「スマートキー」安全神話 ~リレーアタックで簡単に愛車が盗まれる!?~

 

あなたの車はスマートキーを使っていますか?

防犯防止の強い味方とおもっていたのですが、なんと他人に勝手に車を開けられて盗難されるという事件が海外では頻発していました。そして、とうとう日本でも被害報告が出てしまいました。

私の車もスマートキー使用です。

また、子ども達のためにチャイルドシートが後部座席に2台付いています。

車がないとかなり不便なため、もし盗まれでもしたらと思うとゾッとします。

今回は、そんなスマートキー対応の車になにが起こっているのか紹介していきたいと思います。

 

スマートキーはなぜ安全といわれていたの?

そもそも「スマートキー」とは、ポケットやバッグに鍵をいれたまま「車の扉ノブを触る」・「扉ノブのボタンを押す」などして、車のキーを直接操作しなくても車の開閉ができてしまう鍵のことです。

RJA1988 / Pixabay

①スマートキーからの電波は非常に微弱で、半径50㎝以内~1m以内と非常に狭い。
②スマートキーがないとエンジンがかけられない。(エンジンもボタンを押すだけ)
③スマートキーは、キーと車体が電波を送受信する仕組みになっており暗号化されていて勝手に開けられない。

といった特徴があります。

ちなみに、鍵に開閉ボタンが付いているだけの鍵を「キーレスキー」といいます。実家の車がキーレスキーだっため私はスマートキーだと最初、勘違いしていました。

→キーレスキーとは、キーをテレビリモコンのように車から離れた所から開閉操作はできますが、車を触れるだけで開閉はできません。あくまで、キー操作をしないと車の開閉ができないので全く別物です。

3dman_eu / Pixabay

 

今回の盗難事件では、なぜ車の扉が開いてしまったの?

「リレーアタック」という盗難手法が使われました。

スマートキーからは、微弱な電波がでており同じキーを使わなくては開けることが難しいことは先ほどの安全性でもあげました。

つまり、開けるのはあなた(私)が持っているスマートキーを使います。

なんと、微弱な電波を増幅してしまう装置(中継器)が中国で20ドルで売られているそうです・・・

 

犯罪方法

①1人目が車の所有者に中継器を持って近づく→②2人目が車の扉に触れる(所有者と車との距離が離れていれば、2人・3人と電波を中継していく)→③盗難完了!

Pankgraf / Pixabay

なんとも簡単な方法で盗まれてしまいます。

ただ、知っていればこんなことをしていればかなり目立ちます・・・

もっと小型化が進んで一人でも盗難ができるようになれば、スマートキー使用の車はなくなるかもしれませんね。

 

ちょっと待って!

日本(大阪)では、「男がリュックサックを前にして両手で電気コードのような物を広げて家に止めてあった車を解錠された!」というニュースが2018年12月27日にありました。今回のニュースでは、家主が気付いたため警察に通報し盗難にはあいませんでした。

ただ、注目すべき点が3つあります。

①一人でも盗難可能。

②自宅なら、スマートーキーの電波圏内に車があってもおかしくない。

③玄関前まで不法侵入されている。

今回は、1件家が狙われましたが中継器の精度が上がって集合住宅の1階の住人達の車が1台も残っていないなんてことが今後あるかもしれませんね。

 

危険性は指摘されていなかったの?

車の盗難に関しては昔からありましたよね。

・2014年から欧州の大学の研究機関で取り上げられる。

・2016年に日本のJAFに相当する「ADAC」で実証試験がおこなわれている。

少なくとも、4年程前にはすでに海外で危険性が確認されていたようです。

日本では、トヨタ自動車は2013年度以降にフルモデルチェンジした全車種には、リレーアタックの被害を防ぐ技術が導入されています。

ただ、トヨタのプリウスがもっとも盗難されている車です。以前の車種が盗まれたのか?

それとも他の方法で盗まれたのか?

どちらにしても、新しい盗難方法が次々と出てくるのでこれで安全ということはありません!

 

防ぐ方法はあるの?

電波を遮断するしか方法がありません。

電波遮断キーケースなどにいれることが一番の対策になります。

ただ、スマートキーの意味がなくなります。

本当にただの2度手間になってしまいます・・・

ですが、こんな統計がでています。

車の盗難件数

2008年:27,668台→2017年:10,213台と10年で半減以上に件数は減少しました。

しかし、2017年の都道府県別の盗難件数を確認すると・・・

  • 1位:茨城県→1,397件(約13.67%)
  • 2位:大阪府→1,393件(約13.63%)
  • 3位:千葉県→1,178件(約11.5%)
  • 4位:愛知県→1,127件(約11.0%)
  • 5位:埼玉県→758件 (約7.4%)
  • 6位:神奈川県→669件  (約6.5%)
  • 7位:栃木県→437件     (約4.2%)
  • 8位:福島件→329件 (約3.2%)
  • 9位:兵庫県→315件 (約3.0%)
  • 10位:群馬県→281件 (約2.7%)

ワースト10県でなんと7,884件(約77.1%)にもなります。

Arcaion / Pixabay

10,213件中、残りの2,329件は残りの37都道府県で発生していることがわかります。

37都道府県で平均をだすと、1県につき約62件。

一つの県で、1000件越えが4県も発生していることがいかに集中しているか理解できるかと思います。

*どの地域でも車の盗難は起こっているので十分にご注意下さい。

 

まとめ

  • スマートキーの安全神話はすでに崩れ去っている。
  • リレーアタックを回避するためには、スマートキーの電波を遮断するしか方法がない。
  • 4県(茨城・大阪・千葉・愛知)に車の盗難件数が特に集中している。

参考

STOP THE 自動車盗難
http://www.car-tounan-boushi.jp/condition.html

日本経済新聞:スマートキーの弱点突く車盗難 微弱電波中継し解錠
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG13H2M_T10C17A5CC0000/

 

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