近年、毎年当たり前のように災害がくるようになってしまいました。
例えば、洪水による床下浸水や床上浸水のように家に水が入ってくることもあります。
それでは、浸水にあった時水が引けばそれで問題ないのでしょうか?
今回は、「床下浸水後のなにが危険なのか?」についてご紹介します。
→床上浸水については、こちらの記事で紹介しています。
床下浸水と床上浸水
- 床下浸水:汚水等の流入が家屋の床の下までの状態。
- 床上浸水:汚水等が床の上まで流入する状態。
これだけでは、いまいち分かりずらいので国土交通省が定義している「床下浸水」と「床上浸水」について確認していきましょう。
国土交通省によると・・・
- 浸水深が0~0.5M(大人の膝が浸かる程度)→床下浸水
- 浸水深が0.5~1.0M(大人の腰が浸かる程度)→床上浸水
→洪水や内氾濫によって、市街地や家屋・田畑が水で覆われることを浸水といいます。その浸水した深さ(浸水域の地面~水面までの高さ)を、浸水深と呼びます。
つまり、様々なものが混ざった汚い水が流れ込んでくることが1つ目のポイント。
2つ目のポイントは、浸水深が0.5Mに達しているかどうかです。
それでは、床下浸水について見ていきましょう。
床下浸水を放置すると・・・
床下の場合は、家具などは基本的に問題ないため「床下までだから大丈夫よかった」ということにはなりません!
冒頭でお伝えしたように、家に流れ込んできている水はそもそも汚水です。
つまり、床下浸水であっても汚泥の蓄積や水たまりが発生するため、放置してしまえばゴキブリやハエ等の大量発生に繋がってしまうため掃除をしなくては大変なことになります。
そもそも、濡れた家を放置すると後からカビや悪臭が発生し、生活に支障が出る可能性が高くなります。
対策は?
①点検作業
《床下の状態を確認!》
◎畳の場合
畳の下の床板をバールなどで1枚剥がすことで確認でき、確認後は元通りにすることができます。
◎フローリングやじゅうたんの場合
床下収納や通風口の間口から確認することができます。
*どちらにしても、できれば施工業者やボランティアへ依頼した方がいいでしょう。
それでは点検した結果、床下浸水による汚泥の発見後はどうすればいいのでしょうか?
②泥の除去と消毒
- 床下の泥をかき出して洗う。
- 消毒
《消毒の種類》
- 消石灰(しょうせっかい)・・・湿った床下の土にまく。→素手で触らない!
- 逆性石せっけん(ベンザルコニウム塩化物)・・・「オスバンS」が代表的な商品名。水で薄めて家財や床材、手指の消毒に使う。→原液は素手で触らない!
③徹底的に乾燥!
しっかり乾燥させるためには、最低1ヶ月ほどかかるため、ありったけの扇風機などでひたすら風を送り続ける必要があります。
特に、断熱材などは一度水を吸ってしまうと抜けにくいので入念に乾かす必要があります。
→ヒーターなどの温風や熱を使った乾燥方法はNG!
*熱を加えると、木材が反ったり伸縮したりすることや、もし配管等を加熱すれば火災の原因になることもあります。もちろん、ヒーターなどをつけたまま長時間放置してしまえばそれこそ危険です。
掃除をするときの服装は?
連日テレビで報道されているように掃除のさいの服装は、厳重体制でおこなう必要があります。
掃除のさいに怖いのは、なんといっても感染症です。
掃除が終わるまでは、マイホームであっても割り切って肌の露出を避けて完全防備で実施する必要があります。
- 頭はタオルや帽子・ヘルメット
- マスクの着用
- ゴーグル
- 軍手+ゴム手袋
- 長靴
- カッパやヤッケ(ウィンドブレーカー)
なぜ、ここまで厳重にする必要があるのか?
残念ながら、あらゆる場所が汚染されているためです。
もしも、掃除中に身体の一部を切ってしまえば破傷風になるかもしれません。
汚水や消毒液などが目に入ればさいあく失明するかもしれません。
ケガをしない・させないための装備だと考えれば、納得できるのではないでしょうか。
最後に
床下浸水の場合は、震災直後は問題が目に見えないため、安心してしまうかもしれません。
ところが放置してしまうと、しばらくしてからカビによる悪臭や害虫の大量発生などにより、住める状態ではなくなるかもしれません。
床下浸水だからと安心せずに、必ず床下の状態は確認して下さいね。
参考
国土交通省
→https://www.river.go.jp/index
震災がつなぐ全国ネットワーク
→http://blog.canpan.info/shintsuna/archive/1420
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