私の記事でも、「子どもの病気など何かあれば小児科受診へ!」と何度もお伝えしています。ですが、そもそも耳鼻科やアレルギー科など様々な科が存在しますよね。
それでは、なぜ子どもは「小児科への受診!」と言われるのでしょうか?
今回は、そんな「小児科の重要性」についてのお話です。
まずは、そもそも病院の標榜についてご紹介します。
病院の看板チェック!
例えば、病院の看板にこのように書かれていれば子どもをどちらの病院に受診させますか?
- 「小児科・内科」と書かれた看板。
- 「内科・小児科」と書かれた看板。
どちらも内容は同じですが、書かれている順番が違います。
あくまで、「通常は」という前置きをおいてになりますが基本的には最初に書かれた表記が専門になります。つまり・・・
- 「小児科・内科」→子どもの病気を診ることが専門。
- 「内科・小児科」→大人の病気を診ることが専門だが小児も診れる。
となります。
これは、そもそも医師免許を持っていれば「麻酔科」と「歯科」以外の科目は標榜することができてしまうからです。例えば、眼科の医師が「婦人科」と標榜することもできてしまいます。
そのため、このことを知らないと「小児科って書いてある!」という判断だけで受診することになります。
それでは、小児科は他の科とはなにが違うのでしょうか?
小児科と他の科との大きな違い!
そもそも、小児科は15歳ぐらいまで。つまり、高校生ぐらいまでが1つの目安になっています。
ただ、ずっとお世話になっているためそのまま継続して高校生になっても受診することもあれば、病院によっては大人でも受診できたりします。
→明確な年齢制限はない!
さて、そんな小児科には小児科ならではの特殊性があります。
小児科は子どもの専門家
例えば、成人の場合は臓器によって細かく科が分かれていますが小児科は子どもの総合診療ということができます。
例えば、「風邪は自然に治る」と考えて経過観察をしながら基本的には薬を最小限に処方する小児科と、大人のように抗生剤やステロイド剤などを処方する耳鼻科のどちらを選ぶか?
という話しになることもあるようです。
*耳鼻科が必ずしも薬をなんでもかんでも処方するという意味ではありません。
もちろん、大人でもアレルギーや疾患があるので気をつけなくてはいけません。ですが、子どもはそれに加えて未成熟です。この「未成熟さ」を考慮して診察するのが小児科です。
そして、子どもの症状が「もし風邪ではなかったら?」に気づくのも小児科です。
こういったことから、子どもの症状から総合的に判断することができるため子どもの一次診療としてまずは「小児科」を選択することになります。
医療の区分
- 一次医療→通常の外来診療
- 二次医療→入院
- 三次医療→高次医療
という区分があります。
つまり、一次医療は最初の第一歩。子どもにとっての小児科は、この一次医療に当たります。
さて、それではそんな大事な小児科選びはどうしたらいいのでしょうか?
小児科選びのポイント!
新潟県にある、はしもと小児科の説明から紹介します。
- 「あなたの職業は?」と問われて「小児科医です」と答えることができる医師。
- 日本小児科学会認定の資格がある医師。
- 病院小児科に長年勤務したことがある医師。
- 小児科のみ、小児科+アレルギー科を標榜している医師。
- 小児科医としての研修歴
1~5のそれぞれの理由は?
◎4.小児科のみ、小児科+アレルギー科を標榜
→冒頭で説明したように、基本的に先頭に標榜されている科が専門となります。
◎1「専門を小児科医と応えることができる」・3「小児科に長年勤務」・5「小児科の研鑽歴」
1・3・5については、そもそも医学部在学中の学生は臨床実習をしますが医師法があるため、見学と簡単な診察しかできないことになっています。
つまり、医学部を卒業して医師国家試験を合格しただけでは、医師免許はあるが臨床的技量はゼロの状態です。そのため、その後は自分が希望する「科」に入局することになります。
*どの科も10年のトレーニングが必要とされています。
これが、「専門性の正体」と言ってもいいかもしれません。
このとき、小児科を選択すればもちろん小児科の専門医としてのトレーニング(研鑽)を積むことになります。
つまり、小児科を専門として入局しているわけですから・・・
- 1.「私は小児科の専門医です」と応えることができる。
- 3.小児科に入局するわけですから、長年小児科に勤務することになる。
- 5.小児科に長年勤務した経験が、「研鑽歴」となる。
◎2.日本小児科学会認定の資格
日本小児科学会が実施している小児科専門医制度のこと。
定められた研修を終了し試験に合格することで日本小児科学会より「小児専門医」の資格が与えられます。また、この資格は5年ごとの更新制です。
つまり、この資格があれば専門性に関する資格を広告することができるようになります。
最後に
小児科は、子どもの症状を幅広く総合的に診療してくれる病院ということが分かっていただけたと思います。子どもの発熱や咳をはじめ、耳の痛みや頭痛など子どもにはあらゆる症状が考えられます。
大人なら、それぞれの科に受診することになりますが、子どもの場合は小児科で総合診療がおこなわれ場合によっては他の病院を紹介されることもあります。
そうでなくとも、子どもができれば予防接種や体調不良などで小児科にかかるタイミングは少なくありません。もちろん、かかりつけ医との相性もあります。
私達が、いきなり先生に「小児科の研鑽歴は?」なんて聞くことはできないので、小児科選びの基本はこれまで通り、病院の看板を見ることになりそうです。ただ、医師の専門性を理解していれば安易な病院選びを防ぐことができるのではないでしょうか?
参考
医師開業
→https://www.doctorsupportnet.jp/check/q_015.html
働くママのwebマガジン
→https://hanakomama.jp/topics/40018/
外房こどもクリニック
→http://www.sotobo-child.com/blog/entry-000058.html
コメントを残す