垂直避難は人だけじゃない!? 車の安全な避難場所とは?

 

毎年、当たり前のように「過去最強の台風」がやってきますが、2020年も過去最強の台風10号が発生してしまいました。

幸運なことは、前もってその台風がどこにくるのか予想することができる点です。

それでは、そんな台風で大きな被害がでると予想されたとき、あなたなら愛車をどこに避難させますか?

今回は、「災害時に愛車をスクラップにしないために」ついてご紹介します。

 

災害時の対応は?

地震はその場の対応が迫られる!

例えば、走行中に大地震が発生したときは駐車場などの道路外の安全な場所に止めるか、やむをえない場合は、車を路肩に付けて避難することになります。

ただ、路肩に駐車した場合は、緊急車両などを通過させるために「鍵を車内に残し」「ハザードランプを点灯」「鍵をかけずに」避難することになります。

⇒ドアロックされエンジンキーが無い車が妨げになった場合は、道路管理者は車の所有者の同意無しにやむを得ない限度において、車を破損し移動させることができます。(災害対策基本法 第76 条の6 第3 項


ArtisticOperations / Pixabay

ちなみに、「津波警報が出ている」・「同乗者が高齢で車で避難したい」などやむをえず車で避難する場合もあると思います。

こいった場合は、「信号機の停止」や「道路の破損」など、これまでとは全く違う道路状況になっているかもしれないことを意識しながら走行する必要があります。

ところで、「大地震」と言いましたが、そもそも車には道路からの衝撃をサスペンションが和らげてくれています。

車を運転したことがある人なら、走行中の地震に気付けなかったことがあるのではないでしょうか?

それにも関わらず、「走行中に揺れを感じた?」・「周囲の様子がおかしい?」となれば大きな地震の可能性があります。

参考:東京海上日動 「走行中に大地震に遭遇したとき、適切な退避行動をとれますか?」

さて、このように突発的な地震の場合はその場で判断して避難行動をとらなければいけません。

ですが、台風は地震とは違い、前もって進路が分かっているため車を避難させる時間があります。さらに言えば、水害時は車で逃げることは避けた方がいいでしょう。

 

そもそも車は避難場所にならない!

2019年に発生した台風19号では、「約10万台の車両が水害を受けた」と言われています。

これは、地震と大風との避難場所の違いでもあります。

つまり、地震後に車を避難所代わりに車中泊するのならともかく、これからやってくる台風に備えて車中泊を選択することは、自ら災害に巻き込まれにいくことと同じです。

ただ、大風19号の時、実際には車を残して「自宅の垂直避難」や「高台へ避難」するといった命を守る行動を多くの人が実践したおかげで、そこまで多くの被害を出すことはありませんでした。

 

「垂直避難」については、こちらの記事で紹介しています。

垂直避難は最後の手段! でも、準備が必須!?

ちなみに、車で避難を選択した場合は最低限の知識としてこれだけは覚えておいてほしいことがあります。

  • 愛車は、エンジンに水が入ると停止(深水深:約30㎝)する。⇒冠水している場所は避ける。
  • 水は低い方に流れるため、一旦、愛車が流されると水深の深いところへどんどん流される。
  • 愛車は、エンジン類の重さで前向きに傾く。
  • 車が傾くため、ドライバーの姿勢も安定せず身動きが取れなくなる。

→流れがあるときは、膝下までの水深なら脱出できる最後のチャンス。(流れがないときは膝上でも避難できる可能性がある)

*深水深とは、浸水した地面から水面までの高さのことです。

とはいえ、ここまでギリギリまで追い込まれて、愛車をみすみすスクラップにしたくはないですよね・・・

そもそも、水害時は川が氾濫すればあっという間に道路が冠水することもありえます。

そのため、車は非難には使えない可能性が高く、車で避難するぐらいなら最初から早い段階で車は安全な場所に避難させた上で、自分たちも歩いて避難所へ向かうことを前提に非難を考えておく必要があるでしょう。

それでは、そもそも車はどこに避難させればいいのでしょうか?

 

車の避難場所とは?

そもそも、自分が住んでいる場所が周囲の川よりも明らかに高い場所にあるのなら、そもそも冠水などは引き起こされないでしょう。

→水害の場合、そもそも避難場所は、高台など標高が少しでも高い場所。

ただ、いくら標高が高くても山の近くなら土砂崩れに巻き込まれる可能性など、別の危険はありますが・・・

さて、それではもしもあなたが住んでいる地域が堤防などがあり、川よりも標高が低い位置にあればどうでしょうか?

当然、堤防が決壊すれば川の水が押し寄せてくることになります。

さらに、本流に合流する支流域に住んでいる場合は、本流からの水が逆上(背水)して一気に水かさが増すため、特に注意が必要です。

そんな時、前もって車を避難させる場所はどこが適切なのでしょうか?

 

~車を垂直避難させる?~

水を避けるためには、例えば「高い場所に移動」・「水が入ってこない密閉空間に移動」・「水が流れてこない場所に移動」といったことが考えられます。

ただ、現実問題として密閉空間を個人で準備することはほぼ不可能ですし、水が流れてこない工夫の1つが例えば堤防ですが、例えば個人で壁を建設するなんて難しいですよね・・・

と言うことで、現実的な方法は高い場所に車を移動させる。つまり、垂直避難させることになります。

結論から言えば、商業施設の立体駐車場への避難です。

  • ショッピングモール
  • スーパーマーケット
  • パチンコ店

など、立体駐車場が完備されている商業施設は近場にいくつかあるのではないでしょうか?

特に、自然災害の発生が多い地域を中心に、水害が予想されるような場合は、全国のパチンコ店の駐車場が台風や洪水を避けるための一時避難所として解放されています。

また、そもそも地震など災害時は帰宅困難者のために「災害時帰宅支援ステーション」により水道水・トイレ・道路情報といった支援が行われています。

→災害時帰宅支援ステーションについては、次回ご紹介します。

つまり、まずは確実に生き残る対策を講じる必要があります。

そして、車が無事なら移動はもちろん荷物の持ち運びや、バッテリーとしても使うことができますし、避けたいですが、もしものときの車中泊としても使うことができます。

→一時の駐車料金とは比較にまでもなく、台風後の生活に大きな役割を果たしてくれるでしょう。

 

最後に

駐車料金を考えると一瞬迷ってしまうかもしれませんが、廃車になる可能性を考えると、やはり垂直避難はしておいて損はないでしょう。

可能であれば、安全な地域に実家があるのならその場所へ避難した方が安全です。

私が住んでいる場所も以前は、天井川があったため親からは「台風が来る度に鶏や牛が流されて大変だった・・・」と何度も聞かされてきました。

ですが、そんな天井川も私が大人になる前に整備され役割を終えました。

ただ、どんなに整備をしたとしても、地震や台風などでいつかは災害が引き起こされます。

まずは、情報収集していざという時の行動を考えて見てはいかがでしょうか?

少なくとも、「ハザードマップ」や「天気予報」、「避難場所」などを活用できれば、昔よりは格段に生き残れる可能性が高くなっています。

とはいえ、一番の問題は過去最強の台風がくることが分かっていても、仕事が休みにならないことだといえるでしょう。

仕事が休みにならなければ、例えば通勤に車を使っている労働者は垂直非難もなにもあったものではありません・・・

まずは、労働環境の見直し(「前もって災害から非難する権利」を得ること)から始める必要があるのかもしれません。


参考

関西広域連合会
https://www.kouiki-kansai.jp/koikirengo/jisijimu/bosai/1193.html

くるまが:浸水時の避難方法をご存知ですか?
https://www.carmanagementservice.com/mail/190815.html

 

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