皆さんは、お弁当の思い出といえばどんな物がありますか?
実際に、お弁当を作っているママさん・パパさんもいらっしゃるでしょう。
そんな、お弁当を「作る人」・「食べる人」が気をつけないといけないことがあります。
今回は、「お弁当でまさかの食中毒!?」についてご紹介します。
お弁当で「食中毒」ってそんなに危険なの?
そもそも食中毒は、細菌・ウイルス・有毒な物質(化学物質など)・その他(寄生虫)などがついた食べ物を食べることで発生します。具体的には・・・
- 下痢
- 腹痛
- 発熱
- 吐き気
といった症状が現れることは皆さんご存じかと思います。
ひどい場合は、命を落とすこともあります。
さて、毎日せっかく早起きして作ったお弁当のせいで、こんなことになっては目も当てられません・・・
「知らないから仕方ないじゃないか!」なんて言われることもありますが、ソクラテスの「無知の知」という言葉をご存じでしょうか?
「知らないことは、恥ではない。ましてや罪でもない。誰もが最初は知らないのだ!」なんてちょっとかっこいい名言。→「知らないことを自覚する」というとてもポジティブな意味です。
ただし、ずっと知らないままでいると、「無知の恥」になってしまうかも。
まあ、哲学の話しはこれぐらいにして・・・
なぜお弁当で食中毒が発生するの?
それは、食中毒が発生する条件が、そもそもお弁当箱には揃っているためです。
作った食べ物(お弁当)はすぐに食べられない!
自宅で食べる場合は、調理してすぐに食べますよね?
わざわざ何時間もおくこともありませんし・・・
「食器に盛り付ける」・「一人暮らしなら、うどんの鍋ごと箸をつついて食べる(独身時代の私)」など、おもいおもいの食べ方で、すぐに食べると思います。
仮に、余ったとしてもタッパに詰めたりして、冷蔵庫に保存しますよね。
お弁当の場合はどうでしょうか?
朝8時頃にお弁当が完成したとして、お昼の12時に食べるとします。
最短で、4時間もお弁当を作ってから食べるまでに、時間が空くことになりますよね。
この時、お弁当の保存のやり方を間違えると、とんでもないことになります。
食中毒を起こす細菌の多くは・・・
- 37℃前後(人肌と同じくらい)の温度でもっとも増殖する。(細菌の増殖は50℃以下で進む)
- 10℃以下になると細菌の増殖は低下。
- -18℃以下で増殖が停止。
といった特徴があります。
つまり、例えばご飯を冷まさずに蓋をすればお弁当内の温度が上がるため、細菌が増殖しやすい環境に簡単になってしまいます。
増殖しないように、「うちわ」や「クーラー」などを使ってできるだけ素早くお弁当を冷ます必要があります。(「細菌が増殖する温度」→「増殖が抑えられる温度」まで素早く冷やす)
ちなみに、時間ごとの細菌の増殖量はこんな感じです。
増殖速度の早い腸炎ビブリオの場合
栄養条件がいいと、10分に1回分裂し2倍になります。1時間で約32倍。3時間で約1万倍・・・
あっという間に、細菌の増殖は進んでいきます。(基本的に言えば、お弁当は30分以内に冷やす必要があります)
このように書くと、「無菌にしなくちゃ!」なんて考えてしまう人もいるかもしれませんね。
勘違いしてはいけないことは、なんでもかんでも「無菌を目指せばいい!」ということではありません。
そもそも、一般家庭で無菌室やアルコール消毒漬けのご飯なんて準備できるわけも食べたくもありません。(技術も時間もないない尽くし)
仮に用意できたとても、その人は抵抗力が付かないため簡単に風邪をひいてしまうような病弱な人にしかなりません・・・
忘れてはいけないことは、食中毒菌を1~2個摂取しただけは発症しません。もちろん、個人で抵抗力も違います。
つまり、いかに症状がでない量にまで菌を抑えるかという話しです。
このように、お弁当のリスクは、この「すぐに食べられない!」ということに集約されているといっても過言ではないでしょう・・・
そのため、お弁当は食中毒予防が欠かせません。「キャラ弁」が流行っていますが、以下に挙げる注意点は最低限クリアしていないと大変なことになります。
→見た目ももちろん大切ですが、食べられなければ意味がありませんので・・・
お弁当を安全に保つために!
①温かい物を冷まさずに入れると、蒸気でお弁当内に水滴が広がる
食中毒菌が活動するためには、先程温度(37℃前後)が重要になることをお伝えしました。ですが、他にも気をつけないといけないことがあります。
そもそも、細菌の栄養素は食品・残菜・有機物の汚れと多岐にわたります。例えば、調理器具などに付いた食品や汚れも細菌の栄養となります。
特に、高タンパク質食品(肉・納豆・乳製品・卵など挙げればきりがない)は細菌にとっても最良の栄養源になります。
とはいえ、細菌がその栄養を摂取しようとすると水に溶けている栄養分を分解して摂取しなくてはいけません。
逆に言えば、水分がない食品では細菌は増殖しようがありません。
そのため、お弁当にいれる食品はできる限り水分を切ることが求められます。
例えば、葉物野菜を仕切りに使ってしまうと浸透圧により、おかずの塩分から葉物野菜の水分が出てしまうこともよくあります。(葉物野菜の水分が塩分の高い方に移動しようとする)
このように、野菜を使うときは注意が必要です。
②お弁当に入れる具材のチョイス!
葉物野菜の入れ方もそうですが、食材のチョイスを間違えると細菌が簡単に増殖してしまいます。
- 生野菜:ポテトサラダなども危険。
- 果物
- チャーハンなど具や調味料などで味付けしたご飯(常温保存できるふりかけなどの乾物系はOK)
- 麺類
- 熱がしっかり通っていない食べ物(半熟卵・唐揚げ・ハンバーグ)
- プチトマトのヘタ(ヘタには細菌が多く付着している)
- 梅干しを過信(梅干しをご飯に混ぜれば効果があるが、乗せただけではその周辺のみしか殺菌効果がない)
特に、つい入れてしまう「果物」や「手作りハンバーグ」、「半熟卵」は特に要注意です。
梅干しをご飯の真ん中に置いただけでは、設置部分しか効果がないことは多くの人に知られるようになりましたが、まだまだ間違ったお弁当の危険性については、知られていないのではないでしょうか?
最後に
お弁当作りは、毎日繰り返されるため作るだけでも大きな負担になりますよね。「キャラ弁」なんて言われた日には個人的には無理です!
そもそも、お弁当の具材も限られてくるため難易度はさらに高くなります。
お弁当を作るときは、栄養のバランスだけではなく食中毒対策ができていることが大前提です。
間違っても、特に夏場はお弁当を職場のロッカーの鞄に放置せずに冷蔵庫に入れて下さい!
もし、対策なしのお弁当を冷蔵庫に入れ忘れて、何時間も放置状態だったなら、そのお弁当はあきらめた方がいいかもしれません。
とはいえ、中学・高校はお弁当を真夏ですら鞄に放置状態でした・・・
「ずいぶん危険なことを6年間も続けていたんだな・・・」と今になって思いますが、親が食中毒対策をしてくれていたのだと思います。(粗熱をとってから詰めたり、保冷剤を付けたり、卵はしっかり焼いたりなど)
母は偉大ですね・・・
さて、エアコンが付いていたとしても、細菌が繁殖しないとされる10℃以下にはなっていませんよね・・・
部屋の環境によっても細菌の増殖量は変わりますが、できる限りお弁当の常温保存は止めて下さいね。
参考
農林水産省
→https://www.inshokuten.com/kitchen/magazine/194?from=top
飲食店.com
→https://www.inshokuten.com/kitchen/magazine/194?from=top
食と暮らしをかんがえる こおらす
→https://www.nichirei.co.jp/koras/category/knowing/002.html
花王
→https://www.kao.co.jp/pro/food_poisoning/basic/factor.html
コメントを残す