以前、介護の仕事をしているときに、突然、「声が出なくなった」ことや「耳が遠くなったり」と、腰痛や手首の腱鞘炎以外にもさまざまな症状に何度も悩まされながら働いていました。
さて、そんな症状のなかで、「右目の瞼(まぶた)」だけがピクピクと勝手に動いてしまう症状がありました。
今回は、そんなまぶたが動く症状「眼瞼痙攣と眼瞼ミオキミアの違い」についてご紹介します。
右瞼がピクピク動く?
実は、「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」も「眼瞼ミオキミア」もどちらも同じような症状があらわれます。
それでは、この2つはそもそもどういった病気なのでしょうか?
眼瞼痙攣
眼瞼痙攣は、両目のまぶたが上下とも等しく痙攣します。
「ミオキミア」よりも早く痙攣しますが、個人では比較のしようありませんよね・・・
私が介護現場で働いていたとき、利用者さんの中に眼瞼痙攣の診断を受けた方(女性)がいらっしゃいました。
その方は、いつも瞼をかたくつむっておられ、目を開くには自分の指で瞼を開けることで物を見られていました。
あるとき、手術をされ、一時的に瞼を開けることができるようになられていましたが、しばらくすると元の状態に戻られていました・・・
→何度か、アイテープを上瞼に貼り付けて瞼を開けるお手伝いもしていました。
さて、この眼瞼痙攣は「神経質な人」や「几帳面な人」に多く、原因のほとんどはストレスと言われています。
そして、症状が進行すると私が介護していたこの利用者さんと同じような症状が出現してしまいます。
進行していく症状とは?
- 瞼が頻繁に痙攣するようになる⇒目をうまく開けられず、物や人にぶつかるなど支障が出る
- 自分の意思で瞼が開けられなくなる。⇒視力には問題ないが、機能的に盲目の状態になる
→通常は、両目に起こるが左右差が出ることも珍しくないようです。
気をつける目の症状は?
- 目が開けにくい
- 目が疲れると瞼がピクピクする
- テレビやパソコンがまぶしくて見づらい
- ドライアイを治療をしているのによくならない
- 意図せず頻繁に片目をつぶる
- 意図せず口元がピクピクする
- まばたきの回数増加⇒目の痛みや乾燥もないのにまばたきが増加し、物が見えづらい。
- まぶしく感じる⇒普通の照明の下でもまぶしく感じる。
こういった状態があれば専門医に相談する必要があるようです。
ちなみに、放っていても治る病気ではありません。(50~70代の女性に多い)
つまり、眼瞼痙攣は両眼性の疾患で、瞼が開けにくくなることが一番の特徴です。(瞼がピクピクするのは、症状の1つでしかない)
*40歳未満の患者さんの場合は、「向精神薬や睡眠導入剤などによる薬物」や、「化学物質などの外来因子の暴露」が原因になっていることもあるようです。
とはいえ、治療法は存在しています。
治療法とは?
原因となっている異常が見つからない場合、治療法として、ボトックス療法があります。
これはボツリヌス菌が産生する毒素を少量ずつ局所注射する治療で、薬物の効果で筋肉の収縮が弛緩することで効果が発揮されます。
しかし、1回の注射の効果の持続時間が約2~3か月で、効果が切れた場合、再度注射が必要になることがあります。
つまり、介護していた利用者さんは効果が2~3ヶ月で切れたため、再度注射が必要になったことが考えられます。
その後、私はケアマネとして別の部署に移動したため、再度手術されたのか分かりません。
それでは、眼瞼ミオキミアについて見ていきましょう。
「眼瞼ミオキミア」ってなに?
「ミリオネア」ではなく、この「ミオキミア」は筋波動症のことです。
といっても、さらに意味が分かりませんよね。
筋波動症というのは、皮膚や粘膜表面に持続的に見られる「揺れ」のような「うねり」のような動きがある症状のことをいいます。
つまり、波のように動く症状から「波動症」と呼ばれます。まるで、必殺技の名前みたいですね・・・
それが、眼瞼で現われると言うことです。
そもそも、「眼瞼(がんけん)」つまり「瞼(まぶた)」を動かす筋肉は・・・
- 目の周囲にある「眼輪筋」
- 上瞼を引き上げる「上限瞼挙筋」・「ミュラー筋」
があり、それぞれが顔面神経・動眼神経・交感神経の異なる神経が支配することで、入れ替わりながら「まばたき」という複雑な動きを私達は無意識におこなっています。
ところが、眼瞼ミオキミアはまぶたの下にある眼輪筋が、さざ波のようにピクピクと動いてしまいます。そのため、眼瞼ミオキミアは、眼輪波動症
とも呼ばれます。
さて、それでは眼瞼ミオキミアの症状について見ていきましょう。
眼瞼ミオキミアは放っておいたら危険?
そもそも、眼瞼痙攣のように放置して、眼が開けられなくなるということはないようです。
なぜなら、「眼瞼痙攣」は進行性の病気ですが、「眼瞼ミオキミア」の症状はまぶたの痙攣だけで、部位が拡がることもないためです。
つまり、進行性の病気であるかどうかがポイントになります。
それでは、どうして眼瞼ミオキミアは引き起こされるのでしょうか?
治療は必要?
- 寝不足
- ストレス
- 眼精疲労
- カフェイン・アルコール摂取
などが、原因とされています。また、ほとんどが一時的な症状で治療の必要がありません。
→眼の周囲を温める・睡眠を十分にとる・アルコールやカフェインを控えることで症状が改善する。
他にも・・・
- まぶたの炎症
- 角膜の傷
- 逆さまつげ
こういったことが原因で引き起こされることもあります。
最後に
今回は、「眼瞼痙攣」と「眼瞼ミオキミア」の違いについて調べて見ました。
さて、私が介護職員のときに経験した右まぶたの痙攣は、「片側にしか症状がなかったこと」や「まぶしさ等も感じなかった」ため、眼瞼ミオキミアだった可能性が高いことが考えられます。
ただ、診断できるのは医師だけですので本来なら、2週間以上まぶたの痙攣が続くようなら眼科で詳しく検査を受ける必要がありました。
今から考えると、休みの日は疲れすぎて寝て終わっていたので、どちらにしても受診は難しかったですが・・・
ストレス・生活習慣・職業病など、変調の原因はさまざまですが、体に異常があればその都度治していかないと、元に戻らなくなるかもしれません。
主治医を持つことができれば心強い存在になってくれるでしょう。
参考
時事メディカル:気になるまぶたのけいれん―眼瞼ミオキミア自己診断は禁物
→https://medical.jiji.com/topics/1249
つじもと眼科クリニック
→http://www.tsujimoto-ganka.com/keiren1.html
池袋サンシャイン通り眼科診療所:193.眼瞼痙攣と眼瞼ミオキミアの違いについて
→http://www.ikec.jp/mailmag/mailmag-1451/
コメントを残す