不登校が問題になりずいぶん経ちました。
最近では、「無理に行く必要もない!」という風潮さえあります。
というのも、小中学生の不登校は4年連続増で13万人を超えています。
私が、中学生の時は普通にいじめがあり私も受けました。ですが、今のいじめはどんどん陰湿になっています。10数年後には、自分の子ども達は中学生になりどうなるのか親としてはとても不安があります。
そんな中、平成18年12月に日本財団から「不登校傾向」にある子どもの実態調査結果が報告されたので紹介します。
文部科学省でも調査はおこなわれています
文部科学省でも「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」はされています。ただ、文部科学省が調査の対象にしているのは、「学校」です。
平成30年度の基本調査:文部科学省の学校・教育委員会への調査では、全中学生約325万人中10万人が不登校とされています。
*ここでいう不登校の定義は、30日以上欠席している学生ということです。
日本財団はどんな調査をしたの?
今回、日本財団が調査対象にしたのは子ども(本人)達から実態を調査。
不登校傾向にある中学生を6つのグループに分けました。
①群:不登校(文部科学省が不登校と定義している期間よりも少ない期間学校に行っていない)
→学校に行っていない状態が一定期間以上ある。(1週間以上連続欠席など)
②群:教室外登校(教室には行かない)
→学校の校門・保健室・図書館・校長室等にはいく。(月に2~3回以上、もしくは1週間続けて)
③群:部分登校(基本的には教室に登校するが授業に参加する時間が少ない)
→給食登校、遅刻・早退が多い。(1ヶ月に5日以上。1日に何度か、一時的に保健室で過ごす)
④群:仮面登校A(授業不参加型)
→基本的には教室で過ごすが、皆とは違うことをして過ごす。
⑤群:仮面登校B(授業参加型)
→基本的には教室で過ごし皆と同じことをしているが、「通いたくない」・「辛い」・「嫌だ」と感じている(毎日)
このように、不登校傾向にある子ども達を5群に分けて調査をおこないました。
調査結果は?
現中学生が学校に行きたくないと回答した理由は①~⑤群の該当・非該当に関わらず「疲れる」「朝、起きられない」という理由が1位2位となっています。
注目すべきは、3位の理由です。
「不登校傾向にない子ども達」は学校に行きたくない理由の3位「テストを受けたくない」
→これは、誰もが思うことです。
それでは、不登校傾向のある子ども達の学校に行きたくない理由3位の結果をみていきます。
- ⑤群:「学校に行く意味が分からない」-31.9%
- ②~④群:「授業がよく分からない・ついていけない」-33.3%
- ①群:「自分でもよく分からない」-31.0%
- 不登校:「学校に行こうとすると体調が悪くなる」-52.9%
なぜ不登校になるの?
今回の調査結果から分かることは、始まりはみんな同じだと言えることです。
①最初は、「疲れる・朝起きられない」
→これだけでは、周囲はまったく分かりません。
②「学校へ行く意味に疑問を持つ」ようになる。
→友人関係・テストなど原因はさまざま。
③学業など学校生活などに問題が出てくる。
→「なにかおかしい?」とこの段階で周囲は気づくかもしれません。
④自分の状況が自分でも分からなくなる。
⑤不登校(体調不良を訴える)
単純にこれだけとは限りませんが、不登校にはこういった段階が考えられます。
一つ言えることは、不登校になるまでに子ども達は何らかのメッセージを大人にも発しています。
少なくとも、休みがちになる場合はそのさいたるものだと言えるでしょう。
不登校の段階は、一気にすすむことも・・・
皆と違うことをしていると目立ちますよね?
目立ちたくないので皆に合わせている状況がうかがえます。
ですが、合わせることにも限界がきます。
皆に合わせているうちにある日突然、自分でも分からないままに不登校になっている場合も考えられます。
つまり、①~⑤群に分かれていますがこの段階が一気に進むこともありえます。
そのため、なぜ自分が不登校になったのか分からないまま、心に限界がきていつの間にか登校できなくなった子ども達がたくさんいます。
子ども達を取り巻く環境
今回のアンケートで、不登校傾向にある子ども達は約33万人と結論づけられています。
これは、全体の約1割が不登校傾向だということです。
ただ、「普通」を強要され皆に合わせることを強制される子ども達。自分では気づいていないだけで、もっとたくさんの子ども達が不登校傾向にあるかもしれません。
ある日、突然「不登校」になることを考慮すると全ての子ども達が不登校予備軍といえるかもしれません。
大人でも、会社を辞めたいと思ってもその理由をはっきり説明できていないことが普通です。大人の場合は、理由を作ってしまいますが・・・
また子どもの不登校は、「離婚」や「親自身にも不登校の経験がある」など学校とは関係ないところで起こることもあります。実際、今回のアンケートでも「不登校または不登校傾向にある子どもの親」には離婚歴や親自身に不登校の経験があるといった傾向がみられました。
私個人としては、学校は特殊な場所だと考えています。
学校にはルールがあり、よくも悪くもさまざまなことを教えてくれます。社会で生きていくうえで皆と同じように生きていこうとするなら必要不可欠な場所かもしれません。
ただ、フリーランスが増えた今の社会でその皆が誰を指しているのか分からなくなってきました。
皆と同じことをするのはなにも考えなくていいので楽ですが、かなりしんどいですよね。
親心としては、子ども達には自分のやりたいことを1日でも早く見つけて努力していって欲しいです。
そうすれば、皆に左右されることもないので。
あなたがこだわるのは学校ですか?それとも子ども達ですか?
どちらが正解ということもないですが、考える必要はあると思います。
まとめ
- 不登校になるまでには、段階がある。
- ある日突然、不登校もありえる。
- 不登校は、学校だけでなく家庭環境にも大きく左右される。
- 不登校は、特別なことではなくだれに起こってもおかしくない。
参考
日本財団:不登校傾向にある子どもの実態調査(2018)
→https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/information/2018/20181212-6917.html
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