3歳半検診で「弱視」発見・・・ 実は、幸運なことだった!?

 

先日、「3歳の息子が3歳半検診により「遠視」と「乱視」が見つかったことで治療用眼鏡を作成した」というお話を紹介しました。

ただ、そうなると次に気になるのは「治療用眼鏡」についてです。

  • 使い方や、装着することでどう変わるの?
  • また、どういったことに気をつけないといけないの?

今回は、「早期発見はとても幸運なことだった!?弱視と治療用眼鏡とは?」についてご紹介します。

 

「治療用眼鏡の購入」については、こちらの記事で紹介しています。

子どもの治療用眼鏡は何割負担? 3歳半検診で分かった遠視と乱視

 

治療用眼鏡はそもそもなぜするの?

そもそも、息子の目の状態は「遠視や乱視(屈折異常)が原因で視力の発達が遅れている」ということになります。

この状態を「弱視」と呼びます。分かりやすく言えば、目そのものは健康な状態です。

また、「斜視」も弱視の1つで視力の発達が遅れている状態ですが、斜視の場合は治療が遅れても問題になることは少なく、そもそも見た目で分かるため早期発見により治療も早い段階で実施されます。

それでは、もしも息子が診断された「遠視」や「乱視」に気付くことなく成長してしまうと、どうなっていたのでしょうか?

 

3歳半検診で発見できていなかったら・・・

例えば、「斜視」の場合なら目標の物を見ようとしたときに片方の目が違う方向を向いたりするため、外見的にも目立ちます。(両目が同じ方向に向かない状態が「斜視」)

ところが、「遠視」や「乱視」は一緒に暮らしている私達(親)ですら気付くことが難しく、実際気付くことができませんでした。

それでは、もしも3歳半検診で発見されなかったらどうなっていたのでしょうか?

 

脳で見ている!?

学校の授業でも習ったと思いますが、「人は角膜と水晶体で光を曲げることで、網膜の中央(黄斑部)に、焦点を合わせます。」

  • 遠視:焦点が、網膜より奥の方に合う状態。
  • 乱視:網膜上で、像が二重になっている状態。

そして、網膜上に映った映像は、神経系を通じて、大脳の後ろの方にある視覚中枢に送られることで像の解析がなされ、何が映っているのかを判断しています。

つまり、「脳で見ている」とも言えます。

ちなみに、視覚中枢は生まれたばかりの赤ちゃんではほとんど働いておらず、視力も0.03程しかありません。

ですが、その後13歳ぐらいまでは網膜に映った像が刺激となり視機能は発達していきます。

それでは、弱視の場合はどうなると思いますか?

 

弱視を放置すると・・・

視覚中枢は、網膜上のピントの合った像が刺激により発達していきますが、もしも乱視や遠視が強く網膜上にピントの合った像が映らなければ、十分な刺激を脳の視覚中枢が受けられず発達が遅れることになります。

つまり、仮に後から眼鏡をかけたとしても視力が0.5ぐらいしかない状態になってしまいます。

そもそも、先程もお伝えしたように13歳ぐらいまで視機能は発達していきますが、弱視を放置する時間が長ければ長いほど、それだけ視機能への発達が阻害されていくことが考えられます。

実際、弱視であることが分からず13歳になった場合、脳の視覚中枢の発達が終了してしまうため、その後にどんなに眼鏡で矯正したとしても、視力は一生十分には得られないことが知られています。

そのため、例えば運転免許が取れなくなる可能性などが出てきます。

つまり、3歳半検診で息子に弱視が分かり、治療が始められたことはとても幸運なことだったことが分かります。

それでは、弱視の治療にはどんなことをすればいいのでしょうか?

 

弱視の治療には治療用眼鏡!

息子は、2020年8月で4歳になるため「弱視の治療はだいたい4歳から」となります。

さて、そんな弱視の治療は3歳~6歳までが最も効果が出やすいとされています。(7歳を過ぎると、弱視の治療を行っても視力の向上がうまくいかない場合がある)

 

①治療用眼鏡をかけるだけで回復することもある!?

弱視の基本治療は、「遠視」や「乱視」を矯正する眼鏡をかけることです。

眼鏡で矯正した状態で網膜にピントを合わせることができれば、鮮明な像を脳の視覚中枢に送ることで視機能の発達を促すことができます。

つまり、息子が作った治療用眼鏡の役割は、「視覚中枢に鮮明な像を与えて刺激することで発達を促すこと」です。

また、4歳までに開始できるのでタイミングとしても悪くはないでしょう。

もしも、治療用眼鏡(乱視・遠視を矯正する眼鏡)だけで視力が向上すれば、1.2以上の視力を得られる場合もあります。

ただし、治療用眼鏡だけではうまくいかなかった場合、片目を隠して片目だけで物をみる訓練が必要になります。

この時に使用する物が「アイパッチ」です。

 

②アイパッチの装着

これは、今後の治療によりますが、息子が次にしないといけないかもしれない段階です。

奥様は、「乱視」と「斜視」により子どもの頃にアイパッチを装着していたそうです。弱視は遺伝するため、「おそらく息子もアイパッチによる治療も必要になるのでは?」と考えています。

アイパッチは、通常、家庭で毎日1時間ほど片目を隠して、もう片方だけで物を見る訓練をするために装着します。

翌日は、前日に隠さなかった目を隠して、前日に隠した目だけで物を見る訓練をします。

→要するに、「右目にアイパッチを装着して左目で1時間物をみる訓練をしたら、翌日は左目にアイパッチを装着して右目で1時間物を見る訓練をする」ということです。

このアイパッチの訓練を、3歳~6歳の間にやればほぼ全ての子どもが1.0以上の視力を獲得することが可能になります。

 

最後に

治療用眼鏡に限ったことではないですが、眼鏡店でレンズの中心「アイポイント測定」と呼ばれる目の位置測定をしないと、目が疲れやすい原因になるため、確認する必要があります。

当然、子どもの違和感に繋がり眼鏡を嫌がる原因にもなります。

眼鏡の場合は、瞳孔とレンズの中心が合っているか必ず確認して下さいね。また、子どもは眼鏡を押し広げようとするため強度も重要です。

眼鏡を嫌がるのであれば本人ではなく、眼鏡自体に問題があるのかもしれません。ちなみに、3歳児検診で引っかからない場合もあります。

そのため、安心せずに念のため眼科検診をお勧めします。


参考

杉浦眼科:弱視とは?
http://www.sugiura-gannka.com/eye/eye9.html

めがねのホシノ:弱視等治療用眼鏡を買う前に一読 総集編
https://megane-hoshino.com/

 

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