・・・
前回の記事でもお伝えしましたが、そもそも派遣社員制度が始まったのは、1986年7月1日。
そして、現在のような一般事務・工場派遣が広がったのは1999年以降の規制緩和からとなります。
つまり、2026年の時点でまだ40年ほどしかなくまだまだ歴史が浅いことがわかります。
以前の記事はこちら
→2026年版|派遣社員は増えている?約190万人の現実と生活できる条件
それでは、どうして企業は派遣労働者を増やしたいのでしょうか?
企業にとっての正社員のデメリットとは?
以前の派遣の記事でも、お伝えしましたが・・・
状況にもよりますが、基本的に家族での生活を考えると派遣で働くことは生活を圧迫させる要因になります。
私の場合は、工場での派遣年収手取りが約200万円でした。
この年収手取りでは、家族4人の生活は赤字続きで貯蓄を切り崩しながらなんとか過ごしていました。
ですが、これは派遣労働者としての視点です。
それでは、企業(工場)からするとなぜ正社員ではなく派遣労働者なのでしょうか?
企業にとって正社員として雇うと、以下のようなデメリットがあります。
-
毎月の給与
-
社会保険料
-
賞与
-
退職金
-
解雇リスク(日本は解雇が非常に難しい)
景気が悪化しても簡単に減らせません。
つまり、企業にとって正社員とは固定費になってしまいます。
それも莫大な・・・

派遣労働者は変動費?
その一方で、派遣は「必要な期間だけ契約」できるため、正社員よりも人件費を柔軟に調整しやすい特徴があります。
そもそも派遣労働者は時間労働者ですので、基本給という固定給もありません。
厳密にいうと、派遣労働者とはいえ派遣会社の社員です。
つまり、適用されるのは・・・
- 労働基準法
-
労働契約法
です。
つまり、
✔ 月給制も可能
✔ 基本給の設定も可能
✔ 賞与も制度上は可能
となります。
ですが、現実問題として派遣労働者には月給制や賞与がほとんどありません。
というか、私はみたことがありません。
*派遣労働者は、制度上は正社員と同じ待遇を受けられる可能性があるが、現実的には 時間単位で働く不安定な労働という側面が強い。

派遣労働者について簡単にまとめると以下のようになります。
派遣先から見ると →働いた時間分だけ支払う
だから、企業側は固定費化しない。
しかし、派遣労働者本人から見ると・・・
-
契約が切れれば収入ゼロ
-
賞与がない場合が多い
-
昇給が限定的
だから、「不安定」に見える。
私の場合が、まさにこれでした。
ちなみに給与明細にも「基本給」の欄はありましたが、あくまでも時給として記載されているだけでした。
→その月の基礎賃金(時給×時間)”を基本給と表示していただけ
ここまで書くと、企業はまるで「派遣労働者が安くすむから雇っている?」と勘違いしそうになります。
ですが、実際はそうでもありません。
企業が派遣労働者を雇う場合、もう一つ忘れていませんか?
派遣労働者とはつまり派遣企業から派遣されている別会社の人です。
つまり、企業はこの派遣元の企業(派遣会社)にマージンを含めた派遣料金を支払う必要があります。
そのため、企業は、派遣労働者の賃金相当分だけでなく、派遣元企業(派遣会社)へマージンを含んだ派遣料金を支払っています。
次回は、企業(派遣先)・派遣企業(派遣元)・労働者についてご紹介していきます。
ちなみに、結論から言えば、企業が支払う総額は必ずしも正社員より安いとは限りません。
ただ、退職金や解雇リスクといった「長期的な責任」を負わなくてよい点が、派遣という仕組みの最大の特徴です。
この関係性を知っていくと、繋がりがわかるようになります。
まとめ
企業の視点から考えると、派遣労働者の方が使い勝手が正社員と比較して簡単にできてしまいます。
そもそも、100年以上ある正社員とまだ40年程の派遣労働では、制度としてはまだ歴史が浅く、発展途上の側面もあると言えるでしょう。
実際、派遣労働の問題点は度々指摘され、最近では外国人労働者にまで波及しています。
個人的な見解になりますが、やはり正社員で働けるならそれに越したことはありません。
もちろん、個人事業主などを目指して事業所得で食べていくつもりならこの限りではありません。
ですが、サラリーマンのように給与所得をもらう立場で食べていこうと考えるなら、立場の弱い派遣労働という働き方は一時的な状態にした方がいいと思います。
とはいえ、一人で生活する・夫婦共働きでがっつり働くなら派遣労働でも生活はできるでしょう。
自分の働き方が将来どのように影響するかイメージしながら仕事を探していけば、答えにたとどつけると思います。
何より、正社員として働けるチャンスがあるのなら、正社員で働きながら後のことは考えればいいでしょう。
そのあとで辞めるのは自由です。
企業にとっての合理性と、労働者にとっての安定性は、必ずしも一致しないというのが派遣制度の本質かもしれませんね。
私としては、派遣という働き方そのものが悪いのではなく、三者が納得できる形に近づけていくことが重要なのだと思います。




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