車での「急病・事故・あおり運転」の強い味方と言えば?

 

●この記事では「車に搭載され始めているSOSボタンの基礎知識」について紹介しています。

 

近年、自動車にSOSボタンが装着されている車が増えてきていますよね。

ただ、そんな緊急時のSOSボタンについてあまりよく分からない人も多いのではないでしょうか?

今回は、「ヘルプネットがおこなっているSOSボタン」についてご紹介します。

 

「SOSボタン」ってそもそもなに?

SOSボタンは、そもそもトヨタ・ホンダ・日産・マツダ」が参画しています。

  • トヨタ:ヘルプネット
  • 日産:SOSコール
  • ホンダ:緊急通報
  • マツダ:エマージェンシーコール

と、それぞれ呼ばれています。

さて、このSOSボタンは株式会社 日本緊急通報サービスが提供している「ヘルプネット」と呼ばれるサービスを利用しています。

各社で呼び方が違いますが同じシステムを使っており、例えばトヨタは「SOSボタンにヘルプネット」とそのままサービスの名前を採用していることが分かります。

それでは、そんなヘルプネットでなにができるのでしょうか?

トヨタのホームページを参考に確認していきましょう。

 

ヘルプネットで何ができる?

そもそもヘルプネットは、「緊急通報」がボタン1つできるシステムです。

一般社団法人 情報通信振興会によれば、「緊急通報」はこのように説明されています。

 「緊急通報」とは、人命、財貨等が重大かつ急迫の危険に陥る恐れがある場合その他緊急の事態が発生し、又は発生する恐れがある場合等において行われる災害時優先通信の一つで、電気通信事業報告規則第7条の2において「電気通信番号規則別表第12号に掲げる緊急通報番号を使用した警察機関、海上保安機関及び消防機関への通報をいう。」とされている。この「緊急通報番号」は、緊急通報の発信に係る端末設備等の場所の管轄ごとに、警察機関は110番、海上保安機関は118番、消防機関は119番となっている。

さて、「電気通信事業報告規則」とありますが、これは電気通信事業法に基づいています。

そして、緊急通報とはまさに緊急事態の状態で110番・119番しないといけないような状況に使えるサービスになります。

大前提はこれぐらいにして、それではどういった時に使えるのでしょうか?

 

 

ワンタッチタイプ

ボタン1つで、緊急通報ができます。

また、専門のオペレーターに位置情報が繋がるため通常の通報よりも緊急車両の出動が短縮できます。

*カーナビ画面上の「HELPボタン」を押すだけで、通報できるものもある。

 

 

エアバッグ連動タイプ

必ずしも、SOSボタンが押せるとは限りませんよね。

実際、心臓発作などで意識を失った状態で事故を起こしたケースが報道で取り沙汰されています。

そういった場合でも、エアバッグが作動した時点でSOSボタンが押されたことと同じ状態になり、オペーレーターから安否確認がなされることになります。

→ドライバーからの返答がなければ、オペーレーターは緊急車両の手配を行なう。


ヘルプネットは、ヘルプネットセンターが設置されており緊急通報と同時に車載システムからの「緊急情報」を受信します。

  • 会員情報
  • 車両情報
  • 緊急事態発生地点の地図

これらの緊急情報は、オペーレーターの卓上画面上に表示されるため、「どんな車に乗っている・誰が・どこで」緊急通報をしたのか一目で分かる仕組みになっています。

つまり、オペレーターは車の所有者が誰かを知っている状態で、例えばそのドライバーや同乗者と音声通話をすることで、状態を確認しながら支援することになります。

逆に言えば、なんの返答もなければ緊急対応(通報など)が行なわれることになります。

このように、ヘルプネットセンターのオペレーターが警察・消防などの通報はしてくれるため、利用者(「ドライバー」や「同乗者」)は、状況を説明するだけで対応してもらえることになります。

それでは、実際にどういった使い方がなされているのでしょうか?

 

実際の使用事例は?

トヨタが紹介している紹介映像では、運転中に体長が悪くなった場面や事故で意識を失った場面などで利用されるシーンがありましたが、ヘルプネットサービスでは事故事例が紹介されています。

 

❶交差点で出会い頭の事故

→旅行先の事故で、ヘルプネットのオペレーターの声で我に返った。土地勘がなかったが、警察の通報もスムーズにできた。

 

➋深夜に山間の暗い道を走行中、樹木にぶつかる

→衝撃で胸や腰を打ち、体中が痛く言葉が出ず、暗くて場所も分からない状態だったが、オペーレーターが語りかけてくれて救急車を呼んでくれた。

 

❸あおり運転

→高早道路を走行中に、「あおり運転」に遭い身の危険を感じたが、ヘルプネットから警察へ繋いでもらい、警察と待ち合わせることで難を逃れた。

bayern-reporter_com / Pixabay

 

こういった、実際の使用例が紹介されています。

繰り返しになりますが、ヘルプネットは緊急通報ですので事故や病気など、運転が難しい状態になった時に使用するための緊急ボタンです。

そして、「運転が難しい状態」の中には社会問題になっている「あおり運転」でも活用することができます。

→基本的には、「急病」・「事故」・「あおり運転」に遭った緊急事態で使用されるボタン。

ヘルプネットは、緊急車両を手配するためのサービスです。

何でも屋ではないため、正しい知識で利用するようにして下さいね。

 

最後に

今回は、緊急車両を手配してくれるヘルプネットについてご紹介しました。

ですが、実は同じヘルプネットの自動車事故通報システムを使って、緊急車両だけでなくドクターヘリまで派遣してしてくれる「D-Call Net」と呼ばれるサービスも運用されています。

このサービスは、D-Call Net搭載の自動車が交通事故を起こしたときに・・・

  • 衝突方向
  • 速度
  • 衝撃度
  • シートベルトの着用の有無

といった車両データがただちにD-Call Netサーバーに送られます。

そのデータから乗員の死亡重症度を自動的に推定し、必要に応じてドクターヘリの出動を要請するシステムです。

昔では考えられないようなシステムが、車に装備されるようなってきました。

逆にいえば、それだけ車は危険だとも言えます。

使わないい越したことはないですが、いざという時のために頼りになるサービスであることは言うまでもないでしょう。


参考

くるまのニュース:車のほぼ使わないボタンなぜ必要? 逆に当たり前にあったスイッチが消える背景とは
https://kuruma-news.jp/post/297722

認定NPO法人 緊急ヘリ病院ネットワーク:救急自動通報システムD-Call Net
https://hemnet.jp/know-cooperation-d-call

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です