去年(2019年)、毎月勤労統計調査の間違いが合ったとして大問題になりましたよね。
さて、その後2020年1月に厚生労働省から「雇用保険の追加給付に関するお知らせとお願い(口座確認)」という封書が私の自宅に届きました。
最初は、新手の特殊詐欺かと思いましたが、HPを確認すると確かなことが分かりました。
今回は、「厚生労働省から届いた雇用保険の追加給付」についてご紹介します。
→毎月統計調査については、こちらの記事で紹介してます。
そもそも、なぜこんなことになったの?
厚生労働省が実施している統計調査は全数調査をする必要があります。ところが、一部で「抽出調査」をおこなっていたため統計に誤差が出たことが始まりです。
というのも、毎月勤労統計調査の「500人以上規模の事業所」については、全数調査をしなくてはいけませんでした。
ところが、2004年以降、「東京都に対して厚生労働省が抽出した事業所名簿を送付し、当該名簿に基づき抽出調査を行うこと」となぜかなっていました。
さらに、2017年までの集計は全国均一の抽出率という前提で行われていましたが、抽出調査が行われていた東京都分について復元すら行われていませんでした。
例えば、全数の3分1しか調査していない場合なら、調査事業所における合計支払い額を3倍にする必要があります。ただし、これでも全数調査ではないため誤差が生じることはいうまでもありません。
さて、この「復元」をしていないということはつまり、「全体の1/3の支払い額だけをそのまま統計に反映した」ということです。素人でも、こんな間違えしないと思うのですが・・・
しかも、こんな適当な仕事を「何年もやっていた」というありえないことが、明るみになった問題というかこれはもう「事件」です。
さて、それでは実際にどういった書類が届いたのか見ていきましょう!
同封書類は?
- 払渡希望金融機関指定(変更)届
- 払渡希望金融機関指定(変更)届記入例
- 雇用保険制度の各種給付の概要(リーフレット)
- 返信用封筒
以上の書類が同封されていました。
簡単に言えば、「足りていなかった給付分を返すので、口座を教えてね!」ということでした。
私の場合は、10年間務めた福祉業界から別の業種へ転職しましたが、その際ハローワークを利用しました。
ちなみに、私の受給時期は2017年1月ですが、封書に入っていた案内の1つに「お客様の情報」という蘭があり、ここに記載されていますので確認することができます。
対象者は?
《追加の支払い対象者》
- 基本手当
- 再就職手当
- 高年齢雇用継続給付
- 育児休業給付
などの雇用保険給付を、「平成16年8月以降に受給された方のうち一定の条件を満たす方」とあります。
つまり、10年以上という長期にわたるためかなりの人が対象者に含まれることになります。(対象になる可能性がある人についても郵送されています)
この郵送自体は、2019年11月頃から順次進められていたようです。
どれくらいの金額が返ってくるの?
正直、大きな問題点の1つはここにあります。
それでは、それぞれの給付の平均額について見ていきましょう。
- 基本手当→約1,345円
- 高年齢求職者給付金→約414円
- 特例一時金→約505円
- 教育訓練支援給付金→約967円
- 傷病手当→約646円
- 就業手当→約168円
- 再就職手当→約392円
- 就業促進定着手当→約190円
- 常用就職支度手当→約178円
- 高年齢雇用継続基本給付金→約22,655円
- 高年齢再就職給付金→約22,655円
- 育児休業給付→3,099円
- 介護休業給付→約364円
- 早期就業支援金→約155円
- 早期再就職支援金→約155円
他にも、「公職職業訓練の受講等により給付が延長された方」や「育児休業者職場復帰給付金」も対象となりますが、封書には平均額が示されていませんでした。
さて、これはあくまでも「平均」ですので、もっと少ない額の人がたくさんいることはいうまでもありません。
とりあえず、平均1,000円以上返ってくる給付は平均が示されている中で、「1・10・11・12」の給付であることが分かりました。
*雇用保険の追加給付対象者は約1,900万人。
注意事項は?
追加給付に係る簡易計算ツール
私の場合は、2017年1月が対象期間ですので当時33歳となります。
①「30歳~44歳」を選択。
②平均的な賃金(月収)「20万円以上~25万円未満」を選択。
③受給期間「2016年8月~2017年7月」を選択。
→私の場合は、1日当たりの追加給付見込額:4~8円ということが分かりました。
計算ツールは、こちらの厚生労働省のHPで確認することができます。
詐欺にひっかかるかも・・・
こちらも大きな問題の1つです。
今回は、全国を対象にして国が大々的に追加給付をおこないます。つまり、詐欺集団にとってはかっこうの「飯の種」になります。このままいけば、おそらく2次被害がでてしまうでしょう。
こちらの厚生労働省のHPにある、4 各種資料(3)「雇用保険の追加給付に関するお知らせとお願い」から郵送書類のサンプルを確認することができます。
→還付金を受けるために、お金を支払うことは絶対にありません。
→また、電話や直接訪問することもありません。
上記で紹介した書類サンプルを確認してから郵送するようにして下さい。
その他
- 引っ越しなどで、複数のハローワークから支給を受けた場合は、複数の「お知らせ」が届く。
- 個別の支払い額は、回答できない。
- 対象の方が亡くなっている場合、ご遺族が届出ることができる。
- 対象の金融機関として7,6000件以上の対象金融機関がExcelでまとめられていますが、多すぎてあきらめました。
最後に
もしも、書類自体が偽物なら記載されている電話番号にかけることは危険です。電話をかけるなら、自分で専用ダイヤルを確認してから、連絡して下さいね。
たった数百円の追加給付のために、何万円も詐欺に遭ってしまえば泣くに泣けません。
今後、マイナンバーカードを利用した追加給付を実施するなど、安全性や経費削減のことも考えれば郵送に頼らない方法を模索していく必要があるでしょう。
《今回の問題点は・・・》
❶無駄な税金が使われている
➋詐欺による二次被害
❸統計をどうやって修正して、今回の金額を導き出したのか?
→そもそも、基本となる数字が間違っていたと思うのですが、どこから正しい数字を導き出したのでしょうか?
不正統計調査の影響は、まだまだこれからです。
参考
厚生労働省からのお知らせ
→https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000498476.pdf
厚生労働省
→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00046.html
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