皆さんは、「お好み焼き」や「パンケーキ」といったいわゆる粉物を作ることはありますか?
我が家では、息子がパンケーキが特に大好物で、男性でも簡単に作れるため度々作るのですが・・・
「粉」の保存方法を間違えると、本当に大変なことになりかねません。
今回は、そんな「パンケーキシンドローム」についてご紹介します。
「パンケーキシンドローム」ってなに?
日本ではパンケーキ症候群とも呼ばれていますが、かなり気持ち悪いだけでなく、とても危険な病気です。
しかも、知らない(無知な)ことで起こるため、場合によっては「知らないことが罪になる」そんな代表例になります。
さて、パンケーキシンドロームとは、パンケーキを食べ過ぎることによる神経症ではなく、ダニを食べることで、発症します。
*ヒョウヒダニ類の混入による経口ダニアナフィラキシーの症例は、1993年に初めて報告されました。つまり、命を落とす場合もあります。
「ダニ」なんて家にいない?
さて、ダニは小さいため基本的に目にすることはありません。目に見えないから、「ダニなんていない!」と感じている人もいるかもしれません。
ですが、残念ながら家中の至る所に、ダニは生息しています。
どれくらい生息しているかについては、株式会社エフシージー総合研究所の調査結果からご紹介します。
ダニ繁殖の調査
都内の「戸建住宅」と「集合住宅」の2宅で実施。
- 戸建住宅:本や資料が足の踏み場もないほど散乱。掃除が行き届かず、ハウスダストの貯留が目立つ状態。
- 集合住宅:2DKのマンションで、ハウスダストの貯留は目立たない状態。
さて、整理整頓が「ある程度行き届いている部屋」と「整理整頓がまったくできていない部屋」ということも出来ますが、結果はどうなったのでしょうか?
《戸建住宅》
5ヶ所調査(ベットの上・下、リビングの床、床に積まれた本、本棚)
- ダントツで多かったのがベッドの下で、1gあたり1,405頭というとてつもない数のダニが発見。
- 次いで、床に積まれた本→900頭/g
- 本棚→632頭/g
かなりの数が存在しています。「部屋が掃除できていないから、大繁殖している!」とも言えますが、それでは整理整頓が出来ている集合住宅はどうなっているのでしょうか?
《集合住宅》
3ヶ所調査(寝室の床・押し入れ・リビングの棚)
- リビング棚→533頭/g
- 押し入れ →316頭/g
きれいにしている部屋でも、寝具や床以外の場所から数百を越えるヒョウヒダニが見つかりました。
このように、私達はとてつもない数のダニと共存しているにもかかわらず、気付かずに一緒に生活しています。
それでは、なぜパンケーキシンドロームが「気持ち悪いこと」になっていると思いますか?
なんでダニが体内に・・・
パンケーキシンドロームは、「ダニを食べることで発症する!」と冒頭でお伝えしました。それでは、なぜ食べてしまうのでしょうか?
「浮遊しているダニの死骸などを吸引して?」
「寝ている時に口に入ってくる?」
まあ、そういったこともあるでしょう・・・
結論からいえば、小麦粉やホットケーキミックス、お好み焼き粉などいわゆる「粉物」のなかに大量に入っていることがあります。
なにが気持ち悪いって、減っているはずのホットケーキミックスが・・・
「あれ?なんか増えてる?ラッキー!」みたいな。
他にも、「なんか、粉が動いているような?疲れてるな・・・」なんて。
「気付いた時点で捨てろよ!」
と突っ込まずにはいられないことが起こっています。
ダニが繁殖!?
パンケーキシンドローム(パンケーキ症候群)は、ホットケーキミックスなどの元に混入したダニが袋の中で増殖することで発生します。
それと気付かず、いや、使う前にちゃんと見ていればダニは見えなくても粉の「?」変化に気付くはず。たぶん・・・
気付かずにそのまま使用して、「大量にダニを食べてアレルギー症状を引き起こす」という、特に精神的に「ザワッ!!」とする恐ろしい病気です。
場合によっては、命を落とします。
*アレルゲンが、口から胃を通り腸から吸収されていくため、発症までに食後約1時間かかる。
そして、腹痛の症状だけでなく・・・
《症状》
- じんましん
- 呼吸困難
- 顔面紅潮
- 眼球充血
- ぜん息
- 咳嗽
- 呼吸困難
など、こういったアナフィラキシー症状が発生する場合があります。(一目で異常事態が分かる状態)
「アレルギー性鼻炎」や「気管支喘息」など、ダニに対するアレルギー症状がある人は特に注意が必要です。
なんとしても対策したい!
①「粉物」にダニを繁殖させない!
ダニは、常温多湿でよく繁殖します。特に、梅雨の時期はダニの天国といえます。とはいえ、家庭内にいれば凍えることはないため、1年中どこにでもいますが・・・
つまり、開封後も常温で保管した場合ダニにとっては目の前にごちそうがある状態です。例えば、アリが餌を見つければ集団で巣穴に持ち帰るますよね・・・
一方ダニは、そのまま(粉物の袋の中で)生活を続けます。
さらに気持ち悪い一文を書きますので、無理な方は飛ばして下さい!
⇊
⇊
⇊
ダニは、約40日程で成虫になり産卵します。つまり、1ヶ月も経てば爆発的に増えているということになります。(3ヶ月で100倍になることも)
つまり、ダニに繁殖された粉物を放置すればするほど、「粉を食べているのか」「ダニを食べているのか」分からない状態になります。
そして、火を通しても防ぐことができません・・・
⇊
⇊
⇊
《どうしたらいいの?》
開封して残った粉は捨て・・・ないで!
一人暮らしには、なおさら貴重なタンパク源です!
→私自身も「うどん」の次に幾度となく助けられた、まさに救世主のような食物です。
ダニは、常温多湿で発生します。つまり、残ったら密閉容器に入れて冷蔵庫に保管して下さい。袋の口を輪ゴムで軽く縛ってもあまり意味がありません。
そもそも、ダニが目の前にいるのに餌を無造作においておくのは危険極まりません・・・
→粉類は、1ヶ月以内に使い切ることが大切です!
*もし、常温で保管している開封された粉物があれば、残念ながら捨てた方がいいでしょう。
②そもそもダニを減らす!
最初に断っておきますが、自宅内のダニを根絶することはほぼ不可能と考えた方がいいでしょう・・・
ただ、数を減らすことは出来ます。
先程の実験結果からも、寝室にダニが多いことが分かります。そのため、寝室は特に対策が必要になります。
とはいえ、布団を片づけるだけで、ただでさえ浮遊しているダニが布団の上げ下ろしだけで普段の1000倍ものダニが空気中に舞うことになります。
《なぜ天日干し?》
寝具にもダニが増殖しているため、毎日掛け布団を上げて、マットレスや敷き布団に毎日空気を通して天気のいい日は天日干しにする必要があります。
ご存じの方も多いと思いますが、天日干しでダニを殺すことは出来ません(ダニは、50℃~60℃以上を20分以上継続できなければ死滅しない)。
真夏の炎天下に車中に干せばできるかも・・・
では、なぜ天日干しをすると思いますか?
それは、湿気を取るためです。
寝ている間に、私達の汗(ペットボトル約1本分)を布団がどんどん吸収
⇊ ⇊
布団は多湿になりダニが繁殖
このサイクルをとめるために、ダニが嫌がる環境にする目的で天日干しが必須になります。(もう一度お伝えしますが、ダニを死滅させるためじゃないですよ・・・)
→天日干し後は、布団たたきなどで布団を叩かずに、掃除機などで吸って下さい。
また、寝具を掛ける前にも寝具の表面を掃除機で吸い取って・・・
と、なにかと掃除機が大活躍しますが、ここまでやってもダニは減少しますが、いなくはなりません。ただ、アレルギーが発生しない程度には減少させることができます。
というわけで、知らない間に私達は「ダニ」やダニの「糞」や「死骸」を吸い込んでいます・・・
布団乾燥機が話題になるのも分かりますね・・・(購入するときは、60℃以上に設定できる物)
*「万年床」が危険な理由が少し分かっていただけたでしょうか?
最後に
「パンケーキシンドローム」という、一見おいしそうな名前?
ですが、「知らないことが罪になる」そんな内容ではないでしょうか。
知らずにダニが繁殖している粉を家族に食べさせて、病院に運ばれる・・・
そんなことがあれば、知っている人からすればそんな物を調理に使って子どもに食べさせるなんて、「ありえない!」ことでしょう。
とはいえ、常識が変わることやそもそも知らないことばかりです。まずは、知る所から初めて見てはいかがでしょうか?
参考
広島県医師会
→http://www.hiroshima.med.or.jp/kenmin/monshin/011893.html
品川シーサイド 皮膚・形成外科クリニック
→http://shinagawaseasideclinic.com/skin/atoz/ha/pancake.html
株式会社エフシージー株式会社
→https://www.fcg-r.co.jp/compare/enviro_140627.html
日革研究所
→https://nikkaku-j.com/countermeasure/sundrying_of_futon
コメントを残す