「飲んだら乗るな!」は車だけど・・・歩行者は?

 

●この記事では、「路上で寝てる人がいる!?」について説明しています。

お盆の季節に入り、帰省などで夜間に運転することが増えるこの季節。

ドライバーにとって、「まさか!?」と言いたくなるような事故が起こりやすくなっています。

今回は、まさかの死亡事故「路上寝込み」についてご紹介します。

 

そもそも、「路上寝込み等」ってなに?

残念ながら、この「路上寝込み等」というのは警察が使う隠語などではありません。

言葉通り、「車道に人が寝ている」と言うことです・・・

ちなみに、日本交通科学学会誌 第19巻 第1号 令和元年には、この「路上寝込み」のことをた「路上横臥おうが」と書かれています。

横臥というのは、横たわるという意味です。

さて、そんな「路上寝込み」が発生している理由は飲酒がほとんどです。

ドライバーからすれば、「路上で寝てしまうほど酒を飲まないで・・・」と思いますよね。

私自身、避けられるかどうか正直自身がありません。

ただ、10年以上車を運転していますが、幸いにも路上で寝ている人に遭遇したことはありません。

DanaTentis / Pixabay

それでは、実際どれくらい「路上寝込み」による事故が発生しているのでしょうか?

 

「路上寝込み」による事故件数はそんなに多いの?

そもそも、2021年の交通事故件数は交通事故総合分析センターによれば、30万5,196件でした。ただこれは、前年よりも約4,000件少ない件数です。

この年間約30万件の交通事故の内、死亡事故は2,636人となっています。

それでは、路上寝込み事故について見ていきましょう。

 

すでに2件発生

警視庁によれば、2022年4月24日時点ですでに2件の「飲酒による路上寝込みの死亡事故」が発生しています。

ちなみに、昨年は同様の事故が5件発生しています。

交通事故のうち死亡事故は2,600件を越えていますので、全体からすればごくわずかと言えるかもしれません。

ですが、そもそも路上に人が寝ていること自体、イレギュラーですよね。

それでは、そもそもそんな路上で寝てしまう行為は違法にはならないのでしょうか?

 

もしも路上で寝たら・・・

道路交通法76条第4項第2号の「道路における禁止行為」に当たります。

二 道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること。

結論から言えば、違反者には5万円以内の罰金が科せられます。

*もしも、路上で寝ている人を発見したら、「110番」か「警察官」へ通報することが求められます。

それでは、運転中にもしも路上で寝ている人を見つけたらどうすればいいのでしょうか?

 

運転中に路上に寝ている人を発見したら?

遭遇したくはありませんが、もしも前方に寝ている人がいたらどうすればいいのでしょうか?

例えば、以前のケースでは・・・

酔って車道に足を出して座り込み眠っていた男性を避けるために大型トラックが急停車。

後続の4台が次々と衝突する交通事故が発生し、道路に寝ていた男性が書類送検されたケース。

こういったこともありえます。

当然ですが、車を道の真ん中で止めることになるため安全確保は絶対ですよね・・・

SD-Pictures / Pixabay

 

さて、そんな路上寝込みですが埼玉県交通安全協会では、「路上寝込み」発見した場合の対応が紹介されています。

  1. ハザードランプを点灯させ、手前で停止してください。
  2. 速やかに「110番通報」をお願いします。
  3. 警察官が到着するまで、可能な限りその場で待機をお願いします。

 

また、埼玉県交通安全協会によれば、平成21年~25年において発生した路上寝込み等交通死亡事故の特徴が紹介されていました。

  • 5月・7月・8月・9月・12月に多発
  • 木曜日・土曜日・日曜日に多発
  • 夜間~深夜(22時~4時)に多発
  • 市道で多発
  • 単路(一本道)で多発
  • 65歳以上の男性が多い

くれぐれも、運転する時はご注意下さい。

ところで、あってはいけないことですが、もしも路上で寝込んでいる人を轢いてしまったら私達ドライバーはどうなるのでしょうか?

 

「路上寝込み」で交通事故を起こしたら・・・

交通事故では、「過失割合」が大きく影響します。

「過失割合」というのは・・・

  1. 事故の当事者双方にどのくらいの交通違反があったのか?
  2. どの程度の不注意があったのか?

など、事故原因となった責任の大きさが判断され、この責任の大きさを数値で表したものが過失割合です。

 

弁護士法人デイライト法律事務所によれば・・・

夜間、路上で横たわっている人と自動車との事故の基本過失割合は・・・

  • 自動車: 50
  • 歩行者 :50 

ドライバーからすれば、理不尽に思えて仕方ないですが、普通は弱者保護として歩行者が保護されるにも関わらず、歩行者の過失割合が50もあります。

 

*ただし、昼間の場合は・・・

  • 自動車:70
  • 歩行者:30

となるようです。

逆に言えば、見通しの悪い道路ではさらに歩行者の過失が大きくなる可能性があるようです。

このように、過失割合は同じような事故であってもその状況により大きく変化することになります。

 

最後に

そもそも、路上で泥酔するほど飲まないで欲しいですよね。私自身、外で飲酒することはほとんどありませんが・・・

ドライバーは、「飲んだら乗るな!」ですよね。

歩行者は、「飲んだら寝るな!」と言ったところでしょうか・・・

5万円の罰金がとられることを考えるとなおさら気を付けたいですよね。

5万円と言えば、ちょうど我が家の1ヶ月分の生活費です・・・

そういう意味でも恐怖ですね。


参考

ATOM 交通事故弁護士解決ナビ
交通事故の過失割合とは?決め方と示談のコツ!事故パターン別の過失割合

 

 

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