睡眠改善薬で不眠が解消!? 勘違いしていると大変なことに・・・

 

皆さんは、眠れないときはどうしていますか?

  • 眠れるまで目をつむって待つ
  • 本を読む
  • 睡眠薬を服用する

などなど、人によって対処は変わってきます。

それでは、「睡眠改善薬」をご存じでしょうか?

今回は、「睡眠薬と混同しやすい睡眠改善薬」についてご紹介します。

 

睡眠改善薬ってなに?

睡眠改善薬とは、簡単に言えば「一時的な不眠症状を改善するために服薬する薬」です。

さらにいえば、睡眠薬(睡眠導入剤)とは違います。

そもそも「睡眠薬」は、病院などで医師から処方される薬ですが、「睡眠改善薬」は薬局などで簡単に手に入れることができるいわゆるOTC医薬品(市販薬)です。

  • 睡眠薬・・・日常的な不眠(不眠症)が対象
  • 睡眠改善薬・・・寝付きが悪い・眠りが浅いといった一時的な不眠が対象

このように、同じ「不眠」でも対象が全く違います。

 

ポイント!

OTC医薬品に、睡眠薬は存在しない。市販薬として売られているのは、睡眠改善薬

 

OTC医薬品についてはこちらの記事でも紹介しています。

セルフメディケーション税制 ~医療費控除は利用していますか?~

それでは、「一時的な不眠に対する薬」ということなら、危険はないのでしょうか?

 

睡眠改善薬の役割とは?

長期服用には不向き!

2~3日程度の服用で留める必要があります。

  • 寝付きが悪い・浅いといった症状が長く続く。
  • 数日毎に症状が繰り返し現れる。

こういった場合は、すでに一時的な不眠の状態ではありません。

→睡眠薬を病院で処方してもらう(心療内科)

 

睡眠改善薬は不眠を改善する薬ではない!

これが、睡眠薬との大きな違いです。

睡眠改善薬は、かぜ薬などに含まれる眠くなる物質が配合されています。この作用で、一時的に不眠症状が改善するといわれています。

→不眠症を改善しようとするのではなく、かぜ薬の眠気の副作用を利用しているだけ。

*かぜ薬などを飲んで、眠気の副作用を感じたことがある人ほど効果が出やすいでしょう。

sweetlouise / Pixabay

 

睡眠改善薬の3種類の代表的な成分

ジフェンヒドラミン

  • アレルギーの薬として使われていた成分
  • 眠りの副作用を逆手に取り眠気を起こす薬(睡眠改善薬として販売)
  • 飲み続けると、早い段階で耐性ができて効かなく傾向がある。

 

ブロムワレリル尿素・ワリルイソプロピルアセチル尿素

  • 神経が高ぶって、眠れない人に効果的
  • 耐性ができやすい
  • もともと医療用として使われていた睡眠薬の成分
  • 効果は強めだが、「めまい」や「ふらつき」といった副作用などが起こりやすい

 

サイコ、サンソウニンなど

  • 自律神経の乱れを整えて自然な眠りを促す
  • 作用は弱め

 

つまり、飲み続けることで効果がなくなるだけでなく、副作用に悩まされる状態になる可能性が高くなります。

 

注意事項!

「睡眠改善薬を飲み続けること」は意味がないため、もちろんこれも注意事項の一つですが、他にもさまざまな注意事項があります。

 

飲んではいけない人!

  • 妊娠(妊娠の可能性がある)
  • 授乳中
  • 15歳未満の小児
  • 日常的に不眠の人や、不眠症の診断を受けた人

 

医師に相談する必要がある人

  • 緑内障や前立腺肥大の診断を受けた
  • 排尿困難
  • 医療機関に受診している
  • アレルギー体質
  • 高齢者

→医師・薬剤師・登録販売者に相談する必要があります。

 

服用時の注意事項!

「服用時に飲酒はいけない!」ということは、どの薬でも基本的に同じことがいわれますよね。

睡眠時改善薬も、もちろん飲酒時に服用してはいけません。

アルコールが体内で残っている状態で服用してしまうと、作用が強く現れたり副作用が増加したりとせっかくの薬が毒薬になってしまうためです。

さて、アルコール以外にも飲み合わせには気をつけなくてはいけません。

先程、睡眠改善薬は「かぜ薬などに入っている眠気を促す成分を利用している」とお伝えしました。

つまり・・・

  • かぜ薬
  • 解熱鎮痛薬
  • 鎮咳去痰薬(ちんがいきょたんやく)
  • 抗ヒスタミン剤を含有する内服薬・・・鼻炎用内服薬・酔い止め・アレルギー用薬など

そもそも、こういった薬の副作用を利用した薬が睡眠改善薬のため、成分が重なり作用が強く現れる・口の渇きが増加するなど、副作用が強くなる可能性があるため併用は危険です。

 

最後に

睡眠改善薬は、薬局などで簡単に買えてしまいますが副作用があります。

正確に言えば、そもそも「眠気」という副作用を利用した薬です。

残念ながら「簡単に買える=安全」ではありません。

OTC医薬品であっても、やはり薬剤師から説明を受けてから購入しないと、使い方を間違えて症状が治まるどころかひどくなるかもしれません。

例えば、子育てをしていると寝不足になることは日常茶飯事です。ですが、くれぐれも個人の判断だけで服用しないようにして下さいね!

*OTC医薬品も薬であることを忘れてはいけません。


参考

リクナビ薬剤師:OTC睡眠改善薬 注意すべき点と成分別の特徴とは?
https://rikunabi-yakuzaishi.jp/article/column/nonprescription_sleep_aid_drugs/

日本OTC医薬品協会
http://www.jsmi.jp/qa/sleep.html

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です