新型コロナウイルスの患者数の増大により、日本政府はターチャー機を使って1/29日から中国湖北省武漢市から始まりましたが、今後も続きます。
帰国した方の中で、新型コロナウイルスの感染者が続々と確認されている状態ですよね。
その一方で、逆に日本から中国へ仕事で向かう日本人がいらっしゃいます。その家族のことを考えると、不安で仕方がないことでしょう。
今回は、中国に自由に出入りできてしまう「感染症危険情報」についてご紹介します。
「感染症危険情報」ってなに?
海外渡航する人にとって、現地の衣食住や言葉といった文化を事前に調べることは当然必要になります。旅行ではなく、仕事などでしばらく滞在(生活)するとなればなおさらですよね。
そんなとき、必ず確認する必要があるものが、感染症危険情報です。
この感染症危険情報で、そもそもその国に渡航できるかどうかの目安にすることができます。
海外安全情報
新型インフルエンザ等の危険度の高い感染症に対して、渡航・滞在にあたって特に注意が必要と考えられる国・地域に対して発出されます。
危険情報の4段階のカテゴリーを使用し、世界保健機関(WHO)等国際機関の対応や発生国・地域の流行状況、主要国の対応等を総合的に勘案して発出されます。
今回の場合で言えば、本来なら新型コロナウイルスにより影響が出ている国ほど、レベルが上がっていくことになります。
感染症危険情報の4段階のカテゴリー
レベル:1(十分注意してください)
特定の感染症に対し、国際保険規則(IHR)第49条によりWHOの緊急委員会が開催され、同委員会の結果から、渡航に危険が伴うと認められる場合等。
レベル:2(不要不急の渡航は止めてください)
特定の感染症に対し、IHR第49号によりWHOの緊急委員会が開催され同委員会の結果から、同第12条により「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」としてWHO事務局長が認定する場合等。
レベル:3(渡航は止めてください→渡航中止勧告)
特定の感染症に対し、IHR第49条に規定する緊急委員会において第12条に規定する「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」が発出され、同第18条による勧告等においてWHOが感染拡大防止のために防疫・渡航制限を認める場合等。
レベル:4(退避してください。渡航は止めてください。→退避勧告)
特定の感染症に対し、上記のレベル3に定めるWHOが感染拡大防止のために防疫・渡航制限を認める場合であって、現地の医療体制の脆弱性が明白である場合等。
さて、このように4段階に分かれていますが、WHOが判断していることが分かります。
さらに、それぞれのカテゴリーごとの表現に収まらない感染症特有の注意事項を、状況に応じて付記されます。
《付期事例》
- 商業便が運行停止になるなど、出国できなくなるおそれがある場合等
→「出国できなくなる恐れがありますので、(早期の)退避を検討して下さい」
- 現地の医療体制が脆弱で、当該感染症及びその他の疾病について十分な医療が受けられないおそれがある場合等
→「現地で十分な医療が受けられなくなる恐れがありますので、(早期の)退避を検討して下さい。」
- WHOの感染拡大封じ込め措置によって封鎖された国・地域の邦人に対し、同措置への協力を呼びかける場合等
→「現地の安全な場所に留まり、感染対策を徹底して下さい」
こういった内容が、必要に応じて付記されることになります。
ただし、国民の渡航・滞在を制限する強制力はなく、自己責任となります。
とはいえ、渡航中止勧告が発出されれば大きな企業であるほど、旅行中止や会社からの無理な出張要請を控えさせることができるでしょう。
何かあれば、それこそ人権問題に関わり会社への信用にも関わります。特に、今はネットですぐに情報が出回ってしまうため企業は慎重にならざるをえません。
ところが、レベルが引き上げられなければ、それを理由に中国への出張を会社から指示されるかもしれません。(すでに起こっています)
WHOによる緊急宣言
WHOは、1月31日に新型コロナウイルスの世界中への蔓延を受けて「緊急事態宣言」を発表しました。
これにより、ようやく中国本土へも渡航制限がかかり感染症危険情報レベルも3や4に引き上げられると思いましたが、なぜか「中国との貿易や旅行の制限」はしませんでした。
にも関わらず、「衛生環境への良くない地域への広がりを懸念」という内容も含まれていました。
これまでも紹介してきましたが、確かに新型コロナウイルスは世界中で拡散しています。ただ、2月2日時点でも中国でしか死者が報告されていません。→WHOの発表により、フィリピンで初めて武漢市からきた旅行者が2月2日に亡くなられました。
最初から現在(2/2)にいたるまで、爆発的に新型コロナウイルの感染が拡大し続けているのは中国だけです。このことは、厚生労働省が発表している1月31日時点の各国の感染者数と死者数からも明らかです。
つまり、そもそもWHOが発表している「衛生環境へのよくない地域への広がりの懸念」は現在進行形で中国本土で拡大し続けている「中国」だけにしか当てはまりません。
1国だけでこれ程の感染拡大をし続けていますが、中国への旅行すら制限しなかったため、今回の発表は「WHO自体の異常事態宣言」なのかもしれません。
それとも、「中国の感染者はまだまだ少なすぎて問題にならず、中国以上に例えばアフリカなどで爆発的に感染が広がった国が出て、初めてその国を渡航禁止にする」ということなのでしょうか?
最近で言えば、ついに1名の感染者が報告されている人口第2位(約13億人)のインドで感染拡大?
どんな理由があるにしても今回、WHOの中国への配慮としか思えない宣言から、WHOの懸念がSNS上で拡散されています。
*WHOは、「全世界の人々の健康を守る」ために1948年4月7日に設立された国連の専門機関。
結局、中国での「感染症情報」はどうなっているの?
中国と一言でいっても広大ですよね。外務省のHPを確認するとこのようになっています。
更新:1月31日時点
- 中国湖北省全域(武漢市がある省):レベル3(渡航中止勧告)
- 上記以外の地域:レベル2(不要不急の渡航は止めてください)
中国には23の省があり、その内の1つの省だけが渡航中止勧告が出ているということです。つまり、他の22の省にはレベル2までしかでていない状態です。
→レベル2ですので、あくまでも「緊急事態を懸念」しているだけの段階です。
すでに、中国本土にまで拡大しているため、いつ湖北省のように封鎖されるかも分からない状態だと思うのですが・・・
*2月2日12時点のWHO発表で、フィリピン内で武漢市からの旅行者が亡くなられたということは、中国国外で初めての死者となります。
最後に
新型コロナウイルスの致死率は約3%という感染症です。
ですが、WHOが懸念しているように衛生環境への良くない地域(中国)は、感染がどんどん拡大しています。さらに、中国からの旅行者などによりさらに世界中にまで広がっていることは明らかです。
なにが言いたいかといえば、同じ感染症であっても国によりその危険性はまったく違うということです。
日本で新型コロナウイルスの予防や治療をするのと、中国で予防や治療をするのとでは「物資の数・人口・日本の約26倍という広さなど、まったく別物」になってしまいます。
「一党独裁」という政治的な部分も、日本とは違います。
中国本土がいつレベル3になるのか分かりませんが、感染拡大はこれからも増えていくでしょう。
そして、すでに「中国が・・・」という段階は越えていますが、発生源を止めなければいつまでも続いてしまうでしょう。「変異」が起こる前に、終息すればいいですがまだまだ未知数の感染症です。
→「変異」については、こちらの記事で紹介しています。
参考
外務省海外安全ホームページ
→https://www.anzen.mofa.go.jp/masters/kansen_risk.html
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