固定電話恐怖症は恐怖症性障害の一つ! その「苦手意識」は恐怖症かも・・・   

 

あなたの家には固定電話がありますか?

例えば私の実家にはありますが、私が住んでいるマンションにはありません。とはいえ、これまで実家が自営業と言うこともありお客さんからの電話を取ることもありました。

また、大学を卒業するまで実家暮らしだったため、幸い社会人になるまで途切れることなく固定電話を使う機会がありました。

それでは、携帯電話が普及し、そもそも固定電話をほとんど使ったことがない世代はどうでしょうか?

今回は、「恐怖症性障害の一つ固定電話恐怖症」についてご紹介します。

 

「恐怖症性障害」ってなに?

恐怖症性障害とは、「ある特定の状況や対象に過度な恐怖を感じてしまい、その恐怖が生活や精神状態に支障を生じてしまう病気の総称」です。

ちなみに、対人恐怖症など「⚪⚪恐怖症」と呼ばれるものは200種類を越えるとも言われ、誰もがもっているものだと言えます。

むしろ、恐怖は人間の感情の一つですので、本人が自覚していないことも含めれば、恐怖症がない人はいないのではないでしょうか?

ただし、当然ながら全ての人に治療が必要なわけではありませんよね。

基本的には、その恐怖に対する影響が強すぎて以下のいずれかに当てはまる場合が治療対象となります。

  1. 本人や周囲が困っている
  2. 日常生活や仕事に大きな影響がでている

つまり、⚪⚪恐怖症の悪影響により、さまざまな支障が出ている場合です。

 

こんな支障はありませんか?

例えば、あなたの職場で苦手な業務がありませんか?

→会議・車の送迎・電話対応・自宅や会社への訪問・出張などなど。

今回は、その中でも「固定電話恐怖症」を例に挙げていきます。

 

固定電話が怖い!

あなたが、最後に固定電話を使ったのはいつ頃でしょうか?

職種にもよりますが、社会にでれば当たり前のように会社の固定電話に出ることになるでしょう。

ですが、産まれたときから携帯電話がある世代にとって、基本的に知らない人からの電話(固定電話)をとった経験は少ないですよね。

ですが、誰であれ社会に出れば不特定多数の相手から、固定電話に何十回・何百回とでなくてはいけなくなるかもしれません。

ただ、それを繰り返していく内にこんな症状が引き起こされるかもしれません。

 

《固定電話が恐怖の対象!》

  1. 固定電話に出ることが辛い
  2. 電話対応を避けようとして生活・仕事・人間関係に支障が出る
  3. 電話が鳴るだけでそれ以外の業務が手に付かなくなる
  4. 電話対応の不安を紛らわそうと、タバコやお酒が増える
  5. 不眠・食欲減退など体に影響が出ている
  6. 恐怖の対象が常に頭から離れない

固定電話に出ることに対して、こういったさまざまな症状が現れることがあります。

*私の世代は、そもそも昔は携帯電話がないため子どもの頃など、相手に電話しようと思えば「相手の実家の家電(固定電話)に連絡する」という方法が普通でした。

そのため、私達の世帯以上では、固定電話恐怖症が理解できない人が多いかもしれません。

 

どんな人がなりやすいの?

そもそも、MMD研究所が2018年に実施したアンケートによると、固定電話を使用していない中高生の23.8%が「固定電話を使ったことがない」と答えています。

つまり、これからはさらに多くの若者達が固定電話恐怖症になる可能性があります。

というのも、そもそも自分が固定電話に苦手意識があるかどうかすら分からない状態で、基本的に間違えられない実践(社会)に投げ出されることになるためです。

実際、固定電話恐怖症は子どもの頃から携帯・スマホでのコミュニケーションが主体だった若い世代に多く見られるようです。ちなみに、女性よりも男性に圧倒的に多い。

ちなみに、シンカ(ベンチャー企業)で実施されたアンケート調査によると、「固定電話が嫌だ・ストレスだ」と6割以上が感じており、20~34歳の若い世代では7割が「感じる」としていることから、若い世代ほど固定電話に対する苦手意識が強いことが指摘されました。

電話対応が苦手で仕事が嫌になった人も半数程度存在していた。

 

電話業務は実は難易度が高い!?

慣れた人にとっては簡単かもしれませんが、実は初心者にはかなり難易度が高い業務になります。

①相手の名前・要件・連絡先の確認

②電話内容がメモできたとしても、職場の人に確実に伝えなくてはいけません。(相手が急ぎの場合ならメモの内容を同僚に連絡して伝える必要があるかもしれません)

③別の部署などの場合は「内線」を回す

→そもそも、新人の場合は自分宛に連絡は基本的にこない。つまり、電話の内容を誰かに報告することが中心になる。


電話対応は、他にもさまざまな作業が一つでもおろそかになると成立しません。しかも、対応できるのは基本的に電話対応した本人のみです。

ですが、特に最初は相手先の名前を聞き間違えたり、「また連絡します」と言われて電話を切られたことから、「なぜ、相手を確認しなかった!」と上司に注意されるなど、さまざまな失敗が起こります。

そもそも「内線ってなに?」という人もいるかもしれませんね。

*ちなみに、失敗でなくても相手の名前を聞いただけで怒鳴られるなんて理不尽なこともあるでしょう・・・

 

ジェネレーションギャップ?

世代間格差なんて言われますが、これは「若者がダメ」とかそういうことではありません。単純に経験・学習が少ないためにミスが引き起こされます。

とはいえ、ベテランと呼ばれる人の中でも、相手の名前を確認しただけで理不尽に怒鳴られて、すぐに切り返せる人は少ないでしょう。

逆に、SNSの扱いは私達おじさんはミスばかりですよね(ミスだとすら気付いていないかもしれません)

極端な話し、プロサッカーチームに素人が混ざるようなイメージが近いかもしれません。会社で働いている人にとってはいつもの作業でも、新人は初めての作業になります。

しかも、「電話に出れない」となればサッカーで言えば「リフティングできない」なんて言われるようなものでしょう。

「できて当たり前」と考える先輩にとっては、使えない新人となってしまうかもしれません。

ですが、そういった新人への対応が口調や態度に現れてしまい、若い社員は固定電話恐怖症がひどくなる危険性があります。

どんな恐怖症であれ、基本的に苦い経験が影響していると考えられます。そして、その経験を恐怖症になるほどの苦い経験にさせるかどうかは、周囲の人間次第かもしれません。

 

最後に

最近では、電話対応中に泣き出してしまう社員さんがいることが話題になっています。

私なら、絶叫マシーンに乗せられたら泣く自信があります。というか、命も危ないかも・・・

これは、恐怖に対する人間にとって当たり前の反応です。

特に、「知らない人には近づかない!」「知らない電話はとらないで!」そんなことを言われて育ち、しかもスマホなどで見知った人にしか連絡しない経験しかなければ、固定電話に対する恐怖心が強くなっても仕方がありません。

しかも、職場で仕事として失敗できない状況での、初めてのやり取りならなおさらです。

もしも、固定電話恐怖所が理解できなくても、自分のもっている恐怖症については理解できますよね。新人を生かすも殺すも職場次第です。

ちなみに、どんなベテランでも1つのミスや理不尽な出来事で、いつ「固定電話恐怖症」になるかはわかりません。


参考

元住吉こころクリニック:恐怖症性障害とは?
https://cocoromi-cl.jp/knowledge/psychiatry-disease/phobia/about-phobia/

ヨミドクター:職場の電話が鳴ると胸が苦しく…若者に広がる「固定電話恐怖症」って?
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20200213-OYTET50011/

 

 

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