車に乗っていると、必ずと言っていいほどトラックを見かけますよね。
もしも高速道路を走るなら、走行中に何度か追い越すこともあるのではないでしょうか?
ただし、トラックに限ったことではないですが、急な割り込みは絶対にしてはいけません。
今回は、「トラックの震度と割り込みの危険!」についてご紹介します。
*事故の危険はもちろんありますが、それ以上に冗談ではすまないことが引き起こされます。
トラックやトレーラーの走行は「地震の連続発生」と同じ!
そもそも、トラックは荷物を運ぶことが仕事ですよね。
ですが、運転手が絶対死守しないといけない走行中の積荷には、「振動」や「衝撃」が加え続けられることになります。
それでは、詳しい説明に入る前にまずは、普通に走るだけで具体的にどれだけの震動が積荷に加わるのか見ていきましょう。
トラックの揺れを地震に例えると?
- 震度2:静かにアクセルを踏んでゆっくり発進
- 震度7:乱暴に急発進
当然ですが、荷崩れを起こさせないためには安定した走行が要求されることになります。
とはいえ、どんなに安定した走行ができたとしても、積荷は絶えず大小の振動を受け続けることになります。
振動が襲い続ける!?
例えば、舗装がしっかりできている道路なら上下に「震度2」の負荷。
ところが、道路工事中の段差・橋と両岸の土生との継ぎ目・道路の凸凹(マンホールの溝の乗越など)は、積荷に対して「震度4~7の激震」として上下方向に揺さぶられる衝撃になります。
つまり、安定走行ができたとして走行区間によって、積荷に与えるダメージは計り知れません。
また、路面の状態だけでなくカーブも注意が必要です。
カーブが積荷に与える震度は?
左から右にカーブしているS字型の長い下り坂があったとします。カーブはきついですが、見通しはいいため乗用車ならスピードを出してしまうかもしれません。
例えばこれが、曲線半径100mの左に曲がるカーブなら・・・
と言っても、よく分からないですよね。
~曲線半径ってなに?~
そもそも、カーブの手前には警戒標識の中で「この先がカーブになっている!」と知らせる左や右に湾曲した黒い矢印の標識が立っています。
その標識をよく見ると、補助標識として「R=⚪」と書かれていたりします。
例えば、「R=300」とあれば、「これから進入するカーブの曲線半径が300mのカーブ」ということになります。
ちなみに、数値が小さいほどカーブはきつくなりますが、100Rは間違いなく急カーブです。
例えば、原則として・・・
R=460以上→時速100km / R=280以上→時速80kmとなっています。
さて、話しを戻しますが「R=100」の左に曲がるカーブを速度50km/hで走った場合、積荷は遠心力より右側に引張られ震度5の強震相当の振動を受けることになります。
もしも、60km/hで走行すれば震度6の烈震に相当する振動を積荷が受けることになります。
さて、それではトラックの前に割り込む行為はどういう意味になるのでしょうか?
トラックの前に割り込んだら・・・
例えば、市街地に入って信号待ちで停車する場合、通常のブレーキ動作なら震度2の軽震程度です。
ですが、もしもブレーキを踏むタイミングが遅れてしまえば、震度4の中心程度の揺れに変わってしまします。
そんな状態のトラックに対して、例えば高速道路で割り込んだり、一般道で自転車や歩行者が飛び出すなどしてトラックが急ブレーキを踏めばどうなると思いますか?
→積荷が受ける衝撃は「震度7の激震以上」!
それでは、トラックの積荷への影響について理解してもらえたと思うので、ここからはお金の話しをしていきます。
積荷の損失は誰が負担する?
「トラック」と一言でいっても、平ボディ(軽トラックのように屋根がない)や貨物自動車などさまざまな種類があります。
そもそも、運搬する荷物の中で最も高価な物は競走馬
です。
高速道路を走っていると、「JRA」と書かれた車を見かけることがありますが、この大型バスのような車両は、一頭10億円以上するような競走馬を運んだりもします・・・
もしも、そんな車の前に割り込んだ結果トラックが急ブレーキをして、馬が骨を折るような事態になればどうなってしまうのでしょうか?
もしも、馬が骨を折るようなことがあれば、苦しんだ末に死にいたることになるため、安楽死させるしか方法がなくなります。
このように、運転手のひと踏みが多額の損害を引き起こすことになります。
ここからが、大事な話しになります。それでは、誰が損害を被ることになるのでしょうか?
ドライバーが所属する運送業者じゃないの?
確かに、トラックに荷物を積み込んだ時点で、ドライバーが所属する運送業者側が損害を負わされることがほとんどです。
ちなみに、以前は追突した側の責任が大きくなるため、トラックは急ブレーキをかけない範囲の最大限のブレーキで追突させる事例もあったようです。
これは、「1億円の損害よりも追突した車の修理代の方が安かったから」だとか・・・
ですが、最近ではドライブレコーダーが当たり前の時代になりました。
特に、高価な荷物を運ぶトラックであれば「ドライブレコーダーは搭載されている!」と考えて間違いないでしょう。
→トラックの後ろを走行していると、「ドライブレコーダー搭載」なんてステッカーをよく見かけます。
つまり、事故の状況が証拠として残っているため、もしもあなたが割り込んだことが原因で、トラックが急ブレーキにより荷崩れを起こしたのなら、その損害賠償は割り込んだ車が追う可能性が高いです。
ただ、お金の話しだけでなくそもそも急ブレーキはトラック運転者の命を危険にさらします。
急ブレーキは命がけ!?
そもそも、トラックは積荷を運んでいますよね。
もしも、乗用車なら急ブレーキで止まることができればそれで終わりですが、トラックの場合は積荷が襲いかかってくる場合があります。
積荷にもよりますが、ブレーキをかければ慣性の法則により運転席に積荷が流れ込んでくることになります。
その結果、バランスを崩して横転することや、ひどい場合は運転席が潰されます・・・
最後に
トラック運転手は、多めに車間距離をとっていますがそれは安全に確実に止まるためです。もしも、あなたが割り込んでしまえば、トラック運転手のストレスは計り知れないでしょう。
さらに、その割り込みが急な割り込みだった場合、トラック運転手は人生の選択に迫られることになります。
もちろん、その選択には割り込んだ車の運転手にとっても同じことが言えます。
もしもあなたがドライバーなら、基本的に「パトカー」や「自衛隊の車両」・「高級車」などに急に割り込むような運転はしないのではないでしょうか?
分かりにくいだけで、トラックは一番の高級車だといってもいいでしょう。
無理な運転はしないようにご注意下さい。
参考
福井県木材組合連合会:安全輸送のためのマニュアル
→https://bike-news.jp/post/140974
livedoor NEWS: 一般車の割り込みでトラックがさらされる危険 運転席潰される恐れも
→https://news.livedoor.com/article/detail/15497216/
くるまのニュース:「急な割り込みヤメて!」トラックが車間空けるには意味が… トラック運転手の悲痛な叫びとは
→https://kuruma-news.jp/post/224635/2
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