●この記事では、花粉症と新型コロナウイルスの症状の違いについてお伝えしています。
前回、コロナ禍により「くしゃみの意識」が大きく変わったことを示した、「ノバルティス ファーマ株式会社が実施したアンケート結果」についてご紹介しました。
ただ、すでにくしゃみが増える時期に突入しています。
今回は、「その症状、花粉症?コロナ?」についてお伝えします。
→「くしゃみの意識調査」については、こちらの記事で紹介しています。
花粉症のおさらい!
「花粉症の時期」になると、慣れている人からすれば「受診」・「マスクの装着」・「市販薬」など、それぞれが慣れた対処方を毎年されるのではないでしょうか?
それでは、花粉症の時期がいつか知っていますか?
基本的には、春先にピークがくる「スギ」や「ヒノキ」が飛散する2月~4月頃をイメージするのではないでしょうか?
実際、鼻アレルギーの全国疫学調査2019によれば、日本人の約38.8%がスギ花粉症だという調査結果もあるほどです。
とはいえ、実際は花粉症の原因となる花粉:「スギ花粉」・「ヒノキ花粉」・「ブタクサ花粉」をはじめ、1年中飛散しています。
つまり、1年中どこかで花粉症で悩まされている人がいます。
花粉症の注意点は?
花粉症の注意点は、このコロナ禍では特に気をなければならないでしょう・・・
それでは、花粉症にはどんな症状があるか考えて見ましょう。
そもそも、花粉症はアレルギー反応!
「日本には、抗原となる花粉が50種類ある」と言われていますが、この花粉が・・・
- 目や鼻の粘膜から侵入
- リンパ球が花粉を侵入者と認識
- リンパ球が「IgE抗体」
- 再度、花粉が侵入
- ヒスタミン(化学物質)が分泌され、花粉を追い出そうとする(アレルギー反応:花粉症)
この結果、花粉症の症状が出ることになります。
また、アレルギー反応ですのでいつ発症するか分からず、そもそも日本では「4人1人が花粉症」とも言われており「国民病」と呼ばれることまであります。
花粉症の症状と言えば・・・?
そんな花粉症の症状は、「くしゃみ」・「鼻水」・「鼻づまり」が三大症状として有名ですよね。
ちなみに、花粉症は大きく3つのタイプに分けられています。
- 「鼻水」と「くしゃみ」がひどいタイプ:抗ヒスタミン薬
- 「鼻詰まり」がひどいタイプ:ロイコトリエン拮抗薬
- 1・2 両方の症状がひどいタイプ:ステロイド剤
このように、治療法は症状によって違うためこういった対処療法が必要になります。
とはいえ、すでに根本治療としてすでに療抗原から抽出したエキスを体内に取り入れて、体を徐々に抗原に慣れさせていく「減感作(げんかんさ)療法」もあります。
さらにいえば、「初期療法」と呼ばれる花粉が飛び始める2週間程度前から薬による治療を始めれば、症状が出ることを遅らせたり、症状を軽くしたりできる可能性もあります。
それでは、この花粉症の症状と新型コロナウイルスによる症状の違いは分かりますか?
花粉症状と新型コロナウイルス症状の違いは?
一般社団法人 白河医師会では、いくつかの病気の症状別に表にされています、その中には、「花粉症」と「新型コロナウイルス」について表にされています。
この表では、それぞれの病気の症状別に「頻繁」・「ときどき」・「少し」・「希に」・「なし」に分類されています。
花粉症の症状
- 頻繁にある症状:鼻水・くしゃみ・涙目
- 症状がない :息切れ・悪寒・下痢・喉の痛み・味覚・嗅覚の異常・胸の痛み
新型コロナウイルスの症状
- 頻繁にある症状:「咳」・「熱」・「息切れ」・「悪寒」の4つが示されています。
- 症状がない :涙目
このように示されています。
→「嗅覚障害」については、花粉症でもあることが示されている東京新聞の記事もあるため一概には言えません。
ただ、花粉症でも「ときどきの症状」として咳・熱・倦怠感・頭痛・息切れが発生することが示されています。
つまり、そもそも「花粉症」と「新型コロナウイルス」の区別は、かなり難しいことが分かります。
そもそも、「無症状であっても感染している場合がある」といわれているため、新型コロナウイルスに感染している無症状の人が、花粉症によりアレルギー症状を引き起こせばどうなるでしょうか?
当然、周囲の人達にウイルスをばらまくことになってしまいます。
そもそも、花粉症により目の痒みなどの症状が現われれば、あなたは目を擦ってしまうのではないでしょうか?
つまり、花粉症は「本人の新型コロナウイルスの感染リスク」と「周囲への感染リスク」の両方を高めてしまうことが指摘されています。
隣でくしゃみをした人が・・・
- 「花粉症」なのか「新型コロナウイルス」か判断が付かない。
- 花粉症によるくしゃみだったとしても、新型コロナウイルスに感染していない証明にはならない。
ということで、今年は花粉症に対する風当たりが強くなるかもしれません・・・
このことは、冒頭でお伝えした前回記事にした「くしゃみに対する意識調査」でも同じような結果が出ています。
最後に
今回の記事で、不安にさせる意図はありません。
ただ、事実として花粉症を例年と同じように考えていると、思わぬしっぺ返しを被る可能性があることをお伝えしたかっただけです。
そもそも、厚生労働省が発表している新型コロナウイルス2021年1月6日18時点の年代別の死亡率をご存じでしょうか?
- 10歳未満・・・0%
- 10代 ・・・0%
- 20代 ・・・0%
- 30代 ・・・0%
- 40代 ・・・0.1%
- 50代 ・・・0.3%
- 60代 ・・・1.4%
- 70代 ・・・4.5%
- 80代以上・・・12.3%
さらにいえば、死亡率が最も高い80代以上の年代であっても死亡率は1割程となっています。
ただ、そもそも80代以上となればこれまでなら「天寿を全うした」と言われていました。
ちなみに、厚生労働省によれば2020年11月時点の新型コロナウイルスによる「重症化する割合は1.6%」・「死亡する割合は1.0%」となっており、以前よりも低下しています。
さて、 医療法人社団エムズによれば、「季節性のインフルエンザの致死率:0.1%程度」・「2009年に流行した新型インフルエンザの致死率:0.01%程度」とされています。
つまり、インフルエンザよりも新型コロナウイルスの方が致死率が高いことが指摘されています。
ただ、年代別の死亡率の統計を見れば分かるように新型コロナウイルスは高齢者が中心の病です。
この点から分かることは、コロナ対策の大きな目的の1つは「高齢者のための安全対策」ということです。
無闇に怖がるのではなく、まずは誰を守るための対策をしているのか、理解して行動するようにしてみてはいかがでしょうか?
参考
ドクターファイル:花粉症
→https://doctorsfile.jp/medication/69/
花粉症ナビ
→https://www.kyowakirin.co.jp/kahun/about/mechanism.html
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