お年玉は誰のお金? 親権を悪用すると・・・?

 

今回は、お年玉と親権についてお伝えしています。

明けましておめでとうございます。

皆さんは、もうお年玉をもらいましたか? それとも、渡しましたか?

お年玉は、特に子どもにとって1年のビックイベントの1つではないでしょうか。ただ、その金額は普段の金額を大きく上回る場合もありますよね。

そのため、子どもの将来のことを考えると毎回、全額渡すことは抵抗がある親御さんも多いのではないでしょうか?

それでは、そんな「子どものお年玉はどのように扱えばいいのでしょうか?」

 

お年玉が数万円になることも・・・

これは、私の事例ですが父は4人兄妹・母は3人兄妹ですので父母を合わせると両親の兄弟だけで7人います。

さらに、その子ども(私からすれば「お兄ちゃん」や「お姉ちゃん」)が10人程。

さらに、祖母が健在だったので毎年10人以上の人からお年玉をもらっていました。

そのため、その金額もなんと6万円~7万円程になっていました。

ここで終わるとただの自慢話になってしまうので付け加えますが、「親戚のお兄ちゃんやお姉ちゃんが多い」と言うことは、私の両親も同じぐらいの金額をお年玉として渡していました。

イメージとしては、言葉通り「お金を親戚間で回している」ということですね・・・

そのため、「私のお年玉はどうなった?」についてはご想像にお任せします。

ちなみに、「お前がお年玉をもらえるのは俺らがその分お年玉を渡しているからや~」というのが、父親の口癖でした。

→小学校を卒業する頃には、お年玉の合計が約100万円になると仮定します。

 

お年玉を親が勝手に使うとどうなる?

私の例で言えば、100万円が入った通帳を中学生の子どもに渡すなんて考えられないですよね・・・

当時、1000円でも大金だと考えていた私としても、そんな大金を渡されても困ってしまいます。

それでは、そんな私のお金を親が勝手に使うことに法律的には問題ないのでしょうか?

luxstorm / Pixabay 

 

親権

そもそも、親には民法で「親権」が定められていますよね。

(財産の管理及び代表)
第八百二十四条 親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。

ということで、親が子どものお金を管理することは法律的にも全く問題ありません。

むしろ、子どもの金銭管理をしない方が危険ですよね・・・

さて、子どものお年玉の管理は、親権に基づいた正当な行為になりますが、それではいつまで管理できるのでしょうか?

 

いつまで?どこまで管理できるの?

民法828条にはこのように書かれています。

(財産の管理の計算)
第八百二十八条 子が成年に達したときは、親権を行った者は、遅滞なくその管理の計算をしなければならない。ただし、その子の養育及び財産の管理の費用は、その子の財産の収益と相殺したものとみなす。

つまり、成人すれば親権に基づいた金銭管理は終了します。

注意点としては、民法の改正により2022年4月からは18歳からが成人となるため、これからは「高校生はもう大人」という認識になるのかもしれませんね。

法律的には、順当に進学している場合は高校3年生~大学1年生にこれまで管理していた金額の収支を伝えなければいけなくなります。

 

養育費の費用は親が負担している

そもそも、親は子どもを養育するために費用を負担していますよね。

そのため、民法828条にあるように子どもの財産の収益は、その養育や管理のために充てても返還しなくても良いことになっています。

また、そもそもの話しになりますが、民法831条

(財産の管理について生じた親子間の債権の消滅時効)
第八百三十二条 親権を行った者とその子との間に財産の管理について生じた債権は、その管理権が消滅した時から五年間これを行使しないときは、時効によって消滅する。

例えば、言葉は悪いですが親権者が管理しているの子どものお金を「くすねたら」どうなると思いますか?

geralt / Pixabay

実は、これも民法に規定されています。

(財産の管理における注意義務)
第八百二十七条 親権を行う者は、自己のためにするのと同一の注意をもって、その管理権を行わなければならない。

という規定があるのですが、この注意義務に違反することになるため返還義務が生じることになります。

ただし、民法831条にあるように5年で時効がきてしまいます。

つまり、子どもは23歳までに親を訴えないといけないことになりますが普通は、こんなことにはならないでしょう・・・

なぜなら、シビアな話しをすれば、そもそも、子どもの養育費の方が子どもの貯蓄額よりも何倍も「費用」という意味ではかかっているのですから。

 

最後に

子どものお年玉は、もちろん子どもの財産です。

そして、そもそもジュニアNISAなどで産まれたときからお年玉に限らず、子どもの財産を積立運用していれば、こんな問題が引き起こされる可能性も少なくなるでしょう。

それこそ、積立運用していれば収支も一目で分かりますし、証券アプリを伝えるだけで子どもに引き継ぐことができます。

また、お金の勉強は、学校では学ぶことがほとんどきません。

お年玉の有効活用の1つとして、お金の勉強としても積立投資を視野に入れることは有効な1つの手段かもしれません。

私の場合は、子ども2人のジュニアNISAとして投資信託を今年(2022年)から初めました。

成人するまで10年以上あるため、結果は気長にまつしかありませんが、ただ銀行に預けるよりは複利が利用できるため効果は高そうです。


お年玉は子どもの財産(親戚・祖父母・親などから贈与されたお金)のため、親の生活費や遊興費などのために使えば財産管理権の乱用になりかねません。

ちなみに、子どもの食費・教育費なども親のお金でまかなうものとされているため、習い事の月謝なども親が出す必要があります。

なんにしても、民法824条に規定されている通り、子どものお金の使いどころは子ども自身が決めることが大前提です。

もしもの時は、子どもに相談することも検討することになるでしょう。

子どもの方が、冷静に判断してくれるかもしれません。

*ただし、子どもが多額の遺産相続を祖父からもらった場合は、そのお金を親が勝手に使い込むと横領罪になったり、親の親権が剥奪されたりとその程度によって犯罪行為になる。


参考

シェアしたくなる法律相談所

https://lmedia.jp/2018/01/02/83175/

紋別ひまわり基金法律事務所

https://monbetsu-law.com/archives/1775

弁護士ドットコム
https://www.bengo4.com/c_18/n_9658/

東京東部法律事務所
https://www.tobu-law.com/bengosi/707/

 

 

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