地震といえば、震度⚪とニュース速報でそれぞれの地域の震度が日本地図を使って表示されますよね。
今回は、「その震度が私たちにどの程度影響を与えるのか?」
気象庁のHPを参考にご紹介します。
地震の基本的な数値=震度
震度とは、ある地域での地震の揺れの大きさを表わす指標です。
それでは、震度には10段階あることをご存じでしたか?
実は、「震度0」が地震階級のはじまりです。
勘違いしてはいけないことは、震度0が地震の揺れていないときの指標ではないということです。
つまり、「なにも揺れていない状態が0なのではなく」、人が感じることができない揺れが発生していることを意味しています。
地震の揺れは、地震計によって記録されています。
そのため、震度0でも地震計は揺れています。
震度階級別の周囲の変化
まわりにまったく影響がないレベル
震度0
人は揺れを感じないが、地震計は揺れている。
震度1
屋内で静かにしている人の中には、揺れをわずかに感じる人がいる。
屋内の物が動き出すレベル
震度2
屋内で静かに揺れている人の大半が揺れを感じる。目覚める人もいる。
- 屋内:電灯などの吊り下げ物が、わずかに揺れる。
屋外にある物も動きだすレベル
震度3
屋内にいるほとんどの人が揺れを感じる。歩いているの中で揺れを感じる人もいる。(大半の人が目覚める)
- 屋内:棚にある食器類が音を立てることがある。
- 屋外:電線が少し揺れる。
まれに被害が発生するレベル
震度4
ほとんどの人が驚く。歩いているほとんどの人が揺れを感じる。(ほとんどが目覚める)
- 屋内:電灯などの吊り下げ物は激しく揺れる。棚にある食器が音を立てる。座りの悪い置物が倒れる。
- 屋外:電線が大きく揺れる。自動車を運転していて、揺れに気づく人がいる。
被害が確実に発生するレベル
震度5弱
大半の人が恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる。
- 屋内:電灯などの吊り下げ物は激しく揺れる。棚にある食器類や本が落ちることがある。座りの悪い置物の大半が倒れる。固定していない家具が移動、不安定な物は倒れることがある。
- 屋外:まれに窓ガラスが割れて落ちることがある。電柱が揺れるのが分かる。道路に被害が生じることがある。
震度5強
大半の人が、物につかまらないと歩くことが難しいなど行動に支障を感じる。
- 屋内:棚にある食器類や本で落ちる物が多い。テレビが台から落ちることがある。固定していない家具が倒れることがある。
- 屋外:窓ガラスが割れ落ちることがある。補強されていないブロック塀が崩れることがある。据付けが不十分な自販機が倒れることがある。自動車の運転が困難になり停車する車もある。
立ち続けることができなくなるレベル
震度6弱
立っていることが困難。
- 屋内:固定していない家具の大半が移動、倒れる物もある。ドアが開かなくなることもある。
- 屋外:壁のタイルや窓ガラスが破損、落下することがある。
震度6強
立っていることができず、這わないと移動できない。揺れに翻弄され、動くことができず飛ばされることもある。
- 屋内:固定していないほとんどの家具が移動し、倒れる物が多くなる。
- 屋外:壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する物が多くなる。補強されていないブロックのほとんどが崩れる。
震度7
立っていることができず、這わないと動くことができない。揺れに翻弄され、動くこともできず飛ばされることもある。
- 屋内:固定していない家具のほとんどが移動、倒れたりし飛ぶこともある。
- 屋外:壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物がさらに多くなる。補強されているブロック塀も破損する物がある。
つまり、震度4以上から被害がでる可能性があるので震度には十分ご注意下さい。
それでは、具体的に建物にはどんな影響が出てくるのでしょうか?
木造建物(住宅)と鉄筋コンクリートへの震度別被害
耐震性については、一般的に1981年以前が耐震性が低く、1982年以降は耐震性が高い傾向にあります。
これは、1981年6月に建築基準法で新耐性基準が導入されたためです。
これにより、大規模地震である震度7クラスの地震にも耐えうる基準として制定されました。つまり、理論的には、震度7にも耐えられる建物が1982年以降に建てられた建造物ということになります。
ただ、建築年代だけでは耐震性に幅があり、一概に耐震性ははかれないため注意が必要です。
判断基準は、耐震診断で判断されます。
それでは、木造建物と鉄筋コンクリートの耐震性のあるなしで震度別の被害を確認してみましょう。
耐震性の低い木造建物と鉄筋コンクリート建造物。
震度 | 木造建物(住宅) | 鉄筋コンクリート建造物 |
5弱 |
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5強 |
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6弱 |
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6強 |
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7 |
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耐震性が低い建物は・・・
→木造の場合は、震度5弱から家に影響が出てきます。そして、震度6弱から倒れる危険性があります。
→鉄筋コンクリートの場合は、震度5強から建物に影響にでてきます。そして、震度6強から倒れる危険性があります。
つまり、震度5の地震があれば木造・鉄筋ともに、家が無地だったとしてもひび割れや亀裂がないか確認する必要があるということです。
耐震性の高い木造建物と鉄筋コンクリート建造物
震度 | 木造建物(住宅) | 鉄筋コンクリート建物 |
6弱 |
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6強 |
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7 |
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耐震性が高い建物は、木造と鉄筋コンクリートの建造物に差がほとんどありません。
また、気象庁のHPでは建物に耐震性があれば傾くことがあっても、「倒れる」という記述はありません。
ただ、同じ震度7でもマグニチュードや震源地によりまったく地震のレベルは違います。
注意する点としては、震度7は最高レベルのため青天井の指標であるということです。
*仮に、地球が真っ二つになるとされるマグニチュード12の地震がきても震度7ということです。
また、直下地震のように真下から激しい揺れに襲われたり、長周期地震動のように遠くからの振動にさらされるなど、地震によってさまざまな特徴があります。
そもそも地盤が支えられなければ、どちらにしろ倒壊します。絶対に倒れない家は存在しません。
地震の特徴は想定外です。
耐震性があるからといって過信しないようにご注意下さい。
「震源地」・「マグニチュード」・「長周期地震動」については、それぞれこちらの記事で紹介しています。
→「震源地」で大きく変わる!?~地震の特徴~
→地震大国日本! ~地震情報マグニチュードを知れば地震の規模が分かる!?~
→巨大地震は震度だけ?~覚えておきたい長周期地震動階級~
それでは、地盤の変化は震度によりどのように変化するのでしょうか?
震度別の地盤・斜面の変化
震度 | 地盤の状況 | 斜面等の状況 |
5(弱・強) | 亀裂や液状化が生じることがある。 | 落石やがけ崩れが発生することがある。 |
6弱 | 地割れが生じることがある。 | がけ崩れや地滑りが発生することがある。 |
6強・7 | 大きな地割れが生じることがある。 | がけ崩れが多発し、大規模な地滑りや山体の崩壊が発生することがある。 |
震度5以上になると地面に亀裂や液状化が発生。そして、山が側にあれば落石やがけ崩れにあう危険性がでてきます。
液状化が進行すると・・・
- 地面からの泥水の噴出や地盤沈下が起こり堤防や岸壁壊れる。
- 下水管やマンホールが浮き上がる。
- 建物の土台が傾いたり壊れたりする。
といった被害が発生します。
震度5以上で実質的なさまざまな被害が発生する危険性が高まります。
もちろん震度4でも「誰もが驚くレベルの地震」です。
*震度4程度以上の揺れがあれば、鉄道・高速道路などでは安全確認のため運転見合わせや速度規制・通行規制が各事業者の判断によっておこなわれるので、そういう意味では震度4から注意が必要です。
ただ、1つの指標として震度5以上は建物や地面など、実害が発生するかもしれないレベルの地震であることを再認識するべき震度だということになります。
そして、震度7以上であればほとんど震度階級は役に立たないためマグニチュードや震源地などその他の地震情報を確認することをおすすめします。(絶対必要!)
まとめ
- 震度階級は震度0~7の10段階。
- 耐震性が高いと木造建築も鉄筋コンクリートもほとんど差がなくなる。(想定では、震度7でもどちらも耐えられる)
- 震度5以上で実害がでてくる。
- 震度7の地震レベルは青天井のため耐震性を過信しすぎるのは危険。
参考
気象庁
→https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/shindo/kaisetsu.html
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