「自転車は、基本的に歩道を走ってはいけない!」ということは、皆さん聞いたことがあると思います。
とはいえ、歩道を進まなければ正直、危険なことがたびたびありますよね・・・
今回は、「自転車が歩道を走れる条件」についてご紹介します。
そもそも自転車に罰則ってあるの?
そもそも自転車は、道路交通法上では車やバイクなどと同じ「車両」の一種である「軽車両」という分類になっています。
つまり、自転車であっても違反すると罰則があり「罰金」や「懲役刑」などもありますが、平成27年からは「自転車運転者講習制度」まで始まっています。
→「自転車の罰則については、こちらの記事で紹介しています。
→自転車運転者講習については、こちらの記事で紹介しています。
簡単に言えば、車と同じで違反をすれば罰金や懲役刑がある。そして、場合によっては自動車のように講習を受講することになります。このように、いつの間にか自転車の取締りはどんどん厳しくなっています。
つまり、「自転車だし大丈夫!」と甘く見ているととんでもないことになります。
それでは、自転車は本当に車道を走るしかないのでしょうか?
そもそも、「自転車」とひと言でいっても区別がある!
道路交通法では、自転車には「普通自転車」と「普通自転車以外の自転車」が存在します。つまり、あなたの自転車がどちらに当てはまるかをまずは確かめる必要があります。
もちろん、どちらにしても軽車両なんですが・・・
それでは、「普通自転車」にはどんな基準があるのでしょうか?
普通自転車の定義
道路交通方第63条の3
普通自転車とは「一般に使用されている自転車で、車体の大きさ及び構造が内閣府で定める基準に適合する二輪又は三輪の自転車で、他の車両(リヤカー)を牽引していないものをいいます。」
内閣府が定める基準はこちら!
《車体の大きさ》
- 長さ:190㎝以内・幅:60㎝以内。
《車体の構造》
- 側車を付けていないこと。(補助輪は除く)
- 運転席以外の乗車装置を付けていないこと。(乳幼児乗車装置を除く)
- ブレーキが、走行中容易に操作できる位置にあること。
- 歩行者に危害を及ぼす恐れがある鋭利な突出部がないこと。
つまり、上記以外の自転車は「普通自転車」ではありません。
例えば、「車体の大きさ」や「構造」が普通自転車の基準だったとしても・・・
- 前輪・後輪の両方にブレーキが付いていないまたは壊れたといった自転車。(時速10kmで3m以内で円滑に停車できる必要がある)
- 前照灯が付かない・後部反射器部(または尾灯)がないもの。
この時点で、罰則の対象になります。
《前照灯の条件》
- 白色か淡黄色
- 夜間、前方10mの距離にある交通上の障害物を確認することができる。
《尾灯の条件》
- 赤色
- 夜間、後方100mの距離から転倒を確認することができる光度がある。
《後部反射器材》
- 橙色(だいだい)又は赤色
- 夜間、後方100mの距離から自動車の前照灯で照射した場合にその反射光を照射位置から容易に確認できる。
このように、普通自転車の規格は細かく決められています。それでは、あなたの自転車が「普通自転車だった」として、歩道は走れるのでしょうか?
自転車は歩道を走れるの?
まず、道路交通法第17条にはこんな定めがあります。
車両は、歩道又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第四十七条第三項若しくは第四十八条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。
とあります。
つまり、自転車も「車両」である以上は原則として、車道を走らなくてはいけません。
*ちなみに、車であっても「車道外の施設や場所」・「決められた場所で駐停車するため」といった場合は、歩道の進入は許されています。
とはいえ、なんでもかんでも「自転車=車道・・・」では危険なことはいうまでもありません。
そこで、自転車が歩道を走れる場合が存在します。
自転車が歩道を走るには?
- 道路標記等で指定されている場合
- 運転車が児童(6歳以上13歳未満)・幼児(6歳未満)の場合
- 運転者が70歳以上の高齢者の場合
- 運転者が一定程度の身体の障害を有する場合
- 車道又は、交通の状況から見て、やむを得ない場合
「やむを得ない場合」というのは、誰が見ても「車道を走るのは無理!」という状態です。
つまり・・・
- 路上駐車車両が多く、かつ右側に避けることが困難。
- 自動車の交通量が著しく多く、かつ車道が狭い。
- 自動車を用いた暴行行為(煽り運転・幅寄せなどの危険運転・理由もなくクラクションを鳴らすなど)を行なう者がいる場合。
ようするに、物理的に車道を走れない場合ということです・・・
自転車道を整備する方が先だと思うのですが、そうなっていないところも現実的にはありますよね。
*ちなみに、自転車が歩道を走る=歩行者用の信号 / 自転車が車道を走る=車道用の信号(車と同じ)というルールがあります。
また、「自転車から降りて押す=自転車は歩行者になるため歩道を歩ける」・「原付もエンジンを切って押す=原付は歩行者になるため歩道を歩ける」
自転車ルールも厳密にみていくとかなり複雑なことがわかります。ここに手信号まではいってきたら、なにが何やら状態になります・・・
子どものせ自転車も例外なく車道を走らないといけないの?
場合によっては、自転車が車道を走れることは分かりました。ただ、ここで1つ疑問がありました。
例えば、子ども2人を幼児用自転車に乗せたお母さんをよく見かけませんか?
「幼児を2人自転車に乗せたお母さん」というのは、私の妻なんですが・・・
個人的には、歩道を走って欲しいわけなんです。
というのも、子どもを二人乗せてさらに買い物袋を自転車カゴに乗せれば自身の体重も合わせて、重量は90kg近くになります。
いくら電動アシストが付いているとはいえ、見ているとやはりふらついていることがよくあります。
ただ、残念ながら例外はなく歩道に標識がなければ、基本的には車道を走らなければなりません・・・
最後に
自転車ルールは厳しくなり、それにともない自転車保険の義務化もどんどん進んでいます。
自転車は、なくてはならない物であるため、厳しいルール化は仕方がないのかもしれません。ただ、そのルールがかえって命に関わるような状態になるようなら、整備し直さなくてはいけないでしょう。
また、「年齢によっては、歩道を自転車が走っても良いことを知らない人」が多いため、思わぬお叱りを受けることもあるでしょう。
逆に、車道を走っていると自動車からクラクションを鳴らされたりと、自転車は原付バイクと同じで、嫌われ者になることが多々あります。
「法律が・・・」という前に、そもそも周知されていないことで起こる問題の方が多いのかもしれません。
注意するにしても、正しい知識をもってしないと、あなたが間違った注意をして取り返しが付かないことになるかもしれません。
→「13歳未満の子ども(小学生)」や「70歳以上の高齢者」に車道を走るように間違った注意をするなど。バランスを崩して車にひかれれば誰の責任になるのでしょうか・・・
自転車は身近な物であるだけに、自転車の正しい知識の向上は「警視庁や弁護士・学校など」さまざまなところで図られていますが、まだまだ不十分なようです。
少しでも早く、周知徹底されることが求められています。
参考
シェアしたくなる法律相談所
→https://lmedia.jp/2017/01/28/74742/
コメントを残す