子育てについて様々なことが言われます。
「抱き癖」「放置しない」「完全母乳」「混合ミルク」など・・・・
要は、時代によってまったく違うことが言われてしまいます。同じ子どもを育てているはずなのに、なぜ真逆の考え方になってしまうのでしょうか?
親としては、「どうしたらいいの?」ということが本音ではないでしょうか?
今回は、これだけは押さえておきたい「母子分離不安」と「虐待」についてご紹介します。
子どもが親から放されるということ・・・
虐待死事件以降、例えば「子どもを平手で打って母親が逮捕される」など親の逮捕が目立つようになりました。
私見ですが、虐待死事件に関しては、行政や教育機関や相談機関などの問題点が山ほど浮き彫りに出ました。ですが、まるでそれを打ち消すように親を逮捕するハードルが格段に下がってしまったような印象を受けています。
もちろん、虐待を擁護しているわけではありません。
今回の記事でお伝えしたいことは、「そんな簡単に親子を引き離してもいいのか?」です。
*引き放された子どもは、里親・児童相談所・親戚に預けられるなど。これまでとはまったく違う生活を強いられることになります。(そもそも、暮らしていた地域にはいられないかもしれません・・・)
特に赤ちゃんは、親がいないと恐怖を感じる!
赤ちゃんの頃の記憶は、ほとんどの人がありませんよね・・・
それなら、例えばあなたの記憶が仮に保育園・幼稚園児の頃ぐらいからあったとして、ショッピングセンターや遊園地などで親とはぐれて、恐怖心でいっぱいになった経験はありませんか?
実は、この「親が近くにいない!怖い!」という感情は、赤ちゃんももっていることが分かっています。
このことは、小林登「赤ちゃんの心をサーモグラフィーで測る」で紹介されています。
*生後9週目の赤ちゃんと親を5分間別々の部屋に隔離。→赤ちゃんのおでこの温度が1℃減少した。
おでこの温度が下がったということは、血管の収縮か血流の低下を意味し赤ちゃんが緊張していたことを示しています。
ちなみに、親ではない人と5分間同じ部屋にいた場合も同じようにおでこの温度が下がりました。ただし、親がそばにいれば、親でない人が同じ部屋にいてもおでこの温度に変化はありませんでした。
つまり、基本的にそばにいるのは親が適任ということになります。
*それぞれの家庭で事情はあるかと思います。今回は、あくまで逮捕後の親から離された子どもたちの影響について考察するための記事です。
それでは、「母子分離不安」について見ていきましょう。
母子分離不安ってそもそもなに?
子どもが母親から離れることに対して不安を感じること。
実際、私自身も0歳の娘を何度あやしても泣き止んでくれませんが、妻に替わるとあっという間に泣き止んでしまいます。
さて、この母子分離不安は幼稚園や保育園の送り時に子どもが激しく泣いたり、母親が仕事に行くときなどあらゆる場面でみられます。
「不安」は、子どもがもつ防衛本能としても有名で実感している人も多いのではないでしょうか?
ただ、普通ならお母さんが何日も帰ってこないということはありませんよね・・・
母子分離不安は、親が帰ってくることを学ぶことで徐々になくなりますが、逮捕拘留されれば長期間親が帰って来なければ解消されません。
こういったことを考慮して、母子分離不安について確認していきましょう。
母子分離不安は子どものSOS
子どもには様々な症状が現れます。
- 母親の関心・愛情を何度も確認しつなぎ止めようとする。
- 母親の行動を監視・母親の外出を嫌がる。
- 母親を独占しようとし、父親・きょうだいに敵意のある振る舞いをする。
- 赤ちゃん返りが見られる。
- 母親が側にいるときは友達と遊べる。
- 母親がいないときは、元気に振る舞うこともある。→そのうち、登校もできなくなる。
簡単に言ってしまうと、母親への依存が異常に強くなります。
身体症状
母子分離不安が強まると・・・
- 腹痛
- 頭痛
- 嘔吐
- 食欲不振
- 息苦しさ
- 夜尿
- 頻脈
- めまい
- 気を失うように感じる
など、身体症状や心臓血管系の症状も報告されています。
ただし、この母子分離不安の特徴が4週間以上続くと次は「分離不安症」と診断されることもあります。この分離不安症とは、過剰な恐怖や不安のことをいいます。
つまり、母子分離により異常行動が見られるようになり、身体行動→精神疾患にまで進むこともあります。
ニュースや記事などで、「一時保護されました・・・」とよく耳にしますが当然親から隔離されたことを意味します。
つまり、そもそも親から隔離すること自体、子どもにとってリスクが高いことになります。
もし、自分のせいで親が逮捕されたと知れば子どもへの影響は計り知れません。こういった影響があるため、逮捕は最終手段になると思っていましたが・・・
最後に、児童相談所の虐待判断について1例をご紹介します。
この事例は、「子どもの事故が虐待と判断されたケース」です。しかも、目撃者がいても関係ありません・・・
児童相談所の事例
~五月人形をみんなで遊ぼうと、家族3人が県外の父親の実家を訪問した時に起こった2016年の事例~
リビングのローテーブルでつかまり立ちをした10ヶ月の男児が転倒し、絨毯を敷いた床に頭をぶつけました。両親・祖父の大人3人が助けに入りましたが間に合いませんでした。
さて、正直こんなことは日常茶飯事だと思うのですが、なんとこれで児童相談所は虐待と判断し10ヶ月の赤ちゃんは、*乳児院へ入所させられることになりました。
*乳児院とは、2歳ぐらいまでの養育困難な子どもが預けられる施設です。
なんで虐待と判断されたの?
赤ちゃんに外傷はありませんでしたが、けいれんや嘔吐があり両親は救急車を呼び病院へ搬送されました。ここまでは、親として当然の対応だと思います。
問題❶
医師はマニュアル通りに児童相談所へ通報
「硬膜下出血と眼底出血(「SBS理論」と呼ばれます)があれば病院は児童相談所に通報する義務がある」→揺さぶられ症候群(SBS)と判断。
問題➋
児童相談所もマニュアル通りに対応
事実関係は無視して「お子さんは帰さない。乳児院への入所になると思います。」
→「安全義務違反」といわれ赤ちゃんは人質に。
「人質」といったのは、両親に反省が見られなければ赤ちゃんを返してもらうことができず、当然裁判をすれば反省がないとみなされる可能性があるため訴えることもできません。
まさに、合法的な「拉致」といってもいいぐらいの出来事ではないでしょうか・・・
マニュアル通りとは、こういったことが発生してしまいます。
この話しにはオチがあります。
そもそも、揺さぶられ症候群は頭を強く揺さぶられるため、脳挫傷など脳そのものに異常が起こりやすいです。ですが、今回のように絨毯に頭を軽く打ち付けただけですのでCTでとっても脳の異常は見られませんでした。
このように、つかまり立ちなどで転んで頭を打った後に、ひきつけなどを起こして意識をなくすこともあるのですが、これは「中村Ⅰ型」と呼ばれます。つまり、虐待ではなく事故による外傷を意味します。
家族を通報した医師に「中村Ⅰ型」について確認すると、知らなかったようです。
つまり、❶虐待について知らない医師の診断+➋マニュアル通りにしか動かない児童相談所により作り出された冤罪ということになります。
残念ながら、これは過去のはなしではなく現在進行で冤罪は発生しているようです。
おそらく、「母子分離不安のことも知らないのでは?」と思えて不安でなりません。
もう一度いいます、
虐待を擁護する気はまったくありません。
ただ、なんでもかんでも「一時保護」では意味がありません。それどころか、事故まで虐待にされてはたまったものではありません。
これからの子育てには、それなりの知識と弁護士との協力が必要になるかもしれません。また、場合によっては専門機関に無意味な期待はせずに、次の行動は自分たちで調べて動くしかないのかもしれません。
最後に
今回の児童相談所の事例は、ひょっとしたら極端な事例かもしれないと思っている人もいるかもしれません。ですが、他にも不起訴になったお母さんの話し(釈放されたが1年以上子どもは乳児院に預けられている)もありました。
この事件も先の事例と同じSBS理論で虐待と判断された2018年の事例です。しかし、不起訴になってからも子どもは帰してもらえず2019年2月になっても乳児院にお母さんは通い続けています。
子どもを守るのはまさに親だと考えされる事件です。
専門機関(専門職)の人が必ずしも知識や行動力があるわけではなく、あくまでもマニュアルでしか動けない(人もいる?)ということでしょう。
今回の記事では、「中村Ⅰ型」は事故による外傷だということを覚えてもらえると幸いです。
参考
東洋経済ONLINE
→https://toyokeizai.net/articles/-/204513?page=2
東京家学
→https://tokyo-yagaku.jp/futoukou/type/type01/
岩崎書店のブログ
→http://www.iwasakishoten.site/entry/kodomo/kega
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