電気がこない!? 電気が送られてくる仕組みと停電の理由 

 

最近、「かくれ停電」とういう言葉がメディアで使われるようになりました。

かくれ停電とは、「停電していないとされている地域内で停電している」「一度復旧したにも関わらず再び停電している」そういった状態のときに、「かくれ停電」と呼ぶようです。

それでは、そもそも停電する理由と復旧されていく方法をご存じでしょうか?

今回は、「停電の理由とは?」についてご紹介します。

 

私たちはなぜ電気が使えるの?

私たちが電気を使うときは、スイッチ一つまたはコンセントにさすだけで簡単に電気が使えてしまいます。そのため、「電気は簡単に送られている」と錯覚している人もいるかもしれません。

確かに、需要する側(利用者)は簡単に電気を利用できますが、供給する側(電力会社)は日々のメンテナンスがかかせません。

それでは、そもそもどうやって私たちは電気を簡単に使うことができているのでしょうか?

発電所から電気を送り出すためにさまざまな工夫がなされています。

 

電気が作られる場所は?

そもそも、電気は発電所で作られることは皆さんご存じかと思います。

  • 水力発電(山の中のダムを利用)→8%
  • 火力発電(石油・石炭・LNG:液化天然ガスを燃やす)→60%
  • 原子力発電所→31%

他にも、地熱・風力・太陽光発電→1%

こういったエネルギーから成り立っています。

さて、発電所で作られた電気は必要なところに送らないと意味がないですよね。

 

超高電圧!

発電所で作られた電気は、長距離を移動することになります。

というのも、特に発電所は大都市など大量に電気を消費する地域から遠い場所に作られることがほとんどです。

つまり、電気を送ろうとすると何十㎞~何百㎞も離れた場所に送ることが大前提となります。

そのため、発電所で作られた電気を効率的に送るために22万ボルト~50万ボルトの超高電圧で送り出されています。

 

ポイント!(超高電圧の理由とは?)

そもそも、電流が送電線を流れるときに電気抵抗のため熱(ジュール熱)が発生します。

この熱が出ただけ、電気がロスする。

この熱は、ジュールの法則により電流(A)が多いほどでるため、電流を少なくしてやればロスが少なくなります。

つまり、「電圧を高くすることで電流を下げることができる」「電流が下がれば電気のロスを減らせる」ということになります。

だから、発電所から超高電圧で送り出されています。

Benita5 / Pixabay

 

私たちが使っている電気はどこからきているの?

もしも、超高電圧の状態で私たちの家に届いたとすると、当然危険ですよね・・・

そのため、変電所で少しずつ電圧を下げることで工場や各家庭など必要な場所に送り届けられています。

 

電気が自宅に届くまで

①発電所
↓ ↓
②超高圧変電所(50万V~27万5,000V)
↓ ↓
③一時変電所(15万4,000V)
↓↓
④二次変電所(3万3,000V)
↓↓
⑤配電用変電所(6,600V)
↓↓
⑥柱上変電所(100/200V)
↓↓
⑦住宅


このように、電気は各変電所を通過することで少しずつ電圧を下げながら移動していきます。

そして、⑥「柱上変電所」とは私たちがよく目にする電柱のことです。

電柱から引き込み線を利用して、各家庭などに電気を供給しています。

このように、普段私たちが当然のように電気が使えるのは、こういった設備が整っているからなんですね。

私たちが電気を使える理由は理解できたでしょうか?

それでは、電気が使えなくなる場合はどういうときだと思いますか?

 

停電発生のその時!

さて、これまで紹介したように各家庭に電気がくるまでに様々な変電所を通ることが分かったかと思います。

それこそ、山奥から市内までありとあらゆる場所に電線は張り巡らされています。

それでは、そもそもどうして停電は発生すると思いますか?

それは、例えばこんな理由があります。

 

樹木や鳥獣等の接触

春~夏にかけて多くなります。

例えば、カラスが電柱に巣を作ると、木の枝や針金などが電線に接触し、停電してしまうことがあります。

 

風や雨、自然災害の影響

夏~秋にかけて多くなります。

  • 樹木の倒壊、山崩れ等により電線が切れる。
  • 電柱が倒壊する。

 

≪台風の場合》

  • トタン
  • 看板
  • 養生シート
  • テレビのアンテナ

などが強風で飛散し、電柱や電線に接触することで電力設備が被害を受け、停電が発生することになります。

 

ポイント!(感電事故の危険性!)

間違っても、折れた電柱切れて垂れ下がった電線に近づかないでください!

電気が通っていれば当然、感電するためかなり危険です。

 

落雷の影響

夏に多くなります。

碍子(がいし)と呼ばれる、電線と鉄塔の間などに電気を通さない(絶縁する)ために取り付けられています。

碍子があることで、次の電線に電気をスムーズに伝えていくことができます。

ところが、落雷により碍子や電線が破損することで停電が発生してしまいます。

 

雪の影響

雪の重みで樹木が倒壊し、電線に接触することで停電が発生します。

他にも、車両の衝突や近隣火災の影響で送電が停止されることもあります。

さらに、「地面の掘削」「クレーンが電線が接触する」といった重機による設備損傷も発生することがあります。

このように、停電は自然だけでなく人が引き起こしてしまう(人災)こともあります。

つまり、なにも停電対策をしなければ台風や地震がなくとも、様々な理由でまさに1年中いつ停電になってもおかしくない環境にあるということになります。

 

最後に

私たちが普段便利に使っている電気は、実は様々な工夫の上に成り立っています。

また、自然環境を考えると「いつ停電してもおかしくない!」

そんな環境にあるということができますよね。

ですが、個人的にはこれまで停電になった経験はほとんどありません。

だからこそ、「電気は使えて当たり前」と信じることができているのだと思います。

それでは、なぜこれまで当たり前のように使えてこれたのでしょうか?

次回は、「私たちが電気を疑問をもたずに使えてきた理由」についてご紹介します。


参考

中部電力
https://www.chuden.co.jp/kids/kids_denki/hendensho/yakuwari/index.html

関西電力
https://www.kepco.co.jp/souhaiden/supply/teiden.html

 

 

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