子どもの近視治療~眼科:オルソケラトロジーという選択肢が増えました!~

最近話題の近視治療

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お子さんの目の状態が気になったことはありませんか?

最近では、タブレットが当たり前となり息子の場合はテレビの画面をタッチすることもあります。

 

 

タブレットはほとんど見せないようにしていたのですが、勝手に持ち出して画面を操作していることがあり画面は全てタッチパネルだと勘違いしているのかもしれません。(タブレットの暗証番号を入力しなくても、カメラ機能は使えるので覚えてしまったようです・・・)

私としても、今後の不安があり最近注目されている「オルソケラトロジー」について調べてみました。

 

オルソケラトロジーとは?

聞きなれない言葉だと思いますが、近視を矯正する視力矯正の一つです。

レーシック手術とは違い、就寝中に特殊なハードコンタクトを装用することで角膜の形状を変化させて近視を矯正することができます。

*レーシック手術の場合、角膜を切開しレーザーによって角膜を削ることで角膜の形を変化させ視力を回復させます。安全性は高いですが、手術ですのでリスクがあります。また、切開した傷は一生残るためその部分は非常に弱い状態になります。

 

以国内外で前は、20歳以上でなければ利用できなかった!?

実は、これまでオルソケラトロジーは、20歳以上に限定されていました。

しかし、国内外の研究で未成年への有効性と安全が確認されたため未成年にも認められました。

オルソケラトロジーガイドラインが2017年12月に改正第2版が発行

対象年齢が、「20歳以上」→「原則20歳以上。未成年者に関しては慎重処方」という内容に変更されました。

→つまり、医師の診断のもと本人と保護者の同意があれば未成年者でもオルソケラトロジーは可能となりました。

ただ、治療である以上リスクが伴います。

睡眠中にハードコンタクトレンズを装用するだけなので、いつでもやめることができチャレンジしやすいのですが・・・

デメリット

使い方は、通常のコンタクトレンズと大きな差はありません。

①コンタクトレンズやレンズケースが清潔ではない場合、角膜感染症を起こす可能性がある。
②長時間、コンタクトレンズを装用した場合、角膜の酸素不足のため内皮細胞が減少することがある。
→FDAの認可を受けた高酸素透過性のレンズ素材で作られているため、普通のコンタクトレンズよりも安
全性は高いといえます。
③装用中に目がゴロゴロすることがある。

*FDA:アメリカ食品医薬品局・・・日本の厚生労働省にあたる機関。

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オルソケラトロジー治療のメリットは?

治療に使われるレンズは、オルソレンズ(ナイトレンズ)と呼ばれます。

先程もお伝えしましたが、この治療は近視治療です。

近視とは

①角膜や水晶体の屈折率が高い。

②網膜の位置が通常より後方にあるため、網膜上にピントが合わない

状態になっています。

→つまり、オルソレンズを装用することで角膜の形を矯正し、正常な屈折ができるようになります。

こんな悩みが解消!

  • 黒板の字が見える。
  • ドライアイを気にしなくていい。
  • 視界が広がる。

など。

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オルソレンズは、睡眠中のみの使用

  • 自宅だけで治療が完結するため、外でレンズを落とすことがない。→定期的な眼科受診は必須
  • スポーツができる。
  • 異常があればすぐにやめることができる。

といったメリットがあります。

 

保険適応外!

この治療は、睡眠中に付ければ朝に外しても日中の視力が維持されるというものです。つまり、視力が回復するわけではありません。そのため、毎夜装用する必要があります。

つまり、装用をやめた時点で角膜はもとの状態に戻っていくことになります。(近視の状態に戻る)

ただ、近視の進行を遅らせることができるのでメリットは大きいでしょう。

治療費が含まれており、保険適応外のため両目で10万~20万円ほどの費用がかかります。

調べてみると、不安な方のために装用体験ができるクリニックや眼科が数多くあるので一度確認されてはいかがでしょうか?

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まとめ

さまざまな治療法が日々開発されています。

今回紹介したオルソケラトロジーも、アメリカで2000年頃に製品化されました。日本では、2010年に厚生労働省が承認を出しています。それからは、日本のオルソレンズも使われるようになりました。(最初は、アメリカからの輸入が頼りだったようです)

そして、いまでは「慎重処方」という条件づきですが、未成年者にも利用可能となりました。

10年単位の長い時間がかかっていますが、それでも医学は確実に進歩しています。

治療は、メリットとデメリットが表裏一体。何十年も経ってから問題が表出することもよくあります。

信頼できる医師と相談しながら治療は勧めていくしかないでしょう。

「最新治療だから・・・」ではなく、「信頼できる医師だから!」という理由で医師と患者とで治療方針を決めていくことが理想的だと思います。

私たちも学ぶことができます。知識は武器にも盾にもなります。


参考

オルソケラトロジーガイドライン改正(第2版)発効
https://www.universalview.jp/news/20121023-2-2-2-2-21-2-2-2-2-2-2-2-2-2-2-2-2-2-2-2-2-2-2-2-2-2-25

表参道眼科マニア
https://www.minamiaoyama.or.jp/blog/post-1426/

リベルワークス:FDAとは
https://www.liberworks.co.jp/cert/10.html

さくら眼科クリニック
http://www.sakura-ganka.com/%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%82%B1%E3%83%A9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC%EF%BD%9E%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BA%EF%BC%88%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%B3/

ヨミドクター
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180131-OYTET50032/

 

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