産婦人科で血液型は教えてくれない? ~百害あって一利なし!?~

 

皆さんは、自身の血液型は知っていると思います。それでは、子ども達の血液型はご存じでしょうか?

私の場合は、2人の子ども達がいますが・・・

2016年生まれの息子は京都で生まれましたが、産婦人科では血液型を教えてもらえませんでした。一方、滋賀県で生まれた2018年産まれの娘は、産婦人科で血液型を教えられました。(ちなみに、娘はB型)

最近は、血液型を産婦人科で教えられないことが増えているそうですが、地域によってこのように大きく異なるようです。

今回は、「血液型がなぜ産婦人科で知らされなくなったのか?」についてご紹介します。

 

自分の血液型を知らないとどうなる?

例えば、入園児に血液型の記入欄が必要な場合もあるようです。が、そもそも一般の私達が自身や子どもの血液型を知っておく必要は皆無です。

場合によっては、「百害あって一利なし」でしかありません。まるでタバコみたいですが・・・

 

根拠のない、「占い」や「正確判断」として利用されるだけ

 

《第一次血液型正確診断ブーム》

血液型による正確診断としていまでも使われることがありますが(現在では、ブラッドタイプハラスメント=ブラハラ)、科学的な根拠は何一つありません。というか、完全に否定されています・・・

そもそも、日本で血液型性格診断は1927年に心理学者の古川 竹二氏の論文「血液型による気質の研究」がきっかけのようです。

その後、当時の日本軍が兵士の適性を判断するために取り入れたという話しまであるようですが、効果的には機能しなかったようです。

これが、第一次血液型性格診断ブームと呼ばれるものです。

その後、血液型による性格診断は300以上の論文で「血液型と正確には何の関係もない!」と結論づけられ血液型性格診断は下火になったようです。

 

《第二次血液型正確判断ブーム》

ところが、1971年に今度はジャーナリストの能見 正比古氏が出版した「血液型でわかる相性」1973年に出版した「血液型人間学」という書籍により再び脚光を浴びていき・・・

再び血液型と性格は結びつけられるようになりました。


ちなみに、能美氏は研究者ではなくただのジャーナリストです。さらにいえば、能見氏は2万人以上からアンケートをとったようですが「自著の愛読者」や「講演会に集まった人」から集めたようです。

ただこれでは、コミケに行って「あなたは、アニメが好きですか?」とかプロ野球の観客を集めて「あなたは野球が好きですか?」と聞いているようなものです。

ただ、血液型で性格が判断できるとなれば分かりやすくて効率的で話題性がありますよね・・・

つまり、面白いから何度も脚光を浴びてしまうことが本当の所なのでしょう。

 

血液型性格診断でなにが起こったの?

血液型性格診断によるカテゴリー分けを見れば分かると思います。

 

《血液型別の性格別カテゴリー》

  • A型・・・内気・遠慮深い・温厚・用心深い・自己犠牲・感動しやすい・争いを好まないなど。(細かい)
  • B型・・・気軽で淡泊・快活でよくしゃべる・刺激に敏感・物事を気にしない・世話好きなど。(わがまま)
  • O型・・・落ち着きがある・意思が強い・自信家・物事に迷わないなど。(おっとり)
  • AB型・・・内と外が違って判断しにくい。(二重人格なんていわれることも)

 

《血液型別の日本人の割合》

  • A型・・・約40%
  • B型・・・約20%
  • O型・・・約30%
  • AB型・・・約10%

 

さて、本当にこれが当てはめられてしまい、いじめや職場でのブラハラが社会問題になりました。特にターゲットにされやすいのは数が少ないB型・AB型ではないでしょうか?

血液型による性格診断では、B型:「自己中」というイメージ・AB型:「二面性」が固定概念としてあるため「やっぱりB型だから・・・」「AB型だから・・・」なんていわれるはめになります。

→「O型だ!」という理由で嫌がられる人はほとんど聞いたことがありません。

さらに、自分達が属している集団に「A型が多いか?B型が多いか?AB型が多いか?」によっても変わっていきます。

血液型性格診断の問題点は、そもそも根拠がまったくなく、ただただ人格否定を繰り返すツールとして悪用されるという側面があることです。

 

そもそも血液型を知っていても使いどころがない・・・

血液型が本当に必要な場面は、輸血の時ぐらいしかありません。ですが、必ず事前に血液型はチェックされてからでしか輸血はされません。

つまり、そもそも私達が「血液型を知っていなければならない!」という必要性はまったくといっていいほどありません。

 

《世界的に見てもかなり珍しい・・・》

そもそも、海外で自身の血液型について知らず、ほとんど興味すらない場合がほとんどです。ただ、なぜか日本の影響を受けた韓国など一部地域に限って血液型性格診断が浸透しているようです。


つまり、血液型性格診断は使いどころを間違えると差別・虐めの対象になるだけで「百害あって一利なし」ということです。

ということで、そもそも血液型を知る必要がないため産婦人科などで知らされなくなっているようです。

そもそも、赤ちゃんの血液型検査は信頼性に乏しく、一般的に正確な検査は学童期以降に実施されることが望ましいとされています。

 

最後に

いかがでしたでしょうか?

血液型性格診断は確かに分かりやすく、またなぜか占い好きが多い日本人にとっては、特に受け入れられやすいのかもしれません。なんといっても、話題性は言うまでもありません。

ただ、「根拠が否定されているにも関わらず、受け入れている危険性」をもっと知るべきでしょう。

同じように、最近のニュースでは「閉じこもり傾向の人は・・・」なんて犯罪者予備軍のような話題になりますよね。ですが、そもそも外に出ないから閉じこもりなわけです。


家でできる仕事がどんどん増えているのが今の世の中です。そして、政府も副業を薦めている状況で今後、個人事業主はあきらかに増加していきます。

つまり、まともに働いても収入が厳しいため、仕事から帰って家でもできる仕事で成功した人がいたとします。その人達がそのまま個人事業主として自宅で仕事をするようになれば、「閉じこもり傾向の人」になる確率は今後どんどん増加していくことになります。

このように、時代の変遷で常識は大きく変わります。少なくとも、血液型性格診断は話題になっても意味(根拠)がないことを知っておかないと、あなたの周りから人がいなくなる可能性が高いのでご注意下さい。


参考

exiteニュース:馬鹿な信仰 〝血液型性格信仰〟はこうして形成されてきた~前編
https://www.excite.co.jp/news/article/HealthPress_201601_post_2226/

犬耳書店
https://inumimi.papy.co.jp/inmm/sc/kiji/1-1103135-84/

ウィキペディア:血液型性格分類
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%80%E6%B6%B2%E5%9E%8B%E6%80%A7%E6%A0%BC%E5%88%86%E9%A1%9E

 

 

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