認可保育園が閉鎖!?
保育園閉園のニュースが飛び込んできました。
正直、「とうとう始まったか」という印象でした。
結論から言えば原因は、保育士がやめたこと。そして、すぐに新たな保育士を集めることができなかったことです。
あなたは、ひょっとしたら辞めた保育士さん達に「責任感がなさすぎる!」なんて思ったことがあるかもしれません。
このことは、他人事ではありません。認可外だから危険なんて言われることもありますが、「保育所のイメージ ~認可外保育所だから危険?~」の記事でも触れましたが、認可外だからではなくその園だったからだと思います。
今回はなぜ、横浜市の認可保育所が閉園になったのか「保育園閉鎖ニュース」から考察していきます。
*私は、10年間高齢者の介護現場しか経験したことがないので全てが当てはまらないかもしれません。
3人の保育士が家庭の事情で退職
個人情報保護の問題もあるので、詳しいことはわかりませんがこの3人の方がやめたことがきっかけだったようです。辞めたのは、常勤2人と派遣1人。
辞めた理由を考察してみました・・・
①3人が辞めた時点で閉園ということは、そもそも職員数がギリギリ。
→普通に考えてみてください。3人辞めただけでなくなってしまうということは、ほとんど休みがとれない状態。また、一人は期間限定の派遣社員です。長期的に見れば実質、2人辞めたということになると思います。
②どんなにきついと言われる仕事でも続ければ慣れてしまう
福祉業界は、3Kなんて言われます。→「きつい」「汚い」「危険」
ここでいう危険は、自分の体もそうですがそれ以上に「怪我をさせてしまったら」という責任の意味合いが大きいです。
最近では、「結婚できない」「給料が少ない」など追加されて5K・7Kなんていわれることもあるそうです。
→今回の閉園問題では、そもそもその給料すら支払われていなかったという情報まで報道されていました。
ともわれ、たとえばよく言われる排泄対応とかそういった実務的なことは私もそうでしたが1か月程で気にならなくなります。むしろ、排泄がないと心配になります。慣れって怖いですね。
大変だったのは、1日の記録といった様々な書類の多さが凄まじかったことです。
トイレチェック・ご飯チェックと事細かに書類が細分化されていてそれを毎日人数分作成していきます。
記録担当を一人置ければいいですが人数の関係で不可能です。記録などの書類作成だけで1日かかるという意味不明な状態でした。
こういった業務にどうしても慣れない場合は、そもそも1か月ももたずに辞めてしまいます。
③辞めたくてもやめられない状態が続いていた。
自分が辞めてしまえば残った職員さんにダイレクトに負担がかかってきます。もし、大きな法人なら他の施設からスケットとして時間限定・期間限定で職員を足りない施設に配置したりします。そして、スケット職員はまた本来の勤務地に戻るといった緊急措置を行ったりします。
職員は、指示があれば動くだけなので・・・・
つまり、これができなければ閉園になるわけです。人材が急に入ってきたら別ですが、まさかそんな奇跡は起きないでしょう。
④辞めた保育士達は自分がやめれば閉園になることは分かっていた。
私の場合はとても大きな法人で高齢者介護の現場で働いていました。ですが、各施設の職員数は職員がだれも急に休まなければ回るという状態。実質パートさんのおかげで1日を過ごせていた状態でした。つまり、法人の大小は関係ありません。あくまで、その園にどれだけの保育士さんやパートさんが配置されているかが重要です。
今回の閉鎖もそうですが、自分たちがやめれば閉園になることは分かっていたと思います。
⑤最終手段として一緒に辞めた
この少数精鋭?の保育所の保育士3人が1か月で辞めたとあります。同時にやめたかは不明ですが、ほぼ確実に辞める時期は相談していたと思います。人間関系か給料面か業務内容か理由は分かりません。私は全てだと思っていますが・・・
よっぽどの状態だったことが容易に想像できます。
幼児教育無償化は意味がある?
2019年から幼児教育無償化が始まります。ただ、財源は10%に引き上げた消費税から使われると言われています。
ですが、その無償化政策の対象である認可保育所が閉園になりました。
「使うことができない施設のために消費税をあげて無償化?」
とどうしても否定的な気持ちになってしまいます。
まとめ
保育所の数は急激に増えましたが、それに伴いこれまで諦めていたママさんパパさんも利用できるようになりったことは素晴らしいことです。
ですが、それによりさらに慢性的な保育所不足になりました。
原因は、保育士不足。税金を保育所の無償化のために使うぐらいなら、保育士の給料をあげるだけでなく書類の簡素化など保育士業務の改善に使えないのか疑問が残ります。
保育士は国家資格です。民間資格ではありません。
国家資格を大変な思いで取得しても福祉だから自己犠牲?自分で選んだ仕事だから自己責任?
という風潮はまだまだ強いです。その結果が今の現状だと思います。
これまでは・・・
- 給料が低ければ、自分の生活水準を下げればいいだけです。
- 排泄業務など普段の業務はすぐに慣れてしまいます。
- 土日祝日お正月がないのも慣れてしまいます。
- 細かい勤務体系があったとしても慣れます。
10年間、そう言い聞かせて勤めていました。ただ、ケガといった事故だけは起こさないように緊張の連続でもありました。
ある意味、「最低限度の生活」だったと思います。
仮に給料が上がっても休みがなければ使いようがないですが、将来の不安がまったく違います。
仕事はボランティアではありません。その人の生命線そのものです。
急激に増えた認可・認可外保育所。なんの改善もおこなわないなら、私はこれからも閉園する保育所はどんどん増えていくかもしれません。
参考
「経営難理由に 29カ所の保育施設、突然の閉鎖」
→https://www.youtube.com/watch?v=DOP624-ZWho
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