あなたはどう思いますか?

子育てにはお金がかかります。そんな子育て家庭のために2019年から「幼児教育無償化」がはじまります。

費用が抑えられることは、家計としてはとても助かります。ただ、調べてみると喜んでばかりもいられない現実があるようです。

今回は、内閣府が出した「幼児教育の無償化について」の理由を国立社会保障・人口問題研究所のアンケート結果を参考に「本当に幼児教育の無償化が望まれているのか?」について考察してみました。

 

幼児教育無償化の背景

なぜ幼児教育無償化を実施するの?

内閣府の考えとしては・・・

20代や30代の若い世代が理想の子供数を持たない理由は、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が最大の理由であり、教育費への支援を求める声が多い。子育てと仕事の両立や、子育てや教育にかかる費用の負担が重いことが、子育て世代への大きな負担となり、我が国の少子化問題の一因ともなっている。このため、保育の受け皿拡大を図りつつ、幼児教育の無償化をはじめとする負担軽減措置を講じることは、重要な少子化対策の一つである。

これが、基本的な考え方となっているようです。

geralt / Pixabay

これは、第15回(2015年)出生動向基本調査結果から導き出された答えのようです。

↓ ↓

確かに、この調査結果から「夫婦の子ども予定数が理想の子ども数を下回る背景」として、総数の56.3%が「子育てや教育にお金がかかりすぎる」ことが半数以上になっています。


詳しい内訳をみると・・・

理想の子どもの人数内訳区分

①理想が1人以上→予定は0人・・・経済的理由のなかで「お金がかかるから」は15.0%
②理想が2人以上→予定は1人・・・経済的理由      〃        43.8%
③理想が3人以上→予定は2人・・・経済的理由      〃        69.8%

当然ですが、子どもが増えるほど経済的負担が上がっていきます。私も子どもは2人(0歳・2歳)いますが、すでにおむつ代やミルク代で生活費の負担が大きくなっています。

また、同じ項目で他の回答を見るとこんな結果がありました。

「年齢・身体的理由」のなかで、

「高年齢で産むのは嫌だから」と答えた割合が

Sanjasy / Pixabay

→①では39.0%・②では42.4%・③では38.1%になります。

「欲しいけれどもできないから」と答えた割合が

→①では74.0%・②では34.8%・③では9.8%

アンケート結果を見てもらえれば、回答の偏りが大きいのでこの割合がいかに大きいか分かってもらえるとおもいます。

ポイント!

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注目すべきは、そもそも子どもがいない夫婦に経済的理由は15%しかないことです。「欲しいけれどもできないから」と「高年齢だから」という理由に集中しています。

あくまで、理想は2人以上だが予定は1人の夫婦と、理想は3人以上だが予定は2人の夫婦のなかで「経済的理由が髙い」ということです。つまり、私もそうでしたが子どもが生まれて初めて、経済的理由を現実的に意識するのだと思います。

*人口を増やすためには1家族3人以上必要なことは分かります。単純な数字だけの解説をするなら、子どもが一人なら、人口が1人減少。2人なら維持。3人なら増加となります。だから、政府としては3人以上産んでほしい?


ですが、そもそも子どもがいない夫婦は「子どもが欲しいと思っている」ことが分かります。

「欲しくてもできない」という理由はさまざまあると思いますが、その理由の一つは晩婚化が進んでいることが度々あげられます。アンケート結果でも、①~③で「高年齢で産むのが嫌だから」という理由が髙い割合になっています。

↓ ↓

実は、同アンケートで「結婚へのハードルと独身でいる理由」のアンケート結果もでています。

MoteOo / Pixabay

 

そもそも結婚しない理由

1.未婚者の18歳~34歳までの男女で80%以上の人が結婚したいと考えていることがアンケート結果に出ています。(「一生結婚するつもりはない」と答えた男女は約1割程度ですが、その中でも1度は考えたことがある人は4割~5割もいます)つまり、9割以上の人が結婚を意識していることになります。

2.一年以内に結婚する意志のある男性の割合では、非正規社員など収入の面で大きく左右されます(女性は、学生以外は差が見られません)→自営業や正社員の結婚意識は高いが、非正規・アルバイトなどでは低い。

3.結婚しない理由は、「結婚資金」が男女とも4割を超えています。

4.18歳~24歳では、結婚するには「若すぎる」・「必要性を感じない」・「仕事(学業)に打ち込みたい」

と答える一方で、25歳では「まだ適当な相手にめぐり合わない」が男性4割・女性5割を超えています

結婚しない理由をまとめると

①25歳まではそもそも結婚の意識が薄い→②26歳になり結婚の意思を持つが、男性は自分の就業形態に不安があると不安→③さらに、結婚資金が足りないことが分かる。→④先延ばしになる。→⑤相手がいない

つまり、男性の就業形態もっと言えば安定した収入の有無が結婚に直結していることが分かります。

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このアンケートでなぜ、「幼児教育の無償化」という結論に至ったのかは最後まで分かりませんでした。ただ、子どもを増やしたいと考えられるなら、そもそも結婚への不安を取り除くことが最優先だと思いました。すでに2人子どもがいる世帯にさらに産んでもらおうとする前に、まずは普通に結婚できる世の中にすることが先だという結論にいたりました。

 

まとめ

幼児教育の無償化とはいっても、大学で言うところの学費が免除される仕組みという意味合いが強いようです。また、完全無償化とありますが実際は制服代は対象外などまったくお金がかからないというわけではありません。そして、財源は今回の消費税増税(10%への引き上げ)の一部が使われるようです。誰にとっての制度なのか、今後の動向がこれからも気になる制度あることは間違いありません。


参考

内閣府「幼児教育の無償化について」
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_36/pdf/s2-2.pdf

国立社会保障・人口問題研究所
http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/NFS15_gaiyou.pdf

 

 

 

 

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