新型コロナウイルスが世界中で拡散し各国の株価が下落しています。もちろん、日本も例外ではありませんよね・・・
すみません。今回は、新型コロナウイルスの話しではなく「株のお話」です。
自分ごとですが、本来なら、新型コロナウイルスの感染が拡大した時点で全て売ればよかったのですが、すでに塩漬けにしていた株にさらに追い打ちがかかりどうにもならなくなりました。
さて、そんな今日この頃ですが、この塩漬け株も「配当金」や「株主優待」はしっかりもらえます。そして、実はさらにもう一つ金利をもらうことができる「貸株サービス」についてご存じでしょうか?
今回は、「私が利用し始めた楽天証券で貸株サービスを利用してみた!」についてご紹介します。
そもそも「貸株サービス」ってなに?
株式取り引きには、「貸し株」と「貸株サービス」という名前だけを見ると同じような取引きがあります。
ただ、両者は全く逆の意味になります。
貸し株
「貸し株」というのは、投資家が証券会社から株を借りて取引きをすることです。
→「信用取引」の1つで、「空売り」をするときに借りてくる株のことを「貸し株」といいます。(証券会社が貸し付ける株式=貸し株)
空売りというのは、結果だけを言えば「株価が下がれば儲かる」ということになります。普通なら、ある会社の株を買って上がれば儲けになりますよね。
ここでは、「信用取引の空売りをすることで、株価が下がったときも儲けることができる」ということを知って頂ければ十分です。
私の場合は、信用取引で大失敗をしたのでお勧めはしませんが・・・
信用取引で失敗すると、株価が上がっても損失・下がっても損失と損失がどんどん膨らむ可能性があるのですが、私はそれにはまってしまいました・・・
→「空売り」についてはこちらの記事で紹介していますが、勉強程度に見る方はどうぞ
さて、それでは、本題の貸株サービスについてご紹介します。
貸株サービスってなに?
「貸し株」は、投資家が証券会社から株を借りることでしたよね。借りるわけですから、私が証券会社に手数料を支払う必要があります。
ですが、「貸株サービス」というのは投資家が証券会社に株を貸すことです。つまり、私が証券会社に貸すわけですから、証券会社から金利を受け取ることができます。
つまり、「貸し株」と「貸株サービス」はやっていることが真逆ということになります。
さて、ここからは私が利用している楽天証券から説明していきます。
楽天証券の「貸株サービス」とは?
そもそも、自分が長期的に保有しようと思っている株式(私の場合は塩漬け株を含む)をある意味、証券会社にレンタルするだけですので、特に問題がありません。といいたいところですが、おさえるべき注意事項があるので後述します。
私の場合なら、楽天証券に「貸株」として自分が保有している株を貸し出しています。(貸株サービスは、楽天証券HP→国内株式→貸株から「申し込み」をすれば、その場ですぐに利用できるようになります)
株式によって金利は違いますし、そもそも貸株サービスを利用できる銘柄は決まっています。
→2020年1月20日時点で、楽天証券では4,112銘柄が貸株サービスの対象となっています。(「貸出金利」が年率1%を越えている銘柄が685銘柄→貸出金利の下限は年率0.1%ですが貸出金利は毎週見直される)
知っておきたい「貸出金利」とは?
さて、「貸出金利」というのは企業や個人が、例えば銀行からお金を借り入れる際に生じる利息のことです。
例)貸出金利が1.0%で200万円を借りれば1年間で2万円の金利を支払うことになります。ですが、そもそも貸株サービスで株を貸し出しているのは誰でしょう?
株主(私)ですよね。(1万円もかからずに、誰もが株主になれます)
つまりこの貸付金利は、この場合だと「株主に対して年間で2万円が支払われる」と言うことになります。
ある意味、「銀行になったような気分?」というのは少額過ぎるため言い過ぎですが、形だけを見ればそうですよね。
このように、証券会社が株主から貸株を借りる際に株主に貸付金利が支払われるサービス=貸株サービス
それでは、貸株サービスのメリットとデメリットを見ていきましょう!
貸株サービスのメリット
貸株サービスとはつまり、証券会社に私(株主)の株を貸している状態ですよね。
つまり、自分がその株の所有者ではなくなっているため・・・
- 「売れない・・・」
- 「株主優待がもらえない・・・」
- 「配当金がもらえない・・・」
なんてことはありません!
また、貸し株は信用取引特有の取引きですが、信用取引口座をあらためて作る必要もなく、現物取引きができる証券口座があれば利用できます。
選べる3つのコース
証券会社によってサービスは様々ですが、楽天証券の場合は貸株サービスを選択するときに3つのコースから選ぶことができます。
上記の「金利優先」「株主優待優先」「株主優待・予想有配優先」の3つのコースから貸株サービスの運用を選択することができ、さらにコースを1銘柄ずつ設定していくこともできます。
*株式の「自動返却の有無」を選択するコースと考えれば分かりやすいと思います。
《金利優先》
配当金や株主優待の権利が権利確定日であっても、自動返却はおこなわず、そのまま貸株が継続されることで、最大限の貸株金利を受け取ることができます。
最大の特徴は、権利確定日の貸付金利が通常の5倍になります。ただし、さまざまなデメリットがあります。
- 株主優待がもらえない
- 配当金は、「配当金相当額(雑所得・または事業所得)」になってしまう。
《株主優待優先》
株主優待の権利確定日に、自動的に株式が返却されます。
つまり、貸株サービスを利用しながら株主優待も受け取ることができます。(配当金を得る権利が同じ日の場合は、配当金を得る権利も確定します)
ただし、デメリットがあります。
- 株主優待情報がない場合は、配当金の権利が確定する場合でも、株式の自動返却は行われない。
- 上記の場合は、配当金(配当所得)ではなく、「配当金相当額」を受け取ることになる。
《株主優待・予想有配優先》
株主優待や配当金の権利が確定する日に自動返却が行われる。ただし、予想有配優先にしていても優待のない復配銘柄で株式が返却されない場合があります。
- 予想配当情報が0円の場合(確定配当情報が有配(配当あり)となる場合もあります)
- 予想配当情報が未定で、過去2回の確定配当情報が0となっている場合(有配銘柄など)
貸株サービスのデメリットとは?
1.証券会社が破綻すれば銘柄は戻ってこない!
そもそも「貸株サービス」は、証券会社に自分の銘柄を貸しだしてしまうため、極端な話し貸し出した証券会社が破綻すればその銘柄は戻ってきません。
実際、過去には山一証券の経営破綻などもあったため、注意はしておく必要があります。
→ただし、貸株はいつでも売れますし、解除することもできます。
《貸株サービスの解除》
貸出し中の株式を全て返却後・・・
- 楽天証券HP
- 「設定・変更」
- 「申し込みが必要なお取引・各商品に関する設定」
- 国内株式「貸株サービス」
- 貸し付けサービス蘭の「解約」をクリック
- 電子書面の交付への同意などを確認し手続きへ
2.「配当金相当額」で受け取ること!
貸株サービスを「金利優先」や「株主優待優先」で選ぶと配当金ではなく、「配当相当額として受け取ることがデメリットだ!」とお伝えしましたが、これには理由があります。
あなたは、税金の支払いをどうしていますか?
配当金は、「配当所得」となるため株式等の譲渡損益と損益通算ができます。(そもそも配当金は、確定申告の必要がない)
ところが、「配当金相当額」として受け取ってしまうと、雑所得として扱われてしまいます。(株式の譲渡損との損益通算をして、税額を減少させることができなくなる)
つまり、株式とは関係ない雑所得または事業所得というこになってしまい、配当控除の対象外となってしまいます。場合によっては、貸株サービスを利用したことで「かえって手取りが減少してしまう!?」なんてこともありえます。
→こういったことを回避するために、「株主優待・配当予想有配優先コース」を選択すると安心です。
*「配当金相当額」として受けとった場合、(所得に応じて)確定申告の必要があります。
3.継続保有が設定されている株主優待が受け取れなくなる!?
例えば、私が保有している「クラレ」の銘柄を確認すると、2020年2月27日時点で「1,000株以上を3年以上継続保有の場合10,000円相当のオリジナルカタログギフト」が株主優待としてもらえます。(3年未満は、3,000円相当)
ところが、先程紹介した選択コースで「金利優先」を選択してしまうと、仮に3年・4年以上と継続して保有していたとしても、その継続保有の資格が失われることになります。
そもそも、株主優待も届きません。
そのため、株主優待や継続資格を失いたくないのなら、「株主優待優先」を選択する必要があります。そして、さらに税金対策をしたいのなら、はじめから「株主優待・予想有配優先」を選択した方が安心だと言えるでしょう。
このように、貸株サービスにはメリットとデメリットがあります。
世界情勢が不安定な状態ですので、証券会社が破綻する可能性がないとも言い切れません。
とりあえず、株式には「株主優待」や「配当金」以外にも、知識として「貸株サービス」という方法もあることを知っておくと、いざという時に安心できるのではないでしょうか?
最後に
私が初めて「貸株サービス」の選択コースをみたときに考えたことは、「二頭追う物は一頭も得ず」なんてことわざを昔から教えられていたため、「金利優先コース」一択でした。
ところが、「金利優先コース」にしてしまうと税制面で不利になることや優待の継続資格まで失うことが分かりました。
かといって、「優待優先コース」を選んだとしても税制上の不利が回避できない可能性が高いことが分かりました。
結局、株主優待と配当金のどちらも選択する「株主優待・予想有配優先」を選択することが自分にはあっていることになります。
最初の考えとは真逆の、「二頭とも得よう!」という結論になりました。
イメージは、あくまでもイメージです。知らないから恐怖を感じます。同じお化け屋敷の2週目・3週目が慣れてしまうように、中身を知ってしまえばそれほど怖くなくなります。
最後に、信用取引は過去のチャートを見ながら何年か練習を重ねてから始めた方がいいと思います。私のような素人にはハードルが高すぎたので、今後も研鑽していきます。
参考
トウシル 楽天証券
→https://media.rakuten-sec.net/articles/-/25125?page=1
マネーの達人
→https://manetatsu.com/2016/06/67148/
ZUU onlone:貸株サービスで「逆に損をしてしまう」を回避する裏ワザ
→https://zuuonline.com/archives/188928
楽天証券:貸株サービスを解除するにはどのような手続きが必要ですか?
→https://faq.rakuten-sec.co.jp/faq_detail.html?id=2131007
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