電車の非常ボタンは正しく活用! でも、「いたずら」で押すと大変なことに!?

 

皆さんは、電車の「ボタン」を押したことがあるでしょうか?

「ボタン」と言えば、電車に限らずエスカレーターやエレベーターなど、探してみると至る所に意外とたくさんあります。

さて、そんなボタンがあると押してみたくなるのではないでしょうか?

興味津々な子どもならなおさらですよね。

今回は、「電車にまつわるボタン」についてご紹介します。

*特に、非常停止ボタンは損害賠償が発生することがあるため本当にご注意下さい・・・

 

電車にまつわるボタン?

踏切にある非常ボタン

❶踏切支障報知装置(非常ボタン)

  • 踏切道で自動車などが立ち往生したときなど、線路に支障がある場合に急いで乗務員や駅係員に知らせたいときに使用。
  • 踏切内で立ち往生している人や車などを見かけたら使用。

→最近では、高齢者が渡りきれずに跳ねられるという事故もありましたよね・・・

ちなみに、もしも踏切内でエンストし非常ボタンがなければ、車の発煙筒を使用します。

踏切支障報知装置が動作すると、運転士に踏切内の異常を知らせる停止信号が表示されます。

 

*踏切集中監視システム(監視カメラや放送機器の活用)

→例えば、小田急電鉄では踏切の映像による監視・記録・現地周辺への放送も可能となっています。イタズラで、置き石などをすれば監視されている場合もあります。

 

駅のホームにあるボタン

➋駅係員呼び出しボタン

  • ホームで人が倒れた。
  • ホームで喧嘩になっている。

など、駅のホームでなんらかのトラブルがあったときに駅係員に知らせることができます。

 

❸列車非常停止ボタン

  • ホームから人が転落した。
  • 線路上に障害物がある。

など、線路上でトラブルがあった場合に使用します。

→半径約1km以内の全ての電車に運行停止指令が自動的に発せられ、受診した電車は非常ブレーキをかけるなどの措置が行われます。

つまり、基本的には本当に電車が停止することになります・・・

 

電車内にあるボタン

❹非常通報機(車内非常ボタン・車内警報ブザー)

  • 急病人が発生したとき
  • 不審者や不審物を発見したとき
  • その他の緊急事態が発生したとき

さて、それではこちらの非常停止ボタンは電車が停止するのでしょうか?

NHKの生活情報ブログでは以下のようにまとめられています。

 

路線によって対応が違う!?

◎東京メトロ

急病人・車内トラブルで「車内非常ボタン」が押されると、基本的に次の駅まで運行されます。

  • 駅から駅までの運行時間が1分・2分と短いため駅員が駅で対応できる。
  • 警察官もかけつけやすい。

という事情があるようです。

 

◎JR東日本・小田急電鉄

電車の乗務員が乗客と通話ができる装置を使い、車内の状況について聞き取りを行ったうえで安全確認のため電車を原則としてその場で停止。

→橋梁(きょうりょう)を走行しているときや、最寄りの駅まで近いときは停止をしない場合もある。

このように、路線によって対応には差があるようです。

それでは、気になる駅のホームなどにある「非常停止ボタン」を不用意(イタズラなど)に押すとどんな罰則があるのでしょうか?

 

非常停止ボタンをイタズラで押したらどうなるの!?

3年以下の懲役または50万円以下の罰金

偽計業務妨害罪(ぎけいぎょうむぼうがいざい)

人をだましたり、勘違いしていることを利用したりして業務を妨害した場合に適用されます。

 

威力業務妨害罪(いりょくぎょうむぼうがい)

暴行・脅迫、それにいたらないような人の意思を制圧するに足る勢力によって、業務を妨害した場合に適用されます。

 

2年以上の懲役

往来危険罪(おうらいきけんざい)

イタズラ目的でボタンを押して他の電車の・・・

  • 通行停止
  • 送電停止等の措置
  • 運転時隔(鉄道で同一路線で同一方向へ運転される列車同士の時間的な間隔)

といったことをとらせるなどの事故発生の恐れを生じさせた場合は、往来危険罪により逮捕される可能性もあります。

ちなみに、「線路や標識の破壊」や「置き石」などで、列車の運行に危険を生じさせた場合などにも当てはまります。

 

ポイント! 「置き石」は罪が重い・・・

  • 往来危険罪・・・ある程度の大きさの石を置いた時点で成立
  • 往来危険汽車転覆等罪・・・実際に転覆事故に繋がった場合、無期または3年以上20年以下の懲役

そして、事故により乗客や線路の周囲にいる人を死亡させた場合は、無期懲役や死刑もありえます。(14歳未満では処罰されない)

ですが、子どもが置き石をした場合は、親が損害賠償責任を負うことになります。

*ちなみに、「車のドライブレコーダー」や「踏切集中監視システム」などから誰が置いたか分かる可能性があります。

 

最後に

「非常停止ボタン」は緊急時や体調不良、車内で異常が発生したなど、イタズラで押さない限り基本的に罰せられることはないでしょう。

ただ、ツイッターで話題(電車内で男性が嘔吐して痙攣してしまい女子高生が緊急停止ボタンを押すと、周囲から「押すな!」など心ない言葉を言われた)になっているようなこともあるようです。

もし、これが「自分の子どもがイタズラでやってしまったら・・・」と考えるとゾッとします。

子どもと電車に乗るときや、踏切を渡るときは、くれぐれもご注意下さい!


参考

小田急
https://www.odakyu.jp/csr/safety/safety_report/2010/10/

NHK生活情報ブログ
https://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/1100/368254.html

シェアしたくなる法律相談所
https://lmedia.jp/2018/03/28/84286/

弁護士ドットコム
https://www.bengo4.com/c_23/n_8735/

 

 

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