もしもの時の国庫補助 ~激甚災害の「本激」と「局激」とは?~

 

先日、災害が発生したときは「特定非常災害」に指定を受ける場合があることを紹介しました。

ただし、この指定は行政上の権利利益(免許の更新といった手続きの延長など)を守るための役割です。

今回は、災害時の特別措置の中でも国庫補助の特別措置である「激甚災害制度」についてご紹介します。

*「本激」と「局激」を中心にご紹介します。

 

「特定非常災害」については、こちらの記事で紹介しています。

「特定非常災害」 なんのための特別措置法? 

 

「激甚災害」ってなに?

そもそも激甚災害は、激甚災害法(激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律)により規定されています。

この法律は、大きな災害が発生した場合に災害復旧事業にかかる国庫補助の特別措置をおこなうための制度です。

つまり、被害にあった地域の地方財政だけでは復旧が困難だと認められたときに、その災害は「激甚災害として指定」されます。

→激甚災害に指定されることで、災害復興事業への国庫補助の割合が増えたり、中小企業への保証の特別措置が講じられたりと、金銭的な補助を受けることができるようになります。

 

「本激」と「局激」

勘違いしやすいのは、激甚災害指定には大きく分けて「本激」「局激」の2種類があるという点です。

つまり、ニュースで「激甚災害に指定されました」と報道があった場合は、「本激」か「局激」かで対象エリアが変わります。

  • 本激・・・対象地区が、全国規模で激甚災害と認められた場合。
  • 局激・・・対象市町村を明示して指定される場合。

つまり、局激の場合は対象エリアに入っているかどうかで、大きく補助が変わってくることになります。

3D_Maennchen / Pixabay

 

「本激」と「局激」の違い

「本激」は、地域を特定せずまさに災害そのものを指定します。

一方、「局激」は市町村単位で災害指定がおこなわれます。

これは、先程説明した通りです。

ただし、激甚に災害に指定されたとしても被害を受けた地方公共団体等の全てが、特例措置を受けられるわけではありません。

あくまでも、被害の大きさが一定規模以上の地方公共団体等に限って特例措置が適用されることになります。

つまり、「本激」と「局激」のどちらの指定を受けたとしても同じ激甚災害法に基づく特例措置が適用されるため、同種の措置について違いはないということになります。

本激で適用済みの措置が局激に指定されたからといって、適用されることはありません。→同じ災害で二重に補助率等がかさ上げされることはない。

*「本激」は、「局激(局激激甚災害)」に対するものとしての通称となるため、法令や激甚災害指定基準上の文言ではありません。

 

激甚災害指定(本激)と局地激甚災害指定

激甚災害指定(本激)

本激には、指定基準がAとBの2種類があります。

  • A基準:全国的に大規模な災害が生じたケースを想定した基準。
  • B基準:全国的な災害ではないが、特定の都道府県の区域に大きな被害がもたらされたケースを想定した基準。

 

  1. 公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政補助
  2. 農林水産業に関する特別の助成
  3. 中小企業に関する特別の助成
  4. その他の特別の財政援助及び助成

これらの措置が適用されます。

 

局地激甚災害指定

  1. 公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政補助
  2. 農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置
  3. 農林水産業共同利用施設災害復旧事業費の補助特例
  4. 森林災害復旧事業に対する補助
  5. 中小企業信用保険法による災害関係保証の特例
  6. 小災害債に係る元利償還金の基準財政需要額の算入等

これらの措置が適用されます。


そもそも、激甚災害制度として昭和37年に創設された当初は、激甚災害指定基準(本激)しかありませんでした。

ただ、ある特定地域に激甚な被害を及ぼした災害であっても、「全国レベルで見ればさほどの被害とはならず、指定基準を超えられないため激甚災害とは認められない状況が生じていた」というウソのような状況がありました。

そのため、市町村単位の被害額を基準とする「局地激甚災害指定基準」が昭和43年に創設され、限られた地域内で多大な被害を被った地域に対して各種の特例措置が適用される仕組みができました。

  • 全国という大きな分母で被害額を基準にするのが最初に創設された「激甚災害指定」。
  • 市町村という小さい分母で被害額を基準にするのが「局地激甚災害指定」ということができます。

 

最後に

今回は、激甚災害の「本激」と「局激」についてとりあげました。

毎年のように大きな災害が起こるようになってしまいました。

そして、国からの助成があっても全てをまかなうことはできません。

また、想定外の災害が増えている昨今では、この基準も変わるかもしれません。そして、新しい制度も創設されていくでしょう。

災害大国と呼ばれる日本では、これからも災害に対する備えが国レベルでも個人レベルでも必要になっていきます。

今回の記事が、少しでも役にたてれば幸いです。


参考

内閣府 防災情報のページ
http://www.bousai.go.jp/taisaku/gekijinhukko/index.html

 

 

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