空気を飲み込む病気「呑気症」 炭酸飲料との関係は?

 

皆さんは、炭酸飲料を飲まれるでしょうか?

食品産業新聞社ニュースWEBによると、新型コロナウイルスの影響で外食店やホテルなどの営業自粛により「業務用製品の販売」や、オフィス周辺や外出先の「コンビニ」、「自動販売機」などの売上は減少したようです。

ところが、家庭内での消費は拡大しています。つまり、炭酸飲料は一般消費者の消費が増えていることが指摘されています。

ただ、炭酸飲料の飲み過ぎは注意が必要なことをご存じでしょうか?

今回は、「炭酸飲料と吞気症(どんきしょう)」についてご紹介します。

 

炭酸飲料は飲み過ぎ注意?

炭酸水(プレーンタイプ)の生産量は、2019年で31万3700klで10年前と比較すると約8倍も伸びているようです。

このように、炭酸飲料はそもそもコロナ禍以前から拡大を続けてきました。

そして、外出自粛により休業要請が始まった影響で、家飲みが増えウイスキーや焼酎などのお酒の割り材としても利用が増えていきました。

ただ、なんでもそうですが飲み過ぎは体に負担をかけることになります。それでは、「吞気症」について見ていきましょう。

 

「吞気症」ってなに?

吞気症というのは、「空気嚥下症」とも呼ばれ大量の空気を飲みこむことで、胃や食道、腸に空気がたまり引き起こされる症状です。

つまり、炭酸を飲まなくてもそもそも空気が体に溜まってしまう状態になります。その結果どうなるかといえば、溜まった空気は出さないといけませんよね。

人間の体に入った空気を外に出す方法は、上(ゲップ)か下(オナラ)しかありませんよね・・・

しかも、食事中など関係なく日常的に無意識に空気を飲み込んでしまうため、社会人にとってどれだけ深刻な状態か分かるのではないでしょうか?

そんな吞気症の一番の原因は、ストレスとされています。

さて、それではなぜ今回この吞気症の話しを書いたかと言えば、実は私の奥様がこの吞気症だからです。

 

吞気症の原因はなんだったの?

私もそうでしたが、奥様も介護の現場で働いていました。介護現場と言えば、夜勤が付きものです。

そんな夜勤勤務で、奥様は夜勤の度に夜食と一緒に炭酸ジュースを飲んでいたそうです。

しばらくすると、ゲップやオナラの回数が増加し本人は「ストレスが原因?」と考え精神科へ受診したそうです。その結果、「吞気症」と診断されました。

医師より、「炭酸飲料は空気をため込みやすい」とのことで、それ以来、炭酸飲料は一滴も飲まなくなりましたとさ・・・

という奥様の体験談です。

奥様が炭酸飲料を飲まないので、我が家では基本的に子ども達も含めて誰も飲みません。私自身、炭酸は少し苦手ですので。

さらに、お酒も基本的には飲まないため、人によっては考えられない生活をしているかもしれませんね。

もちろん、炭酸飲料だけが悪いわけではなくストレスが一番の原因です。

 

胃腸への負担は禁物!

特に炭酸飲料は、胃腸に負担がかかるため控える必要があります。そういう意味では、例えば揚げ物類なども負担がかかるため気をつける必要があります。

また、食べ方も注意が必要で「早食いを避け」「味噌汁などを飲みときはズルズルすすらないように、静かに飲む」といったことなどを心がける必要があり、普段から空気を取込まない工夫が必要です。

そんな奥様も専業主婦となり、「吞気症が発症しない程度にはストレスがなくなった?」かと思いきや、少し軽減したとはいえ継続中です。

吞気症の難点は、ここにあります。

呑気症は、症状が特徴的なので症状がでているかどうかは、自分や周囲の人間が気付くことができます。ただ、そもそも原因がストレスですので完治は難しいと感じています。

さらに、「そもそも検査をしても診断が難しい」という特徴があります。

 

検査をしても異常が無い!?

そもそも、吞気症は空気を取込むことで発生するため、直接の原因は「空気」です。

「取込みすぎた空気」が原因なわけですから、体のどこかが炎症を起こしているわけでも、出血があるわけでもありません。つまり、胃や腸などを検査しても異常がみつかることはありません。

また、そもそもを空気を取込んでしまうことが原因であるため、内科で「ガスを減らす薬」や「調整剤」を処方されたとしてもほとんど効果がありません。

さらに、吞気症の症状は「ゲップ」や「オナラ」だけではありません。

 

吞気症の症状とは?

  • 頭痛
  • 耳鳴り
  • ふらつき
  • ゲップ
  • 胸の痛み
  • 胃や腸の不快感
  • 胃下垂
  • オナラ

*ゲップによって胃液や食べ物が逆流すると、胸焼けが生じ逆流性食道炎になることまである。

 

どんな治療法があるの?

実は、呑気症は歯科治療が有効な場合があります。

というのも、呑気症になる人はうつ状態の人が多く、そのストレスから歯の「噛みしめ」や「食いしばったり」する場合が多いためです。

「食いしばったり歯ぎしりしたりすると、顎や首の筋肉が唾液腺を刺激して唾液分泌が多くなり、飲み込む回数が増える」

と指摘されています。

そもそも、「食いしばる」という行為は、緊張を意味するため歯を離す工夫が必要になります。

歯科では、「スプリント」と呼ばれる器具を上下の歯に隙間を空けることで、噛みしめを意識できる器具もあります。

そして、当然ストレス発散も治療の1つになります。(基本的には、外出することがストレス解消になるとされている)

 

最後に

奥様の場合は、精神科で薬をもらい服薬もしていたそうですが「もう、薬は必要なさそうですね」と医師に言われ、処方はなくなったそうです。

ただ、処方がなくなってから4年以上経過していますが、いまだに完治はしていません。ちなみに、結婚する前から、「ゲップとオナラがでやすい」と聞かされていましたが、確かに頻回にゲップはしていました。

→すでに薬の服薬は必要ないぐらいまで回復していたこともあり、精神科の医師からは「服薬は妊娠したら辞めるように」とも言われていたようです。

そのため、息子(2020年8月で4歳)を妊娠したことを期に服薬をやめていました。ただ、ゲップの症状はなくなることはなく、今では(結婚5年目)ともなると、オナラも頻回にするようになりました(笑)

このように、呑気症は生活の一部になっていきますし、また本人だけの問題でもありません。

奥様的には、呑気症の原因は「炭酸の飲み過ぎとストレスだった」と反省しているようですが、そもそも夜勤の後に強制的に会議に何時間も出席させるなど、他にもありえない業務形態が続いていたようです。

働き方改革は進められているようですが、まだまだ進んでいないことが現状です。

「歯を噛みしめるような癖」や「普段からゲップやオナラがでる」ようであれば、呑気症の可能性があります。

もしも、そんな状態で炭酸飲料を飲めば、さらに症状がひどくなるためくれぐれもご注意下さい。

胃の中で炭酸と胃液が化学反応を起こして、二酸化炭素が充満することになる。

そして、男女比では、男:女=1:4で女性が多いとされています。なにより呑気症は、精神的にも肉体的にもつらい病気にも関わらず、診断が付かない場合もあります。

ただ1つ言えることは、ストレスはあらゆる病気の原因になります。特に、精神疾患が原因の労災請求は増加しています。

「身体がおかしい?」と思ったら、まずは受診することをお勧めします。

*呑気症についてなど、こちらで病院を検索することができます。

 

「精神疾患が原因の労働災害」については、こちらの記事で紹介しています。

精神疾患は労働災害として認められにくい!? 令和元年の現状とは?


参考

ヘルス UP 病気・医療:ゲップ・おならで悩んだら 呑気症、歯科での治療も
https://style.nikkei.com/article/DGXKZO03464080Q6A610C1TZQ001/

omron:vol.135 ゲップやガスは「呑気症」のサイン!
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/135.html

 

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