その降水量はあなたの想像以上に危険!? 危険な1時間降水量「⚪⚪ミリ」

 

降水量をお天気情報で聞いたとき、その降水量についてどのくらいの雨量なのか実際に想像できているでしょうか?

2019年10月13日に発生した台風19号の1時間降水量は、観測史上1位を多くの市が更新しました。

同じ日の気象庁が発表している観測史上1位の値で最も多かったのは、岩手県下閉伊郡普代村(しもいぐんふだいむら)の1時間降水量95.0mmでした。

それでは、この1時間降水量95.0mmは現実問題としてどれほどの威力なのでしょうか?

今回は、「知ってるようで知らない降水量の目安」についてご紹介します。

 

「降水量」とは深さのこと!?

そもそも、降水量は「降った雨がどこにも流れ去らずに、そのまま溜まった場合の水の深さ」のことです。

つまり、「雨が水深⚪mm溜まっている!」ということになります。

例えば、1時間で100mmの降水量は降った雨がそのまま溜まった場合、1時間で雨が水深10㎝になるということです。

また、1㎡に100㎜の雨が降った場合、水の量は100L(約100kg)になります。

それでは、どうやって降水量を図っているかご存じですか?

 

転倒ます型雨量計

降水量の観測には、「転倒ます型雨量計」が使用されています。

この雨量計は、雨をはかる0.5mmの「ます」が2つあり、雨に水が0.5mm溜まるとシーソーのように1回転倒し、降水量0.5mmが観測されます。

→「転倒ます型雨量計」については、こちらのyou tube動画で紹介されています。

つまり、1時間・3時間・1日の降水量といった場合、それぞれ「転倒ます型雨量計」にそれぞれの時間溜まった水の深さで降水量が観測されることになります。

それでは、先程の1時間降水量95.0mmとは実際どれほどの強さなのでしょうか?

 

1時間降水量別のそれぞれの威力とは?

気象庁が発表している「雨の強さと降り方」より(平成29年9月一部改正)

1時間雨量(mm) 予報用語 人の受けるイメージ 人への影響 屋内(木造住宅) 屋内の様子 乗車中
10~20未満 やや強い雨 ザーザーと降る 地面からの跳ね返りで足下がぬれる 雨の音で話し声が聞き取れなくなる 地面一面に水たまりができる
20~30未満 強い雨 どしゃ降り 傘をさしていてもぬれる。 寝ている人の半数ぐらいが雨に気付く ワイパーを早くしても見づらい
30~50未満 激しい雨 バケツをヒックり返したような 道路が川のようになる ハイドロプレーニング現象(高速走行時、車輪と路面の間に水膜が生じブレーキが効かなくなる)
50~80未満 非常に激しい雨 滝のような 傘はまったく役に立たなくなる 水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる 車の運転は危険
80以上 猛烈な雨 息苦しくなる圧迫感。恐怖。

天気予報で、1時間降水量が30mm以上ともなれば、「道路が川のようになる」つまり、災害が発生するかもしれないレベルに達します。

そして、50mm以上ともなれば、そもそも車を運転できる状態ではありません。

→上の表から、車を運転するなら1時間降水量が30mm未満の日にする必要があることが分かります。

pasja1000 / Pixabay

また、気象庁が発表している指標から分かるように、80mm以上の予報用語「猛烈な雨」より上の表現は存在しません。

つまり、今回の台風19号のように1時間降水量が95mmということは、すでに80mm以上で視界が見えず、もちろん車にも乗れない状態になっているため、確実に外にでられない状況です。

そして、すでに災害が発生している雨量ということになります。

*もし、「猛烈な雨が・・・」という表現が出てくれば、災害がすでに発生しているレベルだと考えなければいけません

 

国内最大1時間降水量を記録したのはいつ?

1982年7月23日:長崎県琴海町長浦岳(きんかいちょうながうらだけ)

18時~19時の間に153mmの雨が降りました。

この大雨は、「長崎豪雨」「長崎大水害」と呼ばれ大きな災害を引き起こしました。

斜面が多い長崎市では、崖崩れ・土石流・河川の氾濫などが多発し死者・行方不明者229名の甚大な被害をもたらしました。

いったいどんな雨だったのか想像もできませんが、ひとたまりもなかったのではないでしょうか。

 

最後に

1時間降水量は、「激しい雨」で洪水。

「非常に激しい雨」「猛烈な雨」と報道があれば外に出るのも危険な状態だと言えます。

1時間降水量が30mm以上になっているかどうかをまずは指標に考えてみてはいかがでしょうか?

そして、50mm以上になれば基本的にその場から離れるには危険な雨量です。

浸水や土砂崩れなど、ハザードマップなどを見ながら危険な地域になっている場合など、予想雨量を確認しながら早めに避難しなくてはいけません。


参考

気象庁:特定期間の観測史上1位の値
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/mdrr/periodstat/20191010a/20191013/24/rank_update.html#pre24h_mx?

 〃 :雨の強さと降り方
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/amehyo.html

お天気.com:降水量とは?降水量の測り方や目安
https://hp.otenki.com/375/

 

 

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