知らないでは済まされない! 特定外来生物の「危険性」と「重い罰則」!?

 

皆さんは、「特定外来生物」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

実は、平成30年4月1日時点で148種類も指定されています。また、哺乳類や昆虫類だけでなく、植物も指定されています。

今回は、世界中の国家プロジェクトレベルで警戒されている「特定外来生物」についてご紹介します。

 

そもそも、「特定外来生物」ってなに?

外来生物は、「外来生物法」で指定されています。

この法律により・・・

 

《被害の防止》

  • 特定外来生物による生態系
  • 人の生命・身体
  • 農林水産業への被害

から守っていくことが目的です。そして、さらに・・・

 

《国民生活の安定向上》

  • 生物の多様性の確保
  • 人の生命・身体の保護
  • 農林水産業の健全な発展に寄与

につなげていくために、行なわれています。

 

特定外来生物に指定されるとどんな対策がされるの?

徹底的な封じ込め作戦がおこなわれます。

 

指定外来生物の飼養・輸入等の規制!

  • 飼養・栽培・保管又は運搬は、主務大臣の許可を受けた場合のみ!
    →学術研究等の目的で適正に管理する施設等を有すといった場合を除き、禁止。
  • 輸入は、許可を受けた場合を除き、禁止。
  • 個体識別措置(マイクロチップを埋め込んで自治体に届出)等を講じる義務
  • 野外への放出等は、主大臣の許可を受けた場合
    →防除に資する学術研究の目的で基準を満たすといった場合を除き、禁止。

 

防除対策!

  • 野外における特定外来生物について、国のほか地方公共団体等の参加により防除を促進する。

 

輸入品等の検査等!

  • 特定外来生物等のが付着・混入している輸入品等を検査し、必要に応じて消毒・破棄を命ずる。

*その他、輸入時に特定外来生物を確認する証明書の添付・調査・普及啓発だけでなく、罰則も規定されています。


→ちなみに、生態系等にかかる被害を及ぼすかどうかが未判定の外来生物「未判定外来生物」として指定され、輸入が制限されます。このように、外来生物に対して国家対策として実施されています。

(このような「指定がない生物」は、もちろん特に規制はありません)

 

「やり過ぎでは・・・」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、国家予算をかけて対策をしないと大変なことになることがすでに分かっています。

 

規制事項をもう少し分かりやすく!

  • 飼育・栽培
  • 運搬(生きたまま移動させる)
  • 保管
  • 輸入
  • 野外への放出・植栽・種をまく
  • 許可を受けていない物に譲渡

こういったことを許可もなく勝手にやってはいけません!

 

とても厳しい罰則!

特定外来生物を勝手に(許可なく)・・・

 

輸入関係

  • 許可なく輸入→3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人:1億円以下の罰金)

*未判定外来生物の場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(法人:5,000万円以下の罰金)

 

販売関係

  • 許可を受けていない者に販売・配布→3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人:1億円以下の罰金)

 

飼養関係

  • 許可なく飼養等をした場合(販売・配布目的)→3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人:1億円以下の罰金)
  • 許可なく飼養等をした場合(ペット等の目的)→1年以下の懲役または100万円以下の罰金(法人:5,000万円以下の罰金)
  • 偽りや不正をして飼育等の許可を受けた場合→3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人:1億円以下の罰金)

 

放出関係

  • 許可なく野外に放ったり・植えたり・撒いたりした場合→3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人:1億円以下の罰金)

 

なぜ、ここまで規制する必要があるの?

生態系への影響

  • 外来種が在来種を捕食し、在来種の数を減らしたり絶滅に追いやる。
  • 近縁の在来種と交雑して雑種を作ってしまい、在来生物の遺伝的な独自性を損ねる。

 

人の生命・身体への被害

  • 毒を持っている生き物にかまれたり、刺されたりする危険がある。
  • 本来。その地域や国に存在しなかった病気の発症や感染の危険が増える。

→例えば、「セアカコケグモ」はすでに日本で定着してしまっています。かまれると発汗・発熱などの全身症状や皮膚の壊死など重症化することもあります。

他にも、ヒアリにかまれるとアナフィラキシーショックにより死に至ることもある。

 

農林水産業の被害

  • 農作物を食べたり、畑を踏み荒らす。
  • 産業の対象となる生き物を捕食したり、危害を加える。

→アライグマによる農作物や建物損壊の被害などがあります。

 

そもそも、なんで「外来生物」が日本で増えているの?

外来生物とは、言葉の通り日本にはもともといない外国の生物ということになります。

*在来種とは、ある地方だけに長年飼育や栽培される品種。

 

《外来生物が持ち込まれた経路》

  • ペットや観賞目的
  • 牧草・野菜などの農作物や家畜・食用として持ち込む
  • 外国からの荷物に、紛れ込んで入ってくる

*外来生物の中には、農作物や家畜、ペットのように私達の生活に欠かせない生き物もたくさんいます。

 

「特定外来生物」に接する時は、正しい知識が必要!

  1. ペットとしてなど、飼おうとするときは主務大臣の許可が必要になります。
    →飼い続けることができない場合は、処分しなくてはいけません。(逃がせば処罰の対象)
  2. 見つけた特定外来生物は、許可なく生きたまま運搬してはいけません。(その場所の管理者や行政機関に相談)
    →仮に、捕まえた場合でもその場ですぐに放せば問題ありません。(魚釣りの場合でも、「キャッチアンドリリース」は条例で規制がなければ問題ありません)
    *釣った魚をその場で締めて持ち帰って食べても問題ない。
  3. 特定外来生物の駆除は、鳥獣保護管理法で捕獲が規制されている哺乳類と鳥類を除いて誰もが自由におこなうことができます。
    →ただし、特殊外来生物を生きたまま他の場所に運ぶことは禁止されています。

 

*このように、特定外来生物に対する取り扱いは徹底されています。

 

最後に

特定外来生物は、ペットや食用・展示用・貿易など人間の活動に伴って入ってきました。

勘違いしてはいけないことは、渡り鳥や海流にのって移動してくる魚や植物の種などは自然の力で移動するため外来生物・外来種ではありません。

  • 外来種:国内外を問わず、本来の生息地域とは違う地域に生息している生物。
  • 外来生物:国外由来の外来種のみ。

 

結局、人間の活動が今の現状を引き起こし「駆除」という形で封じ込め作戦をしています。そう考えると、人間ほど「特定外来生物」に当てはまる生物もいないのかもしれません・・・

→それとも自分たちで移動しているので、当てはまらない?

ただ、どちらにしても「生存競争」という意味では仕方がないのかもしれません。

脱線してしまいましたが、特定外来生物を見つけたら基本的に触らない方がいいでしょう・・・

また、子ども達が被害に合わないように注意していきたいですね。

 

→特定外来生物である「ヒアリ」については、こちらの記事で紹介しています。

特定外来生物の1つ「ヒアリ(火蟻)」 ‘’fire ant‘’と呼ばれる恐怖!


参考

環境省:日本の外来種対策
https://www.env.go.jp/nature/intro/1law/law.html

東京環境局
https://gairaisyu.tokyo/species/damage.html

 

 

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