●この記事では、「ワイヤ施錠は器物損壊?」についてお伝えしています。
皆さんは、自転車に乗られていますか?
駐輪場から出るときは、ちゃんと自転車に施錠をしていますか?
さて、多くの方がご存じだと思いますが、自転車の盗難は後を絶ちません。
今回は、そんな「自盗車盗難のために実施された山形県警の啓発活動」についてご紹介します。
そもそも自転車盗難について、警察から注意喚起がなされている!?
例えば、山形県警に限らず例えば愛知県警察では・・・
無施錠は狙われています。短時間であっても必ず施錠をしましょう。また、敷地内でも必ず施錠しましょう。
また、滋賀県警では・・・
滋賀県における自転車・オートバイ盗の認知件数は、例年、刑法犯認知件数の約2~3割を占めており、私たちにとって、とても身近な犯罪
として注意喚起されているなど、こういった注意喚起は全国どこの警察でも実施されているのではないでしょうか?
それでは、実際に山形県警が実施した「自転車盗難を防ぐ啓発活動」とはどういった内容だったのでしょうか?
「愛錠(あいじょう)ロック活動」?
山形新聞を確認すると・・・
2020年の高校生ら少年少女の被害の半数以上は駅周辺だった。被害全体の約8割は無施錠で、同課の担当者は「『急いでいた』『すぐ戻る』『面倒』などの理由で鍵を掛けず被害に遭っている」と注意を促す。
と、山形県警生活安全企画課がまとめていることが紹介されていました。
つまり、子ども達の自転車盗難被害だけをみても半数以上は駅周辺で、しかもその中で施錠されていた自転車は2割程度しかなかったことが分かっています。
そこで、山形県警が2021年4月に実施した対策が「愛錠ロック活動」でした。
どんな活動?
「山形署の警察官」と「少年補導専門員」が、JR北山形駅の駐輪場に駐輪してある無施錠の自転車に一時的にワイヤ錠を取付けるという活動でした。
→少年補導専門員は、少年の非行防止活動を目的として、専門的な知識と技能を生かして
- 非行少年等の発見及び補導
- 保護者等からの少年相談
- 広報活動
- 少年非行を防止する
ための活動等に従事する警察の専門職員のことです。
ただ、無施錠の自転車に勝手にワイヤ錠を取付けるため高校生達に動揺は見られたようでしたが・・・
とはいえ、「上山署や駅の交番に連絡するよう書かれた札」が付けられており、すぐに解錠される対応がなされていました。
「器物損壊罪」に当たる可能性がある!?
今回の山形県警の対応が、器物損壊に当たるかは分かりません。
ただ、一般的にこういった行為をしてしまうと、器物損壊罪に当たる可能性があるようです。
弁護士ドットコムニュースを確認すると・・・
他人の自転車に持ち主に無断でワイヤーロックを取りつける行為は、器物損壊罪になる可能性があります。
と、はっきりと示されています。
一般的に、「損壊」と聞くと壊してしまう行為をイメージするのではないでしょうか?
ところが、この「損壊」の意味はもっと広い意味で解釈されており、使いものにならなくする行為も当てはまると考えられています。
つまり、壊していなくても自転車に勝手にワイヤを取付けてしまうと乗れなくなるため、「器物損壊」に当たる可能性があるということです。
ところで、もしも自転車が通行の邪魔になっている場合は邪魔にならない場所に移動させることがあるかもしれません。
例えば、車イスの方が通れない様子をみて邪魔な自転車をあなたがどかしたとします。
ただ、「自転車の所有者が探し出せない場所に移動」させたりすると
- 窃盗罪
- 損害賠償の請求
といった可能性があります。
そのため、「近くに移動」したり「移動先を表示」する必要があります。
と言うことで、山形県警が実施した愛錠ロック活動は、一見実力行使のように見る人もいるかもしれませんが・・
- 駐輪場に署員がいる
- 自転車に連絡先の札が付けられている
という、所有者に分かる形で示されていました。
最後に
自転車の盗難は、残念ながら当たり前にあります。かくいう私も、これまでに自転車盗難の被害に遭っています。
自転車は、何度も気軽に買い換えるような物ではないですよね・・・
また、買い換えるにもすぐに購入できるとは限りません。
なにより、盗難に遭うとかなりのストレスがありますし、しばらく周辺を探し回ることになります。
自転車の盗難を経験しているからこそ言えるのですが、山形県警の啓発活動は合法的な最も分かりやすい取組だったのではないでしょうか?
確かに、突然自転車にワイヤ施錠されていたら大変ですが・・・
少なくともイタズラではなく、目的がはっきりした啓発活動の一貫として実施されました。
自転車の盗難には、十分にご注意下さい!
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